小出し記事「【2週間】素人がパンを毎日つくったらうまくなるのか?」
ライター:megaya
第一回:0日目 準備編
第二回:1~3日目 丸パン、ドーナツ型、コーンマヨ
第三回:4~6日目 慢心、そして再出発
第四回:7~9日目 新しい道具、材料
※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!
ここまでの3日間はかなり順調だったが、さすがに味に飽きてきた。なぜならほとんど素材の味のみだからだ。
味に飽きるのには理由があり、最近はパンまみれの生活を送っている。
前日の夜にパンを作って、朝にそれを焼いて食べて、昼に残りを食べて……を繰り返している。パン屋かよ…!!(この話しをパン屋で働いたことがある友人にしたら「パン屋なめんな」と怒られた)
このままだとパンを作るのが嫌になってしまう可能性もあるので味変をしよう。4日目〜6日目ではアンパンやクリームパンのような中に具材があるパンを作っていきたいと思う。
4日目 - はじめての失敗
パン作りを初めて4日目で初めての失敗だった。見た目が想像していたものと違いすぎる。まったくおしゃれじゃない。エピよりもむしろエビに近い。
そして味もイマイチだった。なによりも硬くて食べづらいのだ。ここまで作ったパンは全部かわいかったのにこれは愛せない。
失敗の原因として一番大きかったのは生地を厚くしすぎたことだろう。食べても食べてもなかなか具材にたどり着かないのである。
これを食べるきるのが実に辛かった。料理において「微妙に美味しくない。けど食べられる」というレベルが一番キツイのかもしれない。「丸焦げで食べられない」くらいなら捨てても仕方がないし。
新婚において料理の味で喧嘩するのってこういうことなのかもなぁ……
5日目 - 再びの失敗
しかし、これも失敗していた。
焼き終わったときの見た目は100点だったのだが、食べてみるとイマイチなのである。なぜ……
やはり生地が厚すぎるのがよくないのかもしれない。ただこれでわかった。生地を薄くして焼けば成功するはずだ。明日が楽しみである。
あとはこの「ちょっと美味しくないパン」を食べきらなければ……
6日目 - 三度目の失敗、そして本当の原因がわかる
またしても失敗だった。生地を薄くしてみても硬い。クッキーみたいな生地になってしまっている。ただこれで本当に確信した。
ここでようやく本当の失敗の原因に気づいたのだ。原因は厚さなどではなく、生地自体だったのだ。
「生地が悪い」というもっとも単純な原因だったのだが、気づけなかったのには理由があった。最初が順調に作れていたので「生地づくりはうまくいっている」と自分の中で確信してしまっていたのだ。
さらに最初は「パンが作れた!!」というだけで幸福感が高かったのもあり、ちょっとくらい味が悪くても気にならなかったのかもしれない。実は最初に作ったやつも人の食べてもらったらそんなに美味しくなかったのかもしれな……
序盤でうまくいっていたがゆえの慢心してしまっていたのだ。自分で言うのもなんだけど調子にのるの早すぎだろ。
6.5日目 - 生地を改良する
このままつくり続けてもおなじような結果になるのは目に見えているので、一旦ここで生地の作り方を変えて丸パンをもう一度作ってみようと思った。基礎をやり直すのだ。
見た目にはわからないが生地が圧倒的に柔らかくなっている。変更したのは以下の3点だ。
- オーブンで発酵させる
- 水分量をほんの少しだけ多くして打ち粉で調整する
- バターを入れるタイミングを遅くする
小麦粉にはグルテンという成分が含まれていて、水分とこねることによって粘着性と弾力がでてくる。それによってパンはふっくらとするのだ。
ただ、バターを入れるとグルテンがつながりにくくなってしまうという。そのためよくこねてグルテンで生地がつながったあとにバターを入れたほうがふんわりとするパンになりやすいのだそうだ。
ここまでは「世界一適当なパン教室」という本にしたがって簡単にできるレシピでやってきたが、それとは少し違うやり方で一時発酵も行うようにした。
温度があがる→イースト菌が活発に動く→ガス(二酸化炭素)を吐き出す
というのが発酵の簡単な流れであるが、文字でわかっていても実際に目にするとやる意味がよくわかる。イースト菌すげぇ!!
改良は完全に成功だった。1日目に作ったパンよりも遥かに柔らかくて美味しい。初日は作れた感動が大きすぎてやはり客観的に見れてなかったのかもしれない。
よかった、これで明日からは美味いパンが食べられるぞ!!
この生地の改良は朝に行っていたので、さらに生活がパン漬けになっていた。
前日の夜にパンを作って、朝にそれを焼いて食べて、仕事の前に改良した生地をこねて寝かせて、昼は朝の残りのパンを食べて、夜は改良した丸パンを焼いて食べる生活になっていた。パン屋かよ…!!(この話しをパン屋で働いたことがある友人にしたら「それはもうパン屋かもしれない」と褒められた)
・微妙な失敗作を食べるのは本当に辛い
・最初は作った感動が大きくてなんでも美味しく感じてしまう
・生地の作り方が無限にある。調べれば調べるほど正解がわからない
・発酵したあとの生地を見るの超かわいい
小出し記事「【2週間】素人がパンを毎日つくったらうまくなるのか?」
ライター:megaya
第一回:0日目 準備編
第二回:1~3日目 丸パン、ドーナツ型、コーンマヨ
第三回:4~6日目 慢心、そして再出発
第四回:7~9日目 新しい道具、材料
※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!