以下より、2010年4月24日初出「Meijiのロゴ商品はまだ買える!」の再掲です。
Meijiのロゴ商品はまだ買える!
明治製菓のロゴが変わって、「Meiji」が「meiji」になった。
店に並ぶ商品を通して“M”が小文字の方の新しいロゴにずいぶん頭が慣れてきた。
ちょっと考えて“M”が大文字の古いほうのロゴを思い出そうとしてもすぐに思い出せない。あいつはやるぞやるぞと聞いていたが、やっぱり「慣れ」ってやつはやってくれる。
調べたら、ロゴの変更はちょうど1年前だった。2009年4月の明治乳業と共同持株会社の設立マークの統一で新ロゴが導入されたらしい。
さすがに1年も経つともうお菓子の棚に旧ロゴを見ることもなくなった。
と、思ってダメ元で探したら、まだ売ってたのだ。
まずは思い出そう、あのロゴを
上のロゴの写真を見ていると全く古いロゴが思い浮かばず、いやー、こうやって人間は世界に適応していくのだなあとしみじみもするがここで一度古い方のロゴを見てみよう。
どうだろうか。新しいロゴを忘れるくらいしっくりくるのではないか。スイッチが戻る感じだ。
現行ロゴのかわいらしさに比べると、カチッとしていておしゃれでかっこいい感じだろうか。
角ばったデザインから流線型のデザインへの変貌って、明治のロゴ、クルマみたいだ。
ちなみにリリースを見ると新しいロゴの書体については……
ふくよかでやわらかな書体、親しみのある小文字を使用することによって、「食と健康」の企業グループらしい明るさと、お客様一人ひとりとのあたたかいつな がりを表現しました。「iji」の造形には、人々が寄り添い支えあう姿を託しています。
とあった。ほほう。
旧ロゴの方のデザインが何を表現していたかについては記述がみあたらなかったのだが、有名なグラフィックデザイナーで故人の亀倉雄策デザインだったらしい。
ダイナミックループと呼ばれるNTTのロゴや、TDKのロゴを手がけた方だそうだ。
旧ロゴはドラッグストアに
古いほうのロゴの製品ってどのくらいまで流通するものなんだろう、と最初に思ったのはロゴの交代があってから半年後。
軽く近所のスーパーを何軒か回ってたら、すでにどのお菓子もきっちり、全部の商品が新ロゴに変わっていて、ああ、もう全部変わっちゃったんだなと思っていた。
古いロゴの方の商品は自然と売れていったり、賞味期限的なことでさし換わったり、ロゴ変更があったことで意識的に商品を入れ替えたりもしてるんだろう。
あまり繁盛していないような小さな商店に行けば旧ロゴの付いたお菓子がまだあるかなあとも思ったのだが、食品のことだしと半ばあきらめていた。
そしてロゴ交代から1年が経ったいま、私はドラッグストアで旧ロゴの商品にめぐり合ったのだ。
明治製菓はサプリメントや薬品も扱っている
旧ロゴがついた状態で売られていたのは、サプリメント。ビタミンCやカルシウム、鉄といったおなじみの栄養素に加え、ウコンやマカ、コエンザイムQ10などもあるボトル入りのシリーズだ。
焦る気持ちを抑えて、とりあえず1つ記念に買った。
さらにドラッグストアをハシゴすると、意外にもまだまだバリバリの現役で旧ロゴ商品は販売されていた。
量でいうと、むしろ新ロゴの方がまだ少ないくらいだ。
賞味期限(サプリメントも“賞味”期限なんですな)を見てみると、どうやら2011年7月ごろまでに期限を迎えるものは旧ロゴがついており、それ以降の商品が新ロゴパッケージで売られているようだった。
サプリメントだけじゃなかった
明治製菓は鼻炎薬やうがい薬、トローチも作っている。(※2019年再掲時点では鼻炎薬の扱いは終了している模様)
みてみると、うがい薬はどこでもほとんど新ロゴに変わっていたが、ビエンドとトローチという商品に旧ロゴのものを発見した。
どちらも商品紹介サイトを見ると新ロゴに変わった商品写真が掲載されているので、今はまだ新ロゴの商品に変わっていく最中なのだろう。
寂しいおとな心
久しぶりに“M”が大文字の旧ロゴを注視していたら、新ロゴに切り替わっていた頭のスイッチがすっかりまた旧ロゴに戻ってしまった。さすがに30年親しんだ旧ロゴだけある。今また、ちょっと新ロゴに違和感がある。
小さな子どもを見ると、ああこの子達にとって、テレビ東京は12チャンネルじゃなくて7チャンネルなんだよなあと思う(地デジでチャンネル番号が変わった件ですね)。テレビ朝日は10チャンネルじゃなくて5チャンネルだ。
大人にとっては5チャンとか7チャンて、砂嵐の番号だ。
慣れ親しんだものの様子を頭の中で更新するのは、ちょっと寂しい。
古い状態と付き合いのあった大人のみが体験できる、子どもには分からないこの寂しさは、でも優越感だったりもするんだよな。