特集 2026年3月27日

新しい「〇〇ライス」を作りたい

とろみのついたなんらかのソースをごはんにかけて食べる「〇〇ライス」と呼ばれる料理、カレーライスとハヤシライスの2強すぎないですか?

もっともっと可能性のあるジャンルだと思うので、新たなスタンダードとなりうる〇〇ライスを開発してみようと思います。

シチュー作りの要領で小麦粉を足してあげれば、汁っ気のある料理はすべてとろとろソースにできるはず!
 

1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。

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歴史に名を残すチャンス!?

突然ですが、とろみのついたなんらかのソースをごはんにかけて食べる「〇〇ライス」と呼ばれる料理って、カレーライスとハヤシライスの2強すぎないですか?

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絶対王者「カレーライス」

僕はシチューをご飯にかけて食べるのも大好きなんですが、それをシチューライスとは、一般的には呼びません。ロシア料理のビーフストロガノフにもごはんが添えられていることは多いけれども同様だし、そもそも日本における知名度がだいぶ低い。

他に〇〇ライスと呼ばれるものの定番としてはオムライスがありますが、あれは全く構成が違いますよね。

その他にひねり出そうとすると、たとえば沖縄のタコライス、長崎のトルコライス、福井のボルガライス、タイのガパオライスなどが思い浮かぶものの、どれも冒頭の、とろみのついたソースという条件は満たしきれていない。そのうえ、カレーライスやハヤシライスと比べると、どうしても認知度が落ちますよね。僕の愛する大衆酒場「四文屋」の「煮込みライス」にいたっては言わずもがなです。

強いて言えば、中華料理の麻婆丼や中華丼はかなり近いものだと言えるけど、けれどもそれらはマーボーライスや中華ライスではなく、あくまで丼。

もっとあって良くないですか? カレーライスやハヤシライス的な料理のバリエーション。とろみのあるソースがかかった、ちょっとハイカラなイメージで「〇〇ライス」と呼びたい料理。

ないならば考えましょう。あれ!? これってかなりのブルーオーシャン、ビッグチャンスなんじゃないの!? だって、もしも食事ジャンルの新定番となりうる〇〇ライスを生み出し、それが広く世の中に浸透なんてしちゃった日には、開発者として歴史に名が残るじゃないですか。Wikipediaに名前は載るし、コンビニ新商品の監修を頼まれることもあるかもしれない。これはかなり、スナックで自慢できますよ。

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「シタマチライス」の誕生

と、いうこようなとを思いついたのには、実はきっかけがあるんです。

娘の好物がもんじゃ焼きで、家でよく作ります。もんじゃ焼きって、鉄板などでじわじわ焼きながら、焦げたところをハガシと呼ばれるへらでこそぎとってちびちび食べるのが醍醐味ですよね。

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ここがうまい

ところが昨年末に行った地元のお祭りに「あげもんじゃ」という屋台が出ていまして、娘が食べたいというので買ってみたんです。

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「あげもんじゃ」の屋台

これが、もんじゃ焼きの生地を小麦粉で作った皮で薄く包んで揚げた食べもので、娘が大変気に入り。で、家でも春巻きの皮を使って似たようなものができることを思いつき、ちょくちょく作るようになったんです。

ちなみに我が家のもんじゃのレシピは、たこ焼き粉かお好み焼き粉に10倍の重さの水を加え、刻んだキャベツやひき肉、ベビースターラーメンなど好きな具材を加え、少量の油も加えて混ぜて焼くだけ。市販のたこ焼きこやお好み焼き粉にはだしが含まれているので、これだけで簡単でうまいもんじゃになるんですよね。生地にソースや醤油をお好みで加えて、自分好みにカスタムするとさらに良いでしょう。

ところで、もんじゃ焼きではなくあげもんじゃを作る際は、じっくり焼いて焦がす必要はなく、まずはフライパンでざっくりと火を通して、生地というか、皮に巻く餡を作ります。

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こう

で、この餡のあら熱をいったんとり、春巻きの皮で巻いて揚げ焼きにします。

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こう

ちょっと面倒な料理ではあるんですが、まぁ娘が喜ぶので。

さて! ここでふたつ前の写真をもう一度ごらんください。ぐつぐつと火を通した、それでいて焦げはじめてはいない状態のもんじゃ。シチューっぽくないですか?

というか、考えてみればシチューって、ごく大ざっぱに言えば、肉や野菜を炒めて、小麦粉、牛乳バターを加えてとろみをつけた食べもの。構成的にだいぶかぶってるんですよ、もんじゃと。ほとんど和風シチューと言っていいんですよ。

これ、ごはんにかけたら、けっこういけるんじゃないだろうか? あわよくば、なにか新しい料理が誕生してしまうんじゃないだろうか?

というわけで、やってみました。自分用なので明太子入りで。

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もんじゃとライスの融合
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いただきます

するとこれがですね、諸手を挙げて「優勝だ〜!」と大喜びするほどではないものの、じんわりとうまかった。

あと、どこかで食べたなにかと似ている気がする。しかしそれがなかなか思い出せない。記憶をたぐり寄せるように味わっていて、後半にやっと思い出せました。どこか「麻婆丼」に似てるんですよね。豆腐が入っているわけではないものの、とろとろのソースとごはんが融合した食感、ひき肉の旨味、そして、ベビースターラーメンがかもしだす中華風味。気づいてしまうと、麻婆丼を食べているようにしか思えなくなってくるほど。つまり、ぜんぜんありです。

この新しい料理、シンプルに「もんじゃライス」と呼んでもいいんですが、せっかくだからもうちょっとオリジナル、かつハイカラな名前をつけてあげたい。ルーツが和食でも中華でも洋食でも、日本独自に進化した(というか勝手に僕が生み出しただけですが)、〇〇ライスというメニューであることを表現しておきたい。

となれば、これしかないでしょう。「シタマチライス」!

⏩ 「とん汁」と「かす汁」

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