ちょっと聞いてよ 2023年7月22日

NOWとしか書いてない時計を2ヶ月使っている

時計の機能は、ない

文字盤にNOWとだけ書いてある時計がインスタのリールで流れてきた。

何時だ?と思って見るとNOW、今。

あってるけど、そういうことじゃない。

さっそく海外のサイトで買って、2ヶ月使い続けている。
 

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:頭の上に矢印がある(デジタルリマスター)

> 個人サイト webやぎの目

圧倒的な不便さ

ずっと腕時計をしているので時間を見るときに腕を見る癖がついている。
その流れで時計を見るとNOW。いま。

空港では致命的

ある日、駅についたら電車が止まっていた。打ち合わせに間に合うかな?と思って腕を見ると 

NOW!

渋谷のカフェで仕事に夢中になってしまい、時間を見ると 

NOW!

職場でも「このあと打ち合わせ終わったら…」と腕時計を見るとNOW、ヘナヘナヘナと力が抜ける。

時間を見るためにスマホを出さなければならない。手が塞がって不便だ。

ジョークグッズは買わなければならないという呪い

時計にNOWと書いてあるのはウイットに富んでいるし、「いま」であることは正しい。

僕が思いつきたかった

こういうものは買わなければならないと思ってしまう。

買おうかな、じゃなくて「ねばならない」のだ。義務だ。

世の中には世界を便利にしていく人たちと、ただふざけている人がいる。僕は後者に属しているのでそっちチームの商品は買わなければならないと思ってしまう。

地元を応援するために地元の商品を買う人と同じマインドである。

でも、そんな義務はないんですよね。

新幹線に乗ってて、あと何分で新大阪に着くかもわからないんだから
いったん広告です

人に見せるとそこそこ受ける

はじめは人に見せていた。いいねえ~wという反応で爆笑ではない。

「『なんかつけてるな』と思ってました」

どう?おもしろいでしょ!という圧が鬱陶しい気もする。それは分かる。僕だったら気づいてもあえて触れないかもしれない。 

だんだん日常になっていく

おもしろがってつけていた時期も過ぎ、だんだん普通になっていった。

取材中もしているし
遊びに行くときもしている

なんの説明もなく、NOWWATCHをしていた。会った人は変な時計しているな、ぐらいに思っていただろう。 

アップルウォッチとふたつしていた時期もある。

時計をふたつしているほうが変なのでこれはすぐにやめた。この原稿を書いているいまもしている。時間はわからないままだ。

この時計の元ネタ

この時計を作っている人はとPOWER OF NOWという本に感激して作ったらしい。

その本の日本語訳が…ここに書くのをためらうのだが、「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる」だった。読んでみたらスピリチュアルな本だった。
触れにくいが日本語訳を見たときの衝撃が大きかった軽く触れた次第である。

でも新作のNOWWATCHがちょっとかっこいいんですよね。

でも144ドルは高い。

そしてこの記事を見返してみると、この2ヶ月の「いま」が切り取られていてちょっといい感じになっているのが悔しい。

いちおうリンクです

ここで買えます。僕のモデルは29ドル。心拍数も分からないし決済機能もありません。 

当然、ここで買っても我々に手数料がはいることはありません。 

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