修学旅行を終えて
日光東照宮から華厳の滝に向かうバスも乗れるかどうか心配だった。
帰りもバスに乗れば東京まで帰してくれるなんて修学旅行は最高だと思った。
なのに実際の修学旅行では弁当に紅ショウガが入っていて、それをおかずにごはんを食べたら美味しかったことしか憶えていない。
余計なことしか憶えてないものだが、断片過ぎる。
陽明門にはわざと上下を逆にした柱がある。あえて不完全にすることで魔除けにする意味があるらしい。私の前にいた学生がその説明を黙々と読んでいたら、急に「おもろ!」とだけ言って去って行った。
ああこれだ、修学旅行はこれぐらい雑な感想だ。
しかし古語では「おもしろい」は「風情がある」なのであの学生はめっちゃ芯食ってるのかもしれない。
東照宮の彫刻をひとつひとつ見ていくと原稿が終わらないので(前出の本によると彫刻は5173体あるらしい)、おもろ!(風情!)だけ紹介したい。
大陸から虎の毛皮が入ってきていたのだろうか。江戸時代の交易に思いを馳せると同時に、ドンキで売ってそうとも思った。
家康の干支が寅なので全体に虎モチーフのものが多い。
鯉に乗ったシーンは中国の故事に由来するらしい。
物語を立体で伝えるのはキリスト教の教会にもあるし、博物館の「むかしの暮らし」コーナーでも見る。なんなら蝋人形館のジミヘンドリックスもそうかもしれない。
徳川家康の鎧をイメージした塗装のガンダムだそうだ。そういう名前の霊獣かと思ったらガンプラだった。風情があるどころではない「おもろ!」だ。
修学旅行みやげといえば木刀だ。本物の木刀は1軒でしか見つけられなかったが、木刀は次のステージに進化していた。
木刀モチーフのものたちだ。「修学旅行のお土産と言えば木刀」というコンテクストを引き継ぎつつ、コンパクトだったり安全になっている。
修学旅行みやげ=木刀が、保存のアイコン=フロッピーと同じような記号になっている。
これはどちらかと言えば「見ざチンパンジー言わざチンパンジー聞かざチンパンジー」だ。
しかし手前のサルは「見ざる言わざる聞かざる」のどれでもなく、ただの猿だ。
一体私は何を買ってきたのだろう。
日光東照宮から華厳の滝に向かうバスも乗れるかどうか心配だった。
帰りもバスに乗れば東京まで帰してくれるなんて修学旅行は最高だと思った。
なのに実際の修学旅行では弁当に紅ショウガが入っていて、それをおかずにごはんを食べたら美味しかったことしか憶えていない。
余計なことしか憶えてないものだが、断片過ぎる。
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