名古屋はどうか
ここからはどんどん西へ向かう。まずは中日ドラゴンズの本拠地、ナゴヤドームだ。2021年から命名権の関係でバンテリンドーム ナゴヤと呼ばれている。
こちらもドーム球場なので、インターネットでフィールドの向きを特定した。結果は……
しかし、残念なお知らせもある。富士山である。
この球場と横浜スタジアムを直線で結ぶと、ちょうど富士山の山頂を通過するのだ。
こんなどうでもいいことに気が付いたのは私が初めてだと思う。
筒香選手の打球を横浜の空に届けるためには、屋根を突き破って、さらに富士山頂を越えなければならない。過酷だ。
甲子園の記憶
続いて、阪神タイガースの本拠地、阪神甲子園球場。筒香選手と甲子園と言えば、2017年、雨に濡れ田んぼのようになったグラウンドで、泥まみれで戦ったクライマックスシリーズだ。
そんな阪神甲子園球場から横浜の空にめがけて打つと……
しかし、筒香選手は甲子園と相性が良い。横浜高校時代には甲子園で満塁弾を含む2打席連続ホームランを放ち、大きな話題となった。また、メジャー移籍直前の2019年シーズンは、甲子園での打率が.371と、他のどの球場よりも高い。
マツダスタジアムは理想の方向を向いている
セリーグ最後は、広島東洋カープの本拠地、MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島(マツダスタジアム)だ。
実は、この位置関係は、あるべき姿なのである。どういうことかと言うと、公認野球規則にはこう書かれている。
本塁から投手板を経て二塁へ向かう線は、東北東に向かっていることを理想とする
太陽光がプレイの妨げにならないように、フィールドの方向が規則で決められている。ただし、「理想とする」と書かれているように、そこまでの強制力はない。実際、東北東を向いていない球場も多い。
しかし、マツダスタジアムは律儀に東北東を向いている。そして、偶然にも広島から見て横浜は東北東に位置する。なので、横浜の空に放たれた打球はホームランになる。これは、マツダスタジアムが規則通りの方角で建てられているという、あるべき姿によるものなのだ。選手は心地よくプレイできることだろう。
ちなみに、この規則は過去に何度か変更されており、1920~1930年 には「南」となっていた。1924年にオープンした阪神甲子園球場が南を向いているのは、当時の規則に従っているからだ。