勝鬨橋に触れないわけにはいかない
「勝どき」という地名は、勝鬨橋が由来となっている。

改めて説明することもないと思うけれど、勝鬨橋は国指定重要文化財の橋梁で、かつては真ん中の橋桁が持ち上がり、バンザイをするような形で開いていた跳梁橋だ。
橋が架けられたのは1940(昭和15)年で、今から85年前。当時、晴海で開催予定だった「日本万国博覧会」のメインゲートとして架橋された。(この万国博覧会は日中戦争の激化により中止となった)
勝鬨は戦いに勝ったときにあげる鬨(とき)の声のことだが、なぜこんな名前がついたのか。
それは、勝鬨橋の架橋からさらにさかのぼること1905(明治38)年。日露戦争で旅順要塞が陥落したことを記念して、当時の京橋区(現中央区)の区民の寄付で作られた渡し船に「勝鬨の渡し」と名付けたことが由来となっている。


勝鬨の渡しは現在、築地の波除神社のある辺りから、勝どき1丁目と3丁目の間あたりまでを結んでいた渡し船だ。
日本橋から魚河岸が移ってくるより前、幕末から明治時代にかけての築地には海軍の施設が集中しており、築地は海軍の町だった。その海軍が活躍して勝利した戦いを記念して「勝鬨」という名前を冠した渡し船を作った。これが巡り巡って、今はこの「勝どき」が地名や駅名として残っている⋯⋯というわけだ。
ちなみに、このあたりの住居表示が「勝どき」となったのは1965(昭和40)年からで、それまでは全て月島だった。
勝鬨橋は、近くで見るとリベット接合のリベットがゴツゴツしており、大変かっこいい。

眺めのよいデニーズがある
勝鬨橋の勝どき側に、隅田川ビューのデニーズがある。

このデニーズ、マンションの2階部分にあり、隅田川と勝鬨橋を眺めながら食事ができる。

コロナ禍前までは24時間営業だったので、夜中に夜食を食べに行くついでに、パソコンを持ち込んで仕事などをしていたけれど、最近は深夜営業を取りやめているようだ。

橋の上を忙しなく行き交う自動車と、橋の下をゆっくり進む船を眺めつつ、600円ほどの鮭定食を食べる。
今は朝だが、夕方や夜に来ると、ライトアップした勝鬨橋がとってもきれいにみえる。こんなに眺めがいいファミレスはなかなかないと思う。

しかし、ここで皆さんに大変残念なお知らせです。このデニーズ、2025年3月23日で閉店となってしまいます。

この店舗が入っているマンションが建て替えとなり、取り壊されるため、閉店するのだという。
妻と一緒に来てご飯を食べたり、まだ子供が小さかったころにハンバーグを食べに来たりした思い出の多いデニーズだが、無くなってしまうらしい。
もし、行くなら今のうちに行っておいたほうがいい。