包みの思い出
「包み」で思い出すのは、小学校の低学年ぐらいのこと、まだ一人で物を買うのが珍しかった頃、何か買うと、必ず「プレゼント用に包んでください」とお願いしていたことだ。
いま思えば迷惑な話だし、それに包みがもったいない。大人になった今では基本的にはそのまま、袋すら買わずに受け取る。
でも、あの頃、ギフトラッピングというものに興奮を感じていたのだろう私の姿を思い浮かべると、なんだかいじらしく、これからの人生への希望に満ちたようすにも思える。
まずはまさに童心にかえって、プレゼント用みたいにあれこれを包んでみよう。当時の興奮は呼び覚まされるだろうか。
初心者にも包める物は
見回すと、ティッシュの箱が目にとまった。美しい立方体! 包んでくれといわんばかりの形。何で今の今までこれを包まなかったんだろう、そんな気分にすらなる。
早速包んでみた。
おお! とりあえずではあるが、不器用な私でもちゃんと包めたぞ。まさかこの中身がティッシュであるとは誰も気が付くまい。
続いて消しゴム。使いかけの消しゴムがプレゼント仕様になった。
包むとこんなに手軽にいきなり意味合いが変わるものか。