研究の動機
雲が不思議なのは、その大きさがよく分からないことです。
夏の入道雲を見ているとすごく大きそうだとは思うのですが、まわりに比較できるものがないので、その大きさがまったく想像できないのです。
たとえばこの雲。
中央のモクモクした雲はいったいどれくらいの大きさなのでしょうか。
このように一部を拡大して、これが100mだと言われるとそうかなとも思うのですが、
同様にここが1kmと言われてもやっぱりそうかなと思ってしまいます。
つまり、まわりに比較対照できるものがないので、大きさの感覚がつかめないのです。あの雲はビルでいうと何階建てくらいなんでしょうか。それとも高尾山みたいにすごく大きいのか。中にラピュタはあるのでしょうか。
そういうことを知りたいと思いました。
実験の方法
遠くのものの大きさは、レーザーなどで測ることができることが分かりました。大きな工事現場などで使われて、とても正確に測ることができるそうです。
しかしそんな機械は持っていませんし、またそんなに精密に測りたいわけでもないのです。なにか、もっと身近な方法で、 雲の大きさを知る方法はないだろうかと考えました。
そこで、たとえば影はどうだろうと思いました。
たとえば、上の赤いオブジェの大きさを直接測ることはできません。先端部分が空中に浮いているためです。
しかし地面に映った影ならその大きさを直接測ることができます。その際は太陽が斜めに照らす分、影の大きさが変わることを考慮しないといけません。
高いところから周りを眺めていると、たまに地面に雲の影が映っていることがあります。地面に映った影なら、建物の大きさなどを頼りにしてその大きさを知ることができるはずです。
その際の天候は、よく晴れて、雲がぽつぽつと浮いているような状況がよいと思いました。空一面が曇っているような日では、地面にくっきりした雲の影が落ちないためです。