特集 2023年7月15日

名古屋の名鉄百貨店前がイスタンブールに激似~妻からの海外写真を日本で再現し続けて

暑い国の料理は肉もさわやか

石川:ひとつ目をずいぶん見てしまいましたが、専門家としての活動、もうひとつあるんですよね?

高瀬:妻が行った国の料理を作ってみるという活動をやってます。

石川:先日、ベスト3の記事をまとめていただきました。

高瀬:「おうちで作れる世界のレシピ」っていう本があって、世界196の国の料理を日本で手に入る食材を使って作れるというレシピ集なんです。以前デイリーでも馬場さんがインタビューしているんですけど。それを参考にしながら。

石川:けっこう作りました?

高瀬:妻が今行っているニカラグアで43カ国目なんですけど、そのうちの17カ国は。

石川:1/3ぐらいは作ってる。

高瀬:そうですね。記事で紹介している3つが圧倒的においしかったです。

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シチャワマ(アラブ首長国連邦)

石川:シチャワマ。

高瀬:牛肉をお酢とマスタードとシナモンに2時間ぐらい漬け込んでからオーブンで焼くんですけど。

石川:料理を見たことも聞いたこともないのは当然として、「お酢とマスタードとシナモンに漬け込む」っていう作り方自体も聞いたことないですね。

高瀬:酢に浸けた肉ってどうなのと思っていたんですけど、作ってみたらすごいさっぱりしてて、さすが暑い国だなという感じです。オーブンで焼いて、見た目はすごいジュージューいってるんですけど、お酢とマスタードですごいさわやかでパクパクいけちゃう。

石川:暑い国はこってりにはしたくないんですね。

高瀬:肉がっつりみたいな感じの料理も多いですけど、スパイスめちゃくちゃ効かせてたり、お酢を効かせてたりで食べやすくしているのが多い印象です。

ラグメン(カザフスタン)

石川:ラグメン出てますね。

高瀬:これもおいしかったですね。牛肉とトマトを煮込んでシナモンとかスパイスを入れて、トマト煮込みにしたようなやつ。これをうどんに…現地はもうちょっと違う麺だと思うんですけど、それにかけて食べます。中央アジアの料理は日本人に合いやすいのかなという気がしました。どれもおいしかったです。

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神秘体験をしてしまうかもしれない

石川:心配になりません?

高瀬:心配してないと言うと嘘になっちゃうけど、したところで日本からできることは本当に何もないので。

石川:まあそうですね。

高瀬:妻のほうが全然僕より旅慣れているので、信用するしかない。

石川:世界一周している旅慣れた人に対して、家から旅慣れない夫がアドバイスできることはないですよね。

高瀬:危なかったこともあるんです。メキシコで別の都市に移動する時にどうしても夜行バスに乗らざるを得ないときがあって、予約取って明日乗るという時にたびレジから通知が来て、同じ時間のバスに途中で強盗団が入ってきたって。

※たびレジ…外務省のサービス。今いる国の情報を登録しておくと、危ない事があったときにお知らせがくる

高瀬:乗客全員お金とか差し出して、強盗団は去って行って。すごいのが、日本の感覚だとそれがあったらもうバスはどこかで止まって警察来て捜査って感じじゃないですか。メキシコの場合はその後普通に、じゃあ出発します~って走り始めたらしいです。

石川:トイレ休憩あけみたいなかんじで。

高瀬:出発して、その数時間後にまた別の強盗が入ってきたらしくて。そのバスに。2番目の強盗たちは取るものなかっただろうと思うんですけど。

石川:あはは。スカスカですよね。

高瀬:さすがに翌日同じバスに乗るのは怖いねっていうことで、遠回りして飛行機を使うルートに切り替えたりとか。そういうのは時々あります。でもそれも本当にいかんともしがたいですよね、こちらからは。話を聞くぐらいしか。

石川:大変だったねというぐらい。

高瀬:ほんとそうなんですよ。そういう心配はしてもしかたない。どちらかというと夫として本当に心配なのは、世界一周って人の価値観をガラッと変えるには充分すぎるじゃないですか。帰国して激変してたらどうしよう、みたいなのが一番心配。

石川:なるほど…!

高瀬:やたらディスカッションしたがるようになるとか。なにかにつけて。

石川:あはは。論破大好きに。

高瀬:あとは山奥でしか暮らしませんみたいな感じになっちゃうと辛いですよね。

石川:ヒッピーライフに憧れ始めてしまって。

高瀬:それこそ妻はインドにも一ヶ月ぐらい行ったんですけど、ブッダが生まれた場所の近くにある本格的な瞑想道場に入ったんです。10日間スマホも奪われて一日中瞑想するみたいな。そのときは緊張しましたね。価値観が変わってしまうかもしれない。

石川:神秘体験をしてしまうかもしれないですもんね。悟りを開いてしまうかもしれない。

高瀬:でも後で知ったんですけど、その道場の支部が千葉にもあるらしいんですよ。世界一周しなくても僕が千葉で行って価値観が変わる可能性も全然あるなと思って。

石川:高瀬さん行ったほうがいいんじゃないですか。

高瀬:妻は変わらなかったのに自分だけすごい価値観変わっちゃって(笑)

石川:あはは。でもそういうことですよね。日本にいても結局危ない思いをすることはあるし。考え方が変わっちゃうような事件があることもあるだろうし。それは心配してもお互い様っていうところはあるのかも。

高瀬:どっちも運ですからね。ちょっとだけ海外のほうの確率は高いかもぐらい。

※文字が続きましたので少し高瀬さんの記事をご紹介します。(対談はそのあとに続きます)

 

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長旅で足りなくなるのはコンタクト

石川:夏休みとか一時的に奥さんに合流することはないですか?

高瀬:コロナ前のときは、夏休みにギリシャに行きましたね。

石川:どうでした?

高瀬:ギリシャすごい良いですよ。食べものがわりと日本的というか、タイを焼いて塩とオリーブオイルだけをかけたやつとか。市場でイカ頼んだらそれをすぐ素揚げにしてくれて、オリーブオイルでどうぞみたいなのとか。

石川:いいなー。

高瀬:このときは妻のたびが1年強で長かったから、途中でコンタクトレンズを補充しなければいけなくて、その役割もあったんですよ。

石川:補給船だ。

高瀬:ワンデーのコンタクトをいっぱい持って。

石川:それかさばりそうですね。

高瀬:2weekとかにすると洗浄水を持っていかなきゃいけなくて逆にかさばっちゃうから。コンタクトを補充しに行く人という役割で。
今回は4〜6ヶ月と短めなので、夏休みに会いに行こうと思えば行けるけど、旅慣れてない素人にあまりかまってる余裕はないかもしれないですね。

石川:悔いを残さないように楽しんでほしいですね。高瀬さんはこっちに残って似た風景探しましょう。

高瀬:そうします

 

生放送「記事の森」やってます

この対談は、先日放送したトーク配信『樹液でも飲みながらライターに専門分野の話をきく「記事の森」』から抜粋したものです。番組ではこの2倍くらいしゃべってますので、対談をお楽しみいただけた方はぜひアーカイブをどうぞ。


次回は、7月後半に配信予定です!ぜひチャンネル登録をお願いします!

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