ばふんおにぎりは南阿蘇の高森町
ばふんおにぎりは阿蘇山の南にある高森町という場所にある。阿蘇山の東は宮崎県なのでこの2県に肉で巻いたおにぎりが集中しているのだ。おにぎりオーパーツである。
肉で巻いたおにぎりのシンクロニシティ
高森までは熊本市内から電車を乗り継いで1時間半。阿蘇だからそれぐらいはかかるだろう。そうは思っていたが途中の車窓から見える景色が予想以上に雄大である。
景色のいい鉄橋の上では列車がゆっくり進んじゃうぐらい
ふだんであれば家から歩いて2分のコンビニで買えるおにぎりである。それを買うためにとんでもないところまで来てしまった。
しかし高森にゆく南阿蘇鉄道は宝くじ号
献血車や上野動物園のモノレールでおなじみの宝くじ号である(宝くじの収益で作られた車両はこの名がついている)。小さくて珍しい乗り物はたいてい宝くじ号である。アポロの月面車も日本が作ったらきっと宝くじ号だったと思う。
ばふんおにぎりは1軒だけで
ネットで調べるとばふんおにぎりは高森駅構内にあるレストランにあるという情報もあるのだが、駅構内にレストランはなかった。
観光案内所で聞くと今はブルーグラスというレストランだけで出しているとのこと。そして雨が降ってるので傘を貸してくれた(親切)。
高森駅から徒歩25分ぐらい、レストランブルーグラス
そしてバフンおにぎり 740円
宮崎で食べた肉巻きおにぎりよりも大きい。1個でごはんがお茶碗一杯分ある。肉は甘じょっぱく味付けしてあってごはん何杯でも食べられる味である。実際、ごはんが多いので辻褄があっている。
食べかけの写真も撮ろうと思ったけど気づいたら1個ほぼ食べてた
お店の人に聞くとばふんおにぎりは25年前からあるそうだ。そしてこのブルーグラスが発祥の店とのこと。阿蘇には馬を飼っている牧場も多いし、なんでもばふんに例える文化があるのかもしれないと思って聞いてみると
「いや、インパクトで」
とのことだった。そんな文化なかった。
馬もいる(ブルーグラスは乗馬クラブでもある)
宮崎の肉巻きおにぎりは東京でも食べられるがばふんおにぎりはここだけだ。おにぎりを食べるためだけに熊本まで来てしまうとは、毎日フランスからクロワッサンを空輸するぐらいの贅沢をしてしまった。
その贅沢がいやみに聞こえないのはばふんの響きのおかげだ。
それにしても風光明媚
ばふんおにぎりを食べて外に出ると雨はやんでいて、山にはうっすら霧がかかっていた。
おにぎり買いに来たとは思えない景色だ
さっき観光案内所で借りた傘は子供用の黄色い傘で、その日僕は紺のズボンに紺のパーカー、そしてなぜか銀の靴という不思議な服装をしていた(前日スーツで仕事をしていて、急遽着替えを買ったらこういう組み合わせになってしまったのだ)。
つまり全身が、紺・紺・銀・黄というありえない配色でモヤのなかを歩いていて、横には馬がいる。ちょっと黄泉の国みたいでおもしろかった。
帰りのバスからは風車見えちゃうし
ばふんは100%ウマイ
ばふん、という食べ物としては珍しい名前でありながらばふんおにぎりはおいしかった。もうひとつのばふん系食べ物であるばふんウニもうまい。
つまり、ばふんの名がつく食べ物は100%うまいのである(サンプル数:2)。ばふんは美味の称号と言っても過言ではないだろう(まずくてばふんなんて名前だったら誤解される恐れありだ)。
料理人の皆さん、美味しい料理ができたあかつきにはばふんの名をつけるのはどうだろうか。もれなく僕が食べに行きます。