謎の使命感にかられ…
わたしは空手素人ながら、これまで試割り板や近所の畑に転がっていた石を素手で割ってきた。
いずれも空手経験者に指南を受け、素人でも割れるようコツを聞き、試割り板も石も気持ちよく割ることができた。
試割り板は正拳、石は掌底打ちと手を使ってきたので、次は足を使わなければという謎の使命感にかられ、今回バットを折る企画を考えた。
こうやって過去の写真を見ると、あぁ、やっぱり次は足だよなと改めて思う。詳しい理由はわからないが、手を痛めつけてきたので次は足もと本能的にバランスを取っている気がする。
ちなみに前回の石割り同様、今回も空手黒帯の旦那に協力を仰ぎバット折りを行うが、石割りと違うのはバット折りははじめ反対されたという点である。
石割りは試割りの記事を見た旦那が「石もコツをつかめば割れるんじゃない」と提案してくれたのがきっかけで実現できたが、バット折りは勢いと調子に乗ったわたしが発案したのだ。
旦那いわく、バットは手で割るものに比べて狙いが定めにくいし、失敗したときの怪我のリスクがでかいそうだ。わたしも時々キックミットを蹴らせてもらうが、確かにパンチよりキックの方が思ったところに当たらない。
また編集長の林さんからも、試割りを指南してくれた空手愛好家の花川さんが当時「バット折りは折ったバットが飛んでいってあぶねぇんだよ」と言っていたから気をつけて、と戒めのメッセージをもらった。
『失敗』『怪我』『リスク』『あぶねぇ』など、身震いするワードが並び若干および腰になったが、やると決めたものはやるというこれまた謎の情熱で決行する運びとなった。
想像以上の作り、想像以上の値段
やるとなったらまずは試割りバットを揃えよう。
格闘技用品で有名なボディーメーカーというスポーツブランドでバットを4本購入した。
今回ボディーメーカーの公式通販サイトで購入したのだが、注文後わざわざ購入意思確認の電話が入り驚いた。
「あんた、このバット買うん…?本当に大丈夫?」と心配されたのかと思ったら、初回購入者にはみんな電話確認を入れているそうだ。初めてのできごとで無駄にドキドキした。
ネットでの買い物は購入時に満足度のピークを迎えるわたしは、バットも届いてからすぐに開封せず、旦那から注意が入った。
バットがしっけると割れにくくなるからすぐに開封しなさいと言うのだ。
届いたバットはすぐに開封せよ
結局わたしは1週間くらい寝かせて熟成させたのち開封したが、本来はすぐ開封し、湿気の少ない乾燥した場所で保管するのが望ましい。
力のないわたしでも容易にブンブン振り回せるくらい軽いが、作りは想像以上にしっかりしている。
試割りバットを実際手にしてみて、旦那の忠告がようやく耳に入った。
これはバットが折れるか、骨が折れるかどっちかのやつだ。試割り板、自然の石と割ってきたが、今までで一番割れる気がしない。割るぞというメンタルが大事なのはわかるけど、これはマジで怖い。
石が割れたんだから木なら余裕だろうと内心思っていたわたしがバカだった。わたしはなぜこんなに体を張っているんだ。わたしだってチャーハン食べて幸せそうな記事を書きたい。
そんな恐怖心とは裏腹に、バットは既に4本も手元に届いている。しかもこのバット、1本のお値段がおよそ3,000円もするのだ。3,000円のバットが4本で12,000円、どひゃー!!!その12,000円でおいしいもの食べたい…
しかし、ここまで来て引き返すわけにはいかない。複雑な気持ちを抱えながら、決戦の時を迎えた。
バットを折るため、甥っ子召喚
バット折りはバットを支える人員もいるため、甥っ子2人を召喚した。彼らも幼少期から空手を続けている空手経験者だ。
おばちゃんが変なこと言いだしたばっかりに、仕事後にすみませんね。
バットを支えるだけでなく、みんな順番にバットを折ってくれる予定だ。
各々準備したりイメトレしたりしていたので写真は残っていないが、この時わたしは目前に迫ったバット折りにビビり、部屋の隅で震えている。
あとは蹴る時に1人がバット、もう1人がブロックが動かないよう支える。
バットが動かないよう、空手経験者にしっかり支えてもらう
時は来た。
素人のわたしが蹴るのはフィナーレで、旦那、甥っ子2人の順で蹴ってもらう流れに決まった。
怖いよ~~~怖いよ~~~マジで怖いよ~~~!!!