- 企画説明
- ウエストの生そば、そして競艇~2026 冬の置き去り その1 八幡宿(玉置標本とヨシダプロ)
- 直売所のオリキャラから「暮らし」が見えてしまった~2026 冬の置き去り その2 市原市(佐伯と石川大樹)
- ふるまい豚汁、林の奥からきこえるEDM、ビンゴゲームの一等はエアサスペンション〜2026 冬の置き去り その3 長柄町(唐沢むぎこと文園うどん)
- カラオケから始まる迷子の旅~2026 冬の置き去り その4 茂原(つりばんど岡村ととりもちうずら)
- 寒風吹きすさぶ房総半島の平野を3時間近くひたすら歩く〜2026 冬の置き去り その5 大網白里市(西村まさゆきと伊藤健史)
- 千葉の東金で湖を見て梅を買う 大満喫の2時間47分~2026 冬の置き去り その6 東金(北向ハナウタと與座ひかる)
- トラウマを払拭したいが時間がない~2026 冬の置き去り その7 九十九里(べつやくれいと井上マサキ)
寒風吹きすさぶ房総半島の平野を3時間近くひたすら歩く
大網白里市、という町で降りた
東京駅からバスに乗り込み、すでに2時間以上。すでに数組が途中で降ろされ、残り3組ほどとなったころ、こりゃ最後まで行くかな〜なんて思いながら余裕をぶっこいていたところ、ついにクジが当たりバスを降りることになりました。
一体、どこで降りたのか! と、もったいぶるほどのことではないのですが、大網白里市のJAのスーパーでした。
当日は、結構な雨が降っておりまして、バスを見送るとさっさとスーパーの中に避難します。
巨大なアンパンマンとサイズのデカい薪が我々を出迎えてくれました。オランダの静物画のような取り合わせ感ありますが、ひとまず、雨が小降りになるまでここでやり過ごそうという話になりました。
新鮮野菜というのは、もう見るだけで目の保養になっていいんですが、こういった農産物を直売しているところでの意外な伏兵が、惣菜と弁当です。
日本全国、どこの道の駅に行ってもかならずパックの赤飯が売られていますが、例に漏れず、この道の駅にもありました。
千葉名物、チャー弁です。(商品名はチャーシュー丼と書いてありましたが)
さて、伊藤さんも私も、昼食(朝食も)を食べておりませんでした。
ここでチャー弁を買って食べても良かったのですが、この雨の中、座って食べられる場所もないので、一旦ここはスルーしてどこかの雨風をしのげる店に行って食べましょうということになりました。
しかし、この判断がこの後の行程を大きく左右することになるとは……このときはだれも知る由はなかったのです。
なんでも「撮り集めている」人
そんなわけで、伊藤さんがグーグルマップで周囲を検索したところ、近くにラーメン店があることを発見しました。その名も「ラーメンいわて」。
私たちは、いわてを名乗るほどだからわんこそば風だったりするのか、はたまた冷麺風なんだろうか? などと淡い期待を寄せつつ、真っ直ぐすぎる農道をトボトボと歩いていきます。
が、いちいち止まる訳です。これ。
JAのスーパーからラーメン店まで歩いて10分ほどの距離だったんですが、その短い間だけでこれだけ写真を撮っています。伊藤さん。
伊藤さんが、いろんなものを「撮り集めている」というのはまあ知っているんですが、伊藤整骨院に関しては「伊藤さん、伊藤整骨院ありますよ」と冗談で言ったところ「集めてるんですよね〜伊藤の店」といい出して撮影しだし「集めとったんかい!」となりました。
「ラーメンいわて」営業時間外
と、そんな感じのやりとりをしつつ、ついにラーメン店に到着しました。が「ラーメンいわて」には生気が感じられず、人の気配がしません。どうも、営業時間外に来てしまいました。Googleの情報は当てにならないわけです。
しかしながら、この程度でどうこういうおじさんではありません。次の店を探せばいいだけのことです。
すぐさまグーグルマップで「古民家ラーメン」を発見します。
古民家カフェなんてのはよく聞きますが、古民家でラーメンとはこれいかなるものなのか気になるので、更にそこまで歩いていくことに。
途中にあった立派すぎる用水の水門の写真と、派手に水に落ちる子供の絵を眺めつつ(写真を撮っています)、さらに歩いて古民家ラーメンに向かいます。
さらに歩き続けて数十分。古民家ラーメンにやってきました。
が、なんとこの古民家ラーメン、なんと行列のできる超人気店でして、我々は怯みます。
ちょっと冷静に考えてみます。
JAのスーパーで降ろされたのが11時00分ごろ。そこからラーメン屋までトボトボ歩いて11時30分。さらに歩いて古民家ラーメンに到着したのは11時47分です。
この企画、実は14時45分までにさっきのJAのスーパーまで戻らなければなりません。
トータル3時間45分のうち、ほぼ「撮れ高ゼロ」の状態でここにたどり着くまで50分近くかかっています。帰りも、歩きで帰ることになるとほぼ同じ時間がかかると考えて50分かかると見積もると、実質どこかで何かをする時間というのは2時間ほどしかありません。
「意外と時間ないですね」
「ないっすね、やめときますか」
「そうっすね」
これから古民家ラーメンで席が空くのを悠長に待つわけに行かないと、私たちは判断したわけです。
いやー、この計算ができるの、すごくないですか? ダテに50年生きてないんですよ、ふたりとも。(伊藤さんと私、同い年です)
とはいえ、朝から何も食わずにやってきたのでどこかで何かは食べたいので、古民家ラーメンからすこし離れたところにあるパン屋さんまで移動します。
待ち時間ゼロで食べられるパンと牛乳を買ってやっと作戦会議です。
グーグルマップでなにかないかと探したところ「樹齢約460年の大楠」というものが目に止まりました。
「樹齢450年の大楠ってありますよ」
「巨木か〜、いや巨木いいんだけど……」
とっさに(それでオモシロ原稿かけるかな)という言葉を飲み込みます。
さきほど述べた通り、弊チームここまで撮れ高ゼロです。
他のチームからは、グループLINEに、美味しそうなご馳走や、楽しそうなレクリエーションの写真が送られてきますが、弊チームはまだなにもなし得てません。
いや、世界を釣るパチンコ屋の看板やら見たことない形の一時徐行の写真は撮れているのですが、記事の核になるようなものがまだ何もありません。
もはや、わらにもすがる思いで樹齢約460年の大楠に賭けることにします。
起死回生の大楠がみつからない
パン屋から大楠を目指し、出立します。グーグルマップの言を借りると、徒歩35分とあります。時刻はすでに12時40分、大楠まで35分……帰りの時間のことはちょっと考えないことにします。
集落を2、3通り過ぎ、なんやかんやありつつ、ついに「大楠」のピンが突き刺さっているこんもりとした森にたどり着きました。
「樹齢約450年の大楠」のピンの位置に向かって歩く……ものの、寂れた納屋があるのみ。巨木はどこにあるのか……。
ラーメン二軒に振られ、このうえ巨木も空振りだと、それはまあそれで面白いんだけども、ちょっと寂しすぎるものがあります。
グーグルマップの情報はけっこういい加減なので、ピンがズレている可能性を考えてもう少し向こうの森に行き直します。
先程、空振りした森と違って、次の森は「十枝(とえだ)の森」と書かれた看板が掲出されており、中に入れそうな雰囲気になっています。
十枝の森と呼ばれるこの森は、昭和初期に千葉県議会議員を務めた十枝雄三氏の旧宅を公園として解放している場所らしい。そして樹齢約450年の大楠は、おそらくこの中のどこかにあるはず……。
とりあえず「樹齢450年の大楠」は弊チームでのいちばんの見せ場なので、デカい写真をふんだんに載せちゃいます。
どうですかこれ、すごいでしょう。すごいんです。ふたりとも「すごい巨木」と自己暗示をかけています。
十枝雄三氏と石井雙石って誰?
大楠のすぐ横には、この公園の元になった十枝雄三氏の立派な銅像があります。
十枝雄三氏は、大網白里市の前身、大網白里町の名誉町民ですが、この地域の用水を整備した功績で顕彰されています。
大網白里市や、東金、茂原といったあたりは大きな川がなく、小さい沼地の水をつかった農業が細々と行われてきましたが、昭和初期に大規模な干ばつ被害を受けます。
当時、村長だった十枝雄三は、度々水害被害を起こしていた利根川(下総)から九十九里の平野(上総)へ水を引くことを計画して奔走し、ついに完成させた人でした。
ここにくる途中で見かけた「両総用水」というのがまさにそれで、我々は十枝雄三の手のひらで踊らされていたわけです。伏線回収です。
石井雙石氏、プロレスラーで例えると?
さて、十枝雄三氏のすぐ後ろの敷地には今度は石井雙石(そうせき)氏の石碑というものがありました。
みなさん、石井雙石という方について知っていますか? 私はまったく知りませんでしたが、篆刻(ハンコの文字)界では超重要人物で、この地の出身なのだそうです。
今ひとつピンとこないので、ChatGPTに石井雙石氏をプロレス界の人物で例えると誰にあたるか聞いたところ、三沢光晴と言っていました。プロレス四天王。おそらく、川田や小橋、田上にあたる人が篆刻界にもいる可能性があります。篆刻に詳しい方、そうなんでしょうか?
ちなみに、野球で例えたらイチロー、乃木坂46で例えたら白石麻衣、都道府県で例えたら東京都……と言っておりました。
さて、巨木にたどり着いたあたりから後半部分は伊藤さんが執筆いたします。それではよろしくお願いいたします。

