特集 2026年7月28日

大阪の名物おこわ「とん蝶」を褒めたたえながら飲む

たとえば東京から大阪に旅行に行って楽しんで、新大阪駅で何か買って帰るとしたら551蓬莱の豚まんや「りくろーおじさん」のチーズケーキがまず定番だと思う。

そういうおみやげとは別に、帰りの新幹線で食べていく用に買うとしたらなんだろう。京都のパン屋・志津屋のサンドイッチである「カルネ」とか。もちろん、もっとがっつり駅弁を買って食べるのも楽しいけど……「とん蝶」もある。

とん蝶は「絹笠」という老舗和菓子店が製造・販売している“おこわ”で、もち米の中に大豆や刻み昆布、小梅などが入ったものである。細長い三角形の、竹皮を模したようなパッケージに入って大阪のあちこちで売られている。新大阪駅でも買える。ちなみに「とん蝶(ちょう)」というその名は、ふるさとを連想させる「とんぼ」と「蝶々」から取って創業者が付けたものだという。

とん蝶好きの友人たちと、とん蝶を食べながら「とん蝶って美味しいなー」と言い合いながら過ごしたら楽しかった。

大阪在住のフリーライター。酒場めぐりと平日昼間の散歩が趣味。1,000円以内で楽しめることはだいたい大好きです。テクノラップバンド「チミドロ」のリーダーとしても活動しています。(動画インタビュー)

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案外知らない人も多い?「とん蝶」

先日、大阪でバンドの「cero」のライブがあって、それに行ってきた。最初から最後までずっと圧倒されているような、素晴らしいライブだったのだが、ボーカルの高城晶平さんが合間のMCで、とん蝶の話をしていた。

大意としては、「前に大阪でライブをした時にMCで『とん蝶って美味しいよね!』みたいなことを言ったら、会場が思ったように盛り上がらなくてびっくりした。それでわかったのが、大阪の人でも案外、とん蝶を知らない方が多いみたい。すごく美味しいんですよ!いつも食べているし、明日の帰り道にも食べます」と、そういうことを言っていた(高城さんは「とん蝶、知ってる人いますか?」とお客さんに聞いていたけど、そんなに大勢の手は上がっていなかった)。

自分としては少し久々だったceroのライブ、楽しかったな

それを聞いて私も、「えっ、そんなにとん蝶は知られていないのか」と驚いた。もちろんきっと年齢層や普段の食生活の違いなどもあって、ceroのライブ会場じゃなくて大阪の街なかでアンケートをしたら、知っている人が大多数だったかもしれない。が、とにかくそのことが、私に改めてとん蝶というものを考えさせるきっかけとなったのだった。

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こんなことをここまで書いてきたが、私がとん蝶のことを知ったのはそれほど昔のことではない。今(2026年)から、7~8年前だろうか、大阪に引っ越してきて数年が経って、友人と特急電車に乗って少し遠くに出かける時にその友達がとん蝶を買ってきて車内で食べているのを見た。それで美味しそうだなと思ってその後に自分でも買ってみたのだった。「うまーっ!」と叫ぶ感じではない、しみじみとした美味しさ。

電車でとん蝶を食べる事例(画像は後で登場する今野ぽたさん提供)

それ以来、たまにデパ地下などで見かけると買って、夕飯のおともにしたりしている。とん蝶があって、もう一品用意して、さらに味噌汁があったら私にとってそれ以上望むものはない夕飯みたいな感じだ。

電車でとん蝶を食べる事例2(画像は後で登場する今野ぽたさん提供)

とん蝶を食べてみる

たまにとん蝶を食べる程度である私なので、まずはちょっと久しぶりに買ってみることにした。大阪・梅田にある阪神百貨店梅田本店の1階に全国各地の美味しいものが集まっている「うまいもんみっけ」というコーナーがあって、そこに行くと、とん蝶を買うことができる。

ただ、これは後述することになるが、とん蝶は消費期限がその日のうちに設定された、とにかくできたてが一番!という食べ物なので、遅い時間だと手に入らないかもしれないため注意が必要だ。

とん蝶を買いに阪神百貨店にやってきた

ちょうどその日は特別なフェアの期間にあたっており、阪神百貨店梅田本店限定、しかも販売期間も限定された「金ごま入り枝豆とん蝶」という商品も販売されていて、しかし私が行った14時頃にはもう売り切れていた。そんな風に限定のものも含め、とん蝶にはベーシックなものとは別に、いくつかの種類があるのだ。

ベーシックなとん蝶だけでなく色々な種類が販売されていた
期間限定のとん蝶は開店から1時間ぐらいで売り切れてしまったそう

それでも、「とん蝶」「七味とん蝶」「とうもろこしとん蝶」「ゆかりとん蝶」の在庫はまだ残っていたので、その中から「とん蝶」「とうもろこしとん蝶」を購入。

今日はこれにしてみよう

その日の夜に食べてみることにした。

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これがとん蝶です
竹皮風のパッケージを剥ぐと
中身が現れます
中身だけを取り出して皿に乗せてみたところ

お皿に乗っている様はまるでケーキのよう……しかしケーキとはかなり違った食べ物である。これも後述するが、いつも思うのが「とん蝶って写真に撮るのが難しい」ということである。簡単に写真映えがする感じではないというか、だからこそ撮影しがいのある対象と言えるだろう。私は下手なので、美味しそうに見えてなかったら申し訳ありません。

箸でぎゅっと切ってみるとこんな感じ

食べてみる。もち米の弾力、そして、昆布の絶妙な塩加減、炊かれた大豆の旨み、いい。具材が均一には分散していなくて、下の方に偏っていたりして、一口ごとに食感も味も香りも少しずつ違うのが楽しい。そしてとん蝶好きなら誰もが楽しみにしているであろう、カリッとした食感の小梅と、その梅を食べた後の赤いところのもち米の味よ。たまらない。

もう一つ買った「とうもろこしとん蝶」
こんな風に、とうもろこしの粒が色鮮やか

とうもろこしとん蝶も美味しく食べて、正直、二個立て続けに食べたら小食気味の私にしたら大満腹という感じであった。食べ応えはしっかりとある。私はだいぶ時間をおいてしまったが、できたてだったらもっともちもちした食感が楽しめたはず。

「やっぱりとん蝶、最高だな」と思った私は、いつもの飲み仲間たちに「とん蝶をつまみながら飲みませんか?」と連絡をした。しばらくして「いいですねー!」と、いい返事がみんなからあり、そのうち一人が「場所はどうします?」と言う。

たしかに、テイクアウトしかないとん蝶だから、それをみんなで集まって、しかもお酒も飲もうと思うと……悩んでいると「カラオケボックスはどうでしょう」と一人から提案が。なるほど、食べ物も飲み物も持ち込み自由のカラオケチェーンの部屋ならそんな遊びにぴったりではないか。

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