特集 2026年3月10日

4年越しの抹茶ブーム in ドイツ

私の住むドイツでは今、抹茶が流行っているらしい。しかも2022年ごろから。

年を取るにつれ流行りに疎くなっているが、身近な場所で何年も大ブームになっていたものに気づかなかったとは、なんだか恥ずかしい。

遅ればせながらドイツの抹茶ブームに乗ってみたいと思う。

1986年東京生まれ。ベルリン在住のイラストレーター兼日英翻訳者。サウジアラビアに住んでいたことがある。好きなものは米と言語。

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そういえばドイツで抹茶が流行ってる

年末に一時帰国した際、編集長の林さんに会う機会があった。色々海外の話をしていたら、ドイツの流行の話になった。

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普段は行動範囲が半径150メートルぐらいなので、どうも流行りに疎い。苦し紛れに絞り出した答えが、

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とは言ってみたが、どんな抹茶がどのように流行ってるのか全く分からない。

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ドイツに帰ってから意識してみるようにすると、やはり至る所でMatchaが推されていることがわかった。

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ドイツに帰る以前にヘルシンキ空港の「ココナッツ抹茶」に度肝を抜かれた。いつの間にこんなことが!
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近所のカフェではイチゴ抹茶を出していた。衝撃的な色だ
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街を歩けばあっちにもMatcha
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こっちにもMatchaを推すカフェが
スーパーにも抹茶ドリンクがずらっと並んでいる

私がのほほんと暮らしている間に、ベルリンでは抹茶ワールドが繰り広げられていた。ずっとここに住んでいるのに浦島太郎みたいで恥ずかしい。

ちょっと遅いけど、ベルリンの抹茶ブームに乗ってみよう。

ドイツ発の抹茶ドリンクといえば、抹茶サイダー

今やブームになっている(らしい)抹茶だが、実はかなり前からドイツにじわじわと入ってきている。

日系のカフェでは抹茶ラテを出しているところもあったし、10年ほど前にドイツ人がやってるアイスクリーム屋さんで抹茶アイスを食べた記憶がある。 

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そして同じく10年前、初めて飲んだドイツ発の抹茶ドリンクが、ドイツのジュースメーカー「Voelkel(フルケル)」の抹茶サイダーだ。

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BioZischというブランドで、約15種類のサイダーを作っている。左から抹茶マンゴー、抹茶、そしてマテ茶サイダー

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フルケルはオーガニックジュースやフルーツサイダーなどを作っている老舗会社なのだが、私は勝手にこの抹茶サイダーをドイツの元祖(?)抹茶ドリンクだと思っている。 

今流行りの抹茶ドリンクを飲みに行く前にもう一度買って飲んでみよう。 

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2025年に新登場した抹茶マンゴー味にしてみた

ラテで飲むイメージが強いからか、抹茶はクリーミーなものと合わせたらおいしい気がする。それをあえて酸味のあるフルーツを合わせるのって、私だったら思いつかないと思う。 

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初めて飲んでみる、抹茶マンゴーサイダー
注いでみるとシュワシュワーッと泡がたつ。抹茶と炭酸っていう組み合わせも日本人にはない発想かも
それにしても、この汚い池の水のような色はどうなのか

あまりフォトジェニックな色ではないが、これはナチュラル思考だからなのだろうか。変に着色料が入っていないのは嬉しいが、それにしてもどこかの池の水を汲んできたみたいな色でドキッとする。

味は、なんとなく緑っぽくて、
シュワシュワしててよくわからない

めっちゃ集中すると微かに抹茶の味がするようなしないような。そしてほのかにマンゴーと思われる酸っぱさがある。

何を飲んでるのかよくわからないが、ちょっと甘酸っぱい緑茶サイダーというところだろうか。まずそうに聞こえるが、これがなかなかさっぱりしていて悪くないのだ。

よし、次は本命のおしゃれ抹茶を飲みに行こう。 

ベルリンの抹茶専門店

ベルリンで抹茶を飲むと行ってもどこで飲んだらいいのか分からない。ぶらぶらと抹茶アンテナを張りながら歩いていたある日、不思議な抹茶ドリンクを出しているお店を見つけた。

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ロンジェヴィティ・マッチャ……?

看板を読むと、コラーゲンや抗酸化作用のあるものが詰め込まれた「長寿抹茶」らしい。ココナッツやストロベリー抹茶とは違って、味とか見栄えではなく抹茶の健康効果を推すタイプのドリンクだ。

みる限り、ここは抹茶専門店なようだ。メニューも抹茶オンリーだで、呪文のような名前ばかり。これは期待できそうだ。

後日、一人だと心細いので無理やり友人を連れてやってきた。

トレンディな門構えに緊張する。ロゴに使われてる「シ」の字もとても気になる
バーのようなポップな緑色の店内。「お点前頂戴いたします」って飲む抹茶とはかけ離れた世界だ
そして肝心のメニューだが……

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ごく普通の抹茶ラテやほうじ茶ラテなどもあるが、ラベンダーシロップの入った抹茶ラテや、運動後に飲むプロテイン入り抹茶、バナナブレッド抹茶やら、攻められすぎて何がなんだかわからない。

つっこみどころ満載のメニュー。全部抹茶なはずなのに、訳がわからない

もういつまで経っても決まりそうに無いので、店員さんに助けを求めた。

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どうせならもっと変わったのを頼めばよかったかなと少し後悔したが、抹茶にアールグレーを混ぜてるってだけで十分変わってるよなと自分を慰める。

オプションで抹茶ショットやヴィーガンコラーゲン(?)などを追加できるのも気になったが、そこまで心の余裕がなかったので諦めた。 

そして店員さんがドリンクを作り始めてくれたのだが…… 

おお、茶筅でお茶を立ててくれる、と思ったら
モーターがついてる!

聞くと、一万円以上する高級電動茶筅で、しかもMade in京都なのだとか。そんなものが世の中に存在するのか。でも抹茶専門カフェだったら確かに便利そうだ!

茶筅の勢いに乗って抹茶ブームについても少し聞いてみた。

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あとで調べたら、クリーンガールとは気取らないナチュラル思考な美しさを追求するトレンドらしく、その中でコーヒーよりヘルシーだと思われる抹茶がガンガン推されるようになったらしい 

私は抹茶はおいしいから飲むものであって、健康のために飲むという概念がなかった。日本人が青汁を飲むような感じなのかな。

それにしても抹茶ブームが始まって私がそれに気づくまで4年の時差があったとは。ちょっと恥ずかしかった。 

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さて、そんな話をしてる間にドリンクが出来上がった。 

左がパンプキン・キャラメル・クラウド抹茶、右がロンドンフォグ抹茶。1杯6ユーロ(1000円)以上する高級ドリンクだ

まずは友人の山田さんがパンプキン・キャラメル抹茶を飲んでみる。

甘さ控えめでおいしい!

味見させてもらうと、シナモンやナツメグと思われるスパイスが効いている。どんな恐ろしいものが来るんだろうと思ったが、スパイシーながらにおいしく飲めるじゃないか。

おそらくパンプキンスパイスラテと抹茶を合体した感じで、日本人には思いつかなさそうなテイストだ。(パンプキンスパイスについてはきだてさんが詳しく書いています!)

と思ったら山田さんが

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なるほど、ニッキが入ってるから八つ橋に通じるものがあるんだ!抹茶が入ることで和風パンプキンスパイスになるということだろうか。

次は私が頼んだロンドン・フォグ抹茶を飲んでみよう。 

こちらも普通にすごくおいしい

見た目は抹茶ラテなんだけど、アールグレーの味がする。紅茶系のラテは好きなのでとてもおいしいが、抹茶がアールグレーに負けている気がする。

お茶とお茶を対決させるのはなんだか勿体無い気がするが、最後までおいしく飲めた。でもこれなら普通の抹茶ラテでよかったのかもしれない。

ふと思ったのだが、このタイプのアレンジドリンクは抹茶が苦手だけど抹茶を飲みたい人のための、抹茶の味があまり主張しない飲み物なのかもしれない。

抹茶好きな私たちには抹茶感が足りないけど、健康効果のために抹茶を飲むのであればそれでいいのかもしれない。

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