沖縄に来たらスーパーへ行ってほしい
沖縄のスーパーに売られているパンはだいたいでかい。
以前、といっても10年以上前だが、沖縄のパンがでかい、という記事を書いた。
あれから時は経ち、「ステルス値上げ」なんて言葉ができるくらいに物が小さく物価が高くなっていっている中、沖縄でもやはり変化はあったのだろうか。
確かめるべくスーパーにやってきた。
僕は沖縄に限らず各地のスーパーが好きで、旅行や出張で訪れるたびに行くようにしている。
沖縄の場合、売られているものがたいていでかいので旅行者としては買いにくい面もあるのだけれど、それでもお土産物屋さんにはない、リアルな沖縄の食材を体験したくて行ってしまうのだ。
うむ、さすが沖縄。ステルス値上げってなんすか、とでも言わんばかりのサービスぶりである。前日に定食屋さんに入ったのだけれど、僕の知る10年前とほとんど変わっていないように思えた。
もちろん物価は全体に上がっているはずなので企業努力のたまものだと思うのだけれど、やはり他県と比べると沖縄は太っ腹な印象がある。
パンコーナーの充実ぶり
沖縄のスーパーで特に好きなのがパンコーナーである。
他県でもスーパーに行くとパンコーナーでご当地パンを探すのだけれど、だいたい8割方は大手パンメーカーの共通商品で、残り1割2割がご当地パンといった割合ではないだろうか。
しかし沖縄のパンコーナーは地元メーカーである「オキコパン」と「ぐしけんパン」の勢力が強いため、僕らから見るとほぼ全域がご当地パンなのである。これはたまらん。
沖縄のパンがでかいのは家族が多いからだろうか。パンのみならず、総菜や弁当なんかもだいたいでかいのだけれど、それに慣れてしまった目から見ても、やっぱり沖縄のパンはでかいと思う。
もちろんでかさだけに驚くわけではなく、見たことがない魅力的なパンがたくさんあるのもいい。
スーパーブラックメロン
そんな充実のパンコーナーにおいて、ひときわ目立つパンがあった。
それがオキコパンのスーパーブラックメロンである。
ラッパーを思わせるフォントとカラーリング、そして容赦ないでかさ。旅行中なのにこれ買っちゃったら他に美味しいもの食べられないだろう。
しかしこの魅力にはあらがえず、買ってしまった。
僕は基本的にメロンパンが好きなのでコンビニなんかで新作を見つけるとよく買って食べているのだけれど、ここまででかいのは初めて見た。通常のメロンパンの2.5倍くらいある。
サイズもさることながら、なぜ黒くしたのか、という点にも注目したい。どこにもチョコ味とか書かれていないので、おそらくただ黒いのだ。
ジャリジャリ食感のマーガリンは沖縄のパンによくある人気の技である。ジャリジャリの食感を残した砂糖がマーガリンとともに塗られていて美味い。おかげでカロリーの高さは天井知らずである。スーパーブラックは一個で800kcalオーバーだった。
いま朝の8時前だが、持って帰るのも重いので食べてしまいたいと思う。
たぶん全員笑う
スーパーブラックメロン、嚙みついた瞬間に笑ってしまった。
見た目は驚くほど黒いが、味は想像通りのメロンパンだった。上下に切れ目が入れてあり、そこにたっぷりとジャリジャリの砂糖マーガリンが挟まっているので、噛みついた瞬間(ジャリ)って音がするのである。まじで冗談みたいな食べ物だ。たまらん。
普通のメロンパンだったら一つ分くらい食べたな、と満足感をもって手の中を見ると、スーパーブラックメロンはあと三分の二くらい残っていた。
今回は友だちの結婚式に呼ばれて沖縄に来た。感動的な式だったのだけれど、帰る日の朝にスーパーブラックメロンを買ってしまったので、いま記憶が完全にこっちに塗り替えられてしまっている。
とはいえ、食べただけで爆笑できるパンなんてそうそうないと思うので、最近笑ってないわー、という方は沖縄に行ってスーパーブラックメロンに噛みついてみてください。ぜったい笑っちゃうから。
焼失した首里城のいま
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