沖縄の缶詰は流通経路も独特
沖縄でスパムを代表するポークランチョンミートが安いというのは、割と有名な話だが日本本土とはまた別の流通経路があるらしい(だいたい県内企業が仕入れて販売している)。そういえばキャンベルスープもサイトを見ると沖縄だけ別枠になっている。この辺りも面白い所だと思うので、今後調べてみたいところである。
沖縄は風土的、歴史的な経緯からなのかスーパーマーケットの品揃えが割と独特だ。缶詰もそのひとつである。謎の缶詰には何が入っているのだろうか。
沖縄に住んで20年近くになるのだけど、最近どうも沖縄の缶詰のラインナップはかなり独特なのではないかと思っている。もちろん、スパムなどのランチョンミートの種類が異様に多いのもそうなのだが、どこでも見かけないような海外製の缶詰が販売元のシールだけ貼り付けられて売られていたりもする。
しかし、僕だけかもしれないが、なかなか缶詰というものは食べる機会がない。これを機会に気になった缶詰を開けてみたいと思う。
「謎の缶詰」とかタイトルで言っておきながら、冒頭はタコライスの缶詰だ。タコライスと言ってもライスの上に乗せるタコスミートが入っているらしい。割と最近発売されたような気がするが、これまで買ったことはなかった。
中身はこんな感じ。タコライスと言えばだいたい合い挽き肉でタコスミートが作られているような気がするが、このタコスミートには鶏肉が入っているからかちょっと独特な風味がある。タコライスは沖縄では給食で出てくるくらい市民権を得ている食べ物なので手軽にタコスミートが用意できるのはいいなぁと思う。
お次はコンビーフハッシュ。これも謎でもなんでもなく、沖縄でコンビーフハッシュを知らない人はモグリだろう。
細かくすりつぶされた肉に角切りの茹でたジャガイモが入ったやつである。最初に沖縄で住み始めたときは普通のコンビーフとの違いに戸惑ったが、大衆食堂ではこれが入ったチャンプルーが出てくることも多い。
パウチの包装が主流になって、缶のものは減っていてるような気がしている。
沖縄では金時豆を甘く煮たものにかき氷を乗せた冷たい「ぜんざい」が有名なのだが、あまがしはその前身らしい。もともとは押し麦を煮て、発酵させただけのものを「あまがし」と言っていたらしいが、いつの間にか緑豆と押し麦を黒糖で甘く煮込んだものがあまがしとして一般的なスタイルになったようだ。
中身はこんな感じ。ちなみにこのあまがし缶には金時豆が使われていて、ぜんざいとの区別がもはやなくなっている。ほのかに甘くてたまに食べたくなるのだが、一缶の量が結構多いので持て余し気味になってしまう。
あまがしといえば、一部のスーパーでは「台湾あまがし」なるものが売られている。
こちらは緑豆含めて、色々な豆が使われているようだ。
こちらは沖縄のあまがしと比べて控えめな甘さ。なんだかちょっと健康になりそうな味がする。どうなんだろう。売れているんだろうか。
缶詰の名前はビーフ&ベジタブルなのだが、沖縄県民の間では「ストゥー」という名称で親しまれている。「シチュー」がなまって「ストゥー」になったらしい。
沖縄生まれの人は高確率で食べた事があるらしいが、本土出身者はあまり食べた事がないという不思議な食べ物。僕もはじめて買った。
そのまま温めて食べてもおいしいらしいのだが、ヘチマを入れると美味しいらしい。缶の脇にもおすすめの食べ方として掲載されている。
ストゥーという響きからビーフシチューを想像していたのだが、牛肉の入った野菜スープに近い感じの味。これにカレールーを加えてカレーにしたりもするらしい。ストゥー、奥が深い。
もはや何なのかも分からない。しかし沖縄では割と昔から売られているという「FRIED FISH CAKES」。
缶の側面には「TEMPURA」と書かれているので「天ぷら缶」、パッケージから「鯛の缶詰」と呼ばれたりするらしい。
気になる中身は甘辛く味付けられたかまぼこが入っている。天ぷら=さつま揚げみたいな事なのだと思う。身の回りでは食べた事があるという人を見かけたことがないのだが、サイトで記事を公開したときは、ちょっと年配の人が「食べた事がある」という反応をしていた。
というわけで、蓋を開けてみたらただ缶詰を開けるだけの話になってしまった。沖縄のスーパーには他にもよく分からないものが沢山売られているので、またそのあたりはまとめてお伝えできればと思う。
沖縄でスパムを代表するポークランチョンミートが安いというのは、割と有名な話だが日本本土とはまた別の流通経路があるらしい(だいたい県内企業が仕入れて販売している)。そういえばキャンベルスープもサイトを見ると沖縄だけ別枠になっている。この辺りも面白い所だと思うので、今後調べてみたいところである。
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