ちょっと聞いてよ 2023年7月17日

ミロに大人版が登場しているのを知らなかった私は

ミロといえば、子どものころ家にあるとうれしい飲みものだった。

健康にやたらに良いようだけど、そんなことは子どもにとってはどうでもよくって、とにかく甘くておいしいのが良かった。

大人になっても脈々と売られているのを見かけて「元気にしておるな」と活躍を見守る気持ちになっていたが、最近になって、大人に向けたミロが売られていると聞いたのだ。 
 

東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

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2021年の秋に発売されていた「ミロ オトナの甘さ」

それが、「ミロ オトナの甘さ」である。

2021年の10月発売だというから、存在を知らないまま2年ちかくも私はぼんやり生きながらえてしまったということになる。

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新製品、どんどん出るから本当にキャッチしきれない……

ミロといえば、近年、製造が追いつかず販売休止になりあちこちの売り場から姿を消したことがあった。

事態に気づいたライター井上さんがメーカーのネスレにインタビューして記事をつくったほどだ(結果、ミロのロゴがオーストラリアの形だという超スクープをゲットした)。

井上さんの記事の公開が2021年5月。「ミロ オトナの甘さ」はそのすこし後に登場したわけだ。

大人がミロを飲みだした

事情をまとめると、どうもこういうことのようだ。

  • そもそもミロは成長期の子どもの栄養補給を考えて作られ1973年から日本で売られている
  • 脈々と飲み継がれてきたが、2010年代になりその栄養機能に大人も視線を送りはじめる
  • 2020年に入ると鉄分の多さも知れ渡り注目度がさらにアップ
  • めちゃくちゃ売れ出し、2020年末には一時販売休止に
  • 2021年3月に販売再開、大人からの人気がさらに盛り上がる

「子ども向け」の歴史でやってきた飲み物が、じわじわ大人に飲まれるようになり、近年一気にその流れが加速したのだ。

すごいことだ。だってこれ、おとなが急にめちゃくちゃねるねるねるねとかたべっ子どうぶつ食べはじめて品切れ起こしたみたいな話だろう。

あまりに大人が飲むものだから、普通のミロだとちょっと甘いかもな、という声も上がるようになってきたらしい。

私が子どもの頃ミロを好きだったのは、甘いからだ。子どもにはうれしい。でも、甘いものは大人にはちょっと罪悪感がある。

とくに健康目的で飲むとしたら、甘さが押さえてあってもいい。ということで出たのが、大人版のミロ、ということのようだ。

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満を持して登場した……!

どのあたりがオトナなのかというと、砂糖を一部食物繊維に置き換えて調合したとパッケージにある。

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オトナのゆえんがここに

甘さをおさえつつ、ついでに食物繊維もとれてうれしい。

なるほど、確かな手つきで大人の側に寄せてある。

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大人版の方が容量が少なく、やや割高の模様

これが甘くないミロ……!

私が大人版の存在をはじめて知ったのは、大人のミロユーザからの情報だった。

友人や読者の方からある時期同時多発的に「いい飲み物がある」と知らせが入り、それが一様にこの大人版ミロだったのだ。

ここへきてミロが大流行するとはまさか思いもよらなかった。

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パッケージ、裏側はよく見ないと違いがわからない
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左:大人、右:子ども
カロリーと炭水化物が大人版のほうが少ない。そしてしっかり食物繊維が入っている。
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どれだけ共感が得られるかわからないんですが、ミロって、あえて少し溶かしのこしを作ると最後残ったじゃりじゃりがおいしくてうれしくないですか?
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飲み比べてみよう。まずはおなじみのミロ。

……。

……うまい。

ココアのようだと思いながら、大麦飲料であるその「ココアでは無さ」を貪欲に探すように飲んだかつての記憶がよみがえる。

ココアではない、確かにココアとはちょっと違う味がする、じゃあこれはなんだ…………ミロだ! みたいな茶番を勝手に頭でやっていた気がする。 

いっぽうの「オトナの甘さ」はどうだろう。

なるほど、同じ量の粉を溶いて、ミロのようにしっかりした甘さがない。

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粉としては見た目はまったく変わらず

甘さが押さえられた結果、全体的にミロとしての存在も抑えめになったような感覚があった。

結果牛乳の存在感が増し、うす甘く苦みの効いた「大人の牛乳」という感じもある。

大人向けにミロを作るとこうなるんだなあ。

クイズ「新しいミロは何のミロ」

事情を知ればなるほどと思うものの、やっぱり昔からミロを知っている身としては、ミロの大人版の登場は単純に意外な展開だった。

この商品の存在をまだ知らない人に飲んでもらったらどうだろう。「オトナの」のコンセプトは当てられるだろうか。

編集部の安藤さんと橋田さんにも「2年前に発売された、これまでのミロとは違う新しいミロなんですが、何のミロでしょうか!」とだけ言って、飲みくらべてもらった。

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ミロに新しいとか古いとかないでしょうよ……と不安げなふたり

橋田「うん。甘さが違うのは分かるね」
安藤「こっちは甘くない。単純に粉を少なめに溶いたってことじゃないんですよね?」

希釈のうすいミロだと思われてしまっている。もっとちゃんと飲んでみてください! 粉の量はちゃんと一緒なんです。 

橋田「味の薄いミロが新発売されたってこと? なんで??」
安藤「ミロライト? ヘルシーミロ? とかそういうこと?」

困惑方向へ突入するか……と思ったところで、甘さ控えめという特徴から、安藤さんがリーチをかけてきた!

橋田「あっ、そういうことか。わかった、ミロダイエット?」

うわー、惜しい!

安藤「ミロスポーツ!」

離れた!

安藤「ミロヤング……?」

あっ! 逆、逆!

安藤「逆??? ミロアダルト??」

そうですそうです! そこをもっと平たい言い方で!」

橋田「わかった、大人だ! えっ、大人用のミロなのこれ」

そうです!!!  橋田さん、正解を言いながら驚いていた。やっぱりミロに大人版があるって、子どもの頃にミロに親しんだ我々としては驚きなのだ。

ちなみに橋田さんは子どもの頃、家で薄いミロを出されがちだった思い出があり、その味を「オトナの甘さ」を飲んで懐かしく思い出したとのこと。 

ミロは今年日本発売開始50年だそうだ。歴史が長いだけに、人にノスタルジーを感じさせるポイントが思いもよらず多いこともよく分かったのだった。

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ふたりとも、もっとちゃんと混ぜて溶かして! とあまりの溶け残り具合に笑っていた。ミロの溶け残りを楽しむ癖、私だけだったらしい……!

大人のみなさまへ

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