テアフラビン、筋骨草、ノナデカ、ガラクト
ビタミンやカルシウムだったら子供の頃からよく聞いた。おなじみの栄養だ。
いっぽうイソフラボンやナットウキナーゼは大人になってから聞くようになった覚えがある。
栄養素はたまに市場に新しくやってくる。
どんなものも最初は珍しくおもしろかったはずだ。「カプサイシン」は前半の「カプ」の軽さから畳みかける後半の「サイシン」の生真面目なギャップがおかしい。
そしてなんといっても「コエンザイムQ10」だろう。「コエン」も「ザイム」もおもしろいうえに「Q10」ときた。
バンド名でもなかなか思いつかないくらいトリッキーだ。
そういう新鮮さが、実はいまもちゃんとあるんだなと思ったのが、冒頭の「筋骨草」だった。
「筋骨」に「草」がつくとは
「筋骨」に「草」をつける。やってることとしては完全に筋肉少女帯だ。
筋骨草はシソ科の植物で東アジアでは古くから薬草として使われていたらしい。骨形成促進の効果があるとされる(とGoogleの検索結果に書いてありました!)。
筋骨草、ノコギリヤシくらいよく聞く名前に、今後なっていくのだろうか。
この筋骨草のソフトキャンディーを見つけたのは去年の11月だった。そして最近、同じく飴売り場で見つけたのがこれだ。
ボンの活用形としてのビン?
テアフラビン。
「ビン」はイソフラボンの「ボン」の活用形ということでいいだろうか。
はじめましてにもかかわらず「総テアフラビン10.32mg含有」と堂々たる示しがチャーミングだ。
まだそんなに仲良くなってないのにぐいぐい来られている。悪い気はしない。
説明書きも良い。
カテキンを知り、ポリフェノールを知り、そしていまテアフラビンまでたどり着いたのだなという知の段階がここにある。
やはり強いんだ乳酸菌が
飴界から2種の新人を目撃したわけだが、こうして市場に打って出てきたな! という栄養素はなんといってもとにかくヨーグルトをはじめとする乳酸菌食品が憎いほど強い。
もはや新しい栄養をやるための産業といっても過言ではない。
ノナデカペプチドというのを見た。
「ペプチド」は聞いたことがある。タンパク質とアミノ酸の間の状態? みたいな? やつ? じゃろう。
知識が不安で語尾がおじいさんになったものの、間違いなく「ペプチド」には既視感がある。
しかし全く不明なのが「ノナデカ」だ。言葉としては「19」を意味すると書いてあるのを見た。
19……。
知っていよいよ分からない。
なにしろ、認知機能を高める効果があるペプチドなんだそうだ。
高級シャンデリアブランド、ガラクト
乳酸菌飲料からはこちらも。
「オリゴ糖」に関しては全くおなじみだが、「ガラクト」と付いた。
ガラクト、高級シャンデリアのブランド名っぽいなと思ったがそれはバカラだな。
とにかくオリゴ糖の一種なんだろう。メーカーであるヤクルトのサイトを見たところ
主な成分は乳糖の非還元末端にガラクトースがひとつ結合した3糖の4'-ガラクトシルラクトース(4'-GL)です。
とあった。お、おう……。
「なるほどね!」というとっかかりが私にはひとつもない。めちゃめちゃに興奮する。
どうか誰も私にガラクトの詳細について丁寧に教えないでほしいという気持ちすらわいた。
あなたたちのこと忘れない
テアフラビンに筋骨草エキスにノナデカペプチドにガラクトオリゴ糖。これからメジャー栄養素への階段をのぼってゆくのだろうか。
もしマイナーなままその名を聞かなくなったとしても、そんな栄養素があったことをこうして記録できたのは光栄なことだ。
以前、機能性ヨーグルトの機能の種類について調べたときの記事を見返したところ、ラクチュロースというのがあった。これも今のところあまり聞いたことがない。森永乳業のやつらしい。
乳酸菌食品やっぱり強い。飴界やお茶界からの担ぎ出しもきっと続くだろう。
あたらしい栄養の登場、今後も楽しく見守っていきたい。