実験の記録-2
まず左端から探します。
この写真の位置はどの辺りなのでしょうか。
左下の建物を拡大してみます。
女子医大病院とあります。ここは知っています。新宿区の河田町にある東京女子医大病院です。
とするとこの右側の建物は、公団の高層住宅でしょう。このあたりはなんどか通ったことがあって、素敵なマンションだなあと思ったのが記憶に残っているのです。
それでは、右端はいったいどこでしょう。これが分かれば、雲の端から端までの大きさが大体は分かります。
しかし拡大しても特に分かりやすい地名などは映っていません。そこで、現地を訪れてこの二棟の高層住宅を探してみることにしました。
まずは女子医大病院からです。新宿都庁の展望台から大江戸線で若松河田駅で降ります。
すると近くに女子医大病院がありました。
向こうに見えるのがこの写真で見えた高層住宅でしょう。
さらに移動して病院の東側に来ました。雲の影の左端はだいたいこの辺りだったはずです。
ここから、さきほどの右端の二棟の高層住宅を探して南へ歩きます。
途中で曙橋駅へつづくあけぼのばし通りを歩きました。ここはさっき雲の影の下にあったはずです。
ぼくは今はっきりした目的を持ってこのあけぼの通りを歩いています。30分ほど前に雲の影だったところの輪郭を歩いているのです。それは他人からすればどうでもいいことでしょう。でもぼくはとてもわくわくしていました。
あけぼのばし通りの終わりで、向こう側に見覚えのある建物が見えました。
写真の中央付近です。拡大すると、こう。
この特徴ある色使い。写真15の左側の建物ではないでしょうか? これが最初に見えたとき、ぼくはとてもどきどきしました。
近くにいって確かめてみます。
間違いありません。この建物です。場所は四谷3丁目でした。
そして、写真15の右側のマンションも、だいぶ離れた四谷4丁目で発見しました。新宿御苑のそばです。
写真15ではふたつのマンションは隣あっているかのように見えていましたが、実際は、四谷の3丁目と4丁目という離れた場所でした。
遠くの景色をズームして撮ったために、望遠圧縮という効果が生じて、離れているものが近くに感じられたのではないかと思います。