新神戸駅のふしぎ
5月の連休に新神戸駅に3時間ほど滞在することになった。
デイリーポータルZでは過去にも新神戸駅を訪れており、そこに滝があったり高架下でバーベキューができたりするというのは、記事で読んで知ってはいたのだ。
それでも僕自身新神戸駅に降りたのはこれが初めてだったので、せっかくならば周辺を観光してみようと思った。新幹線の止まる駅である、滝とバーベキューの他にもいろいろあるに違いない。
駅前は駐車場だった。少し離れたところにマンションとホテルが見える。夢ではなく現実に向き合っている街、新神戸、そんな景色である。
すでに手詰まりか!と思って駅に引き返そうとしていたところ、ロープウェイのりばの看板を見つけた。
ロープウェイのりばがあるぞ!
渡りに船(ロープウェイ)とはこのことか。ロープウェイほど観光地らしい乗り物もないだろう。
さすが連休、ロープウェイ乗り場にはものすごい行列ができていた。
ロープウェイの向かう先はハーブ園なのだという。それは行ってみたいけど、整理の人に聞くと、だいたい1時間くらい並ぶらしい。どうしたものか。使える時間は3時間しかないのだ。
ロープウェイに乗らずにハーブ園までたどり着く方法はないのか聞くと、歩いても1時間くらいで着きますよ、とのことだった。なるほど、それでいくか。
ロープウェイ乗り場からいったん新神戸駅へともどり、逆側の出口を目指して坂道を歩いていく。さすがはロープウェイで登る山、歩くとアキレス腱がピーンと張るくらいの斜度である。これを1時間歩くというのはなかなかのものではないか。
20分ほど歩くと分かれ道にさしかかる。ここから先、車では登って行けないのだとか。斜度的に、ここまででも車で来るのはすでに怖いのだけれど。
迷うような分岐はほとんどないのだけれど、途中にあった地図を見ると、自分がまさに山に向かって分け入っていることがわかってあらためて新神戸駅のすごさに驚く。
それにしても暑い。
いまは五月で、このところ肌寒い日が続いていたはずなのだが、新神戸駅を出て山に入ったとたん、もわっと湿度のある熱気を感じた。
ダムだ!
新神戸駅から歩いて30分ほどだろうか。目の前がぱっと開け、巨大な構造物が姿を現した。
ダムだ。