川を愛する男
川はとても重要なものだ。山から多くの栄養分を海に運び、植物プランクトンを発生させる。森は海の恋人と言われるように、川は森と海を繋ぐキューピットのような存在だ。川があるから我々は日々生きていけるのだ。
私は川が大好きだ。ブランコとネグロと呼ばれる二つの流れが混じり合った栄養たっぷりのアマゾン川で泳いだこともあれば、ヨーロッパで2番目に長いドナウ川で泳いだこともある。では、なぜ泳ぐのか、川が好きだからだ。
今回は泳がない。東京を流れる川のオススメをTwitterやメールなどで教えてもらい、訪れるのだ。東京を流れる河川は100を越え、総延長は850キロ以上。見どころがたくさんあるはずなのだ。皆さんに教えてもらうしかないなのだ。
多摩川を見ながらコーヒー
まずは多摩川沿いに2019年にオープンした「リバーサイドポイント」を教えてもらった。多摩川は山梨を源流とする母なる川だ。なぜ多摩川が母なる川なのかと言えば、母音が全部「a」なので、個人的に母なる川ということにしている。
多摩川は東京と神奈川の境になっていることも多く、リバーサイドポイントは神奈川側。登戸駅からすぐの場所で、私の家からも徒歩ですぐの場所だ。1階はノルウェーに本店を置くコーヒーのお店「フグレン コーヒー ロースターズ」、2階には日本料理のお店「柏屋」が入っている。
1階の「フグレン コーヒー ロースターズ」でコーヒーを買って屋上で飲むこともできる。ノルウェーの風を感じながら多摩川の風を感じるわけだ。最近、多摩川の風が物理的に強いから、バンバンに風を感じることができる。私の家の洗濯物もよく多摩川の風により飛ばされている。
母なる川「多摩川」を見ながらのコーヒーは美味しい。レモネードのような風味と甘さ、軽い口当たりと透明感のあるコーヒーだ。いまコーヒーの味について、わかったようなことを書いたけれど、書いてあったのでそのまま書きました。ただ美味しいのは間違いないです。
野川の始まりへ!
多摩川の支流の一つ「野川」。オススメしてくれる方も多かった。国分寺を源流に世田谷の二子玉川辺りで多摩川と合流する。まずは源流を見に行こうと国分寺を訪れた。
日立中央研究所の湧水が野川の始まりなのだけれど、フェンスがあって見ることはできない。フェンス越しにここで野川は生まれているんだ、と夢に夢見るガラスの10代のような気持ちで楽しんだ。野川の源流は我々の心の中にあるのだ。
この辺りは湧水が多く、フェンスの向こうの湧水だけが野川を生み出しているわけではない。「真姿の池湧水群」というものがあって、そこで生まれる水も野川の流れの1つとなっている。見に行こうではないか。
国分寺駅から歩いて15分ほどのところに「真姿の池湧水群」はある。湧いた水は透明度が高く、もはや水がないようにすら見える。でもあるのだ、湧いているから。またこのあたりはその水の流れに沿って整備され、家と家の間の細い道を歩くこともできる。
川というと山の奥地で生まれるイメージがあるけれど、国分寺からも生まれているのだ。この水が野川となり、多摩川に合流し、羽田へと流れる。ロマンだ。ロマンの塊が川であり、川を愛する私もまたロマンの塊とも言えるのだ。