好きだった店や町並みはすぐ消えてしまう
ときどき、20年前に月島に越してきたときを思い出す。
あの頃は、大衆食堂、パン屋、酒屋、小さな祠、銭湯、古本屋、お寺、文房具屋、立ち飲み屋、駄菓子屋、ボウリング場、ポプラ(コンビニ)、長屋⋯⋯と、いろんなものがたくさんあった月島だったけれど、それらを次々に潰して、タワマンがグングン建ちはじめ、シュッとしたどこにでもあるようなビルに変わってしまっている。
諸行無常である。
月島といえば、みなさま「もんじゃ焼き」ということをイメージするかもしれない。
月島西仲通り商店街はいまやもんじゃ焼き屋だらけとなっており、もんじゃ焼きテーマパークのようになっている。
月島界隈に20年近く住んでいるけれども、もんじゃ焼きを食べに行ったのは10回ほどしかない。2年に一度行くか行かないかぐらいの割合だ。したがってもんじゃ焼きの美味しいお店とかは全くわからない。
その代わりといってはなんだが、西仲通り商店街の見どころとして、看板建築を見てほしい。
看板建築とは、中小規模の小さな商店の、洋風の外観をもった商店建築のことだ。関東大震災後に建てられたものが多く、月島は空襲による被災がごくわずかだったため、そういった建物が結構残っている。
アーケードの三角屋根が邪魔だけれども、大正時代から昭和時代のレトロモダンな看板建築の雰囲気を十分感じ取ってもらえると思う。
看板建築に書かれた業種と、店舗でやっている商売が違うところも多い。これは、1980年代から90年代にかけてもんじゃ屋に商売替えしたところがそうなっている。
先日、記事を書くために月島周辺を歩いたとき「たしか、だるまの絵の看板建築もあったはずだよな⋯⋯」と、しばらく探すも見当たらず。
たしかあったはずなんだけど⋯⋯と、調べてみたところ、でけえビルになっていた。
いい感じの看板建築はすでに無くなっており、三井不動産のミッドタワーグランドが建っていた。ホームページをみたら「いま東京時間を愉しむ、時間の最前線へ。」とのことらしい。東京時間って何?
月島の西仲通り商店街は、商店街の通りに面した場所も構わずガンガン壊して再開発を行っており、ここ以外にもあと二箇所ほどでかい再開発ビルが完成予定となっている。
西仲通り四番街の方には、中央区最高層のビルを作っている。ここには以前は自家製の焦げすぎパンを売っていたいい感じのパン屋さんがあり、好きでよく買っていたんだけど、もちろんすでにそのパン屋さんは無くなってしまっている。
なお、グランドシティータワー月島のビルは結構完成しており、月島の区民プールのあたりから写真撮るとこんな感じになっている。
ちなみに、グランドシティータワー月島のホームページをみたところ「日本の中枢、東京の中心に住まう。」と書いてありました。
ときどき、20年前に月島に越してきたときを思い出す。
あの頃は、大衆食堂、パン屋、酒屋、小さな祠、銭湯、古本屋、お寺、文房具屋、立ち飲み屋、駄菓子屋、ボウリング場、ポプラ(コンビニ)、長屋⋯⋯と、いろんなものがたくさんあった月島だったけれど、それらを次々に潰して、タワマンがグングン建ちはじめ、シュッとしたどこにでもあるようなビルに変わってしまっている。
諸行無常である。
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