チキンカツの街、京都
京都にはチキンカツを売りにした食堂・レストランが多い。
そう思って今回あらためて調べてみたのだが……あれ、京都=チキンカツという図式が出てこない。
もしかして自分だけなのだろうか…と自信がなくなってきたが、京都で学生生活を送ったことのある方なら頷いてくれる方もいるんじゃないだろうか。
京都の若者の胃袋を満たしてきたのは、たしかにチキンカツなのだ。
京都は、街全体が学生街みたいなものだ。
市内の学生数は約14万人だといい、人口比率では圧倒的に全国ナンバーワンなのだそうだ。
パッと思いつくだけで、京大、同志社、立命、龍谷、京産、京女、同女、ダム女、府立大、工繊、京都外大、佛大、大谷大、京芸などなど……(後半の略称に自信はないけど)。
大学や専門学校が、せまい盆地の中にひしめいている。
だからこそ、いたるところに学生向けの食堂があり、そこでは安くボリュームのあるチキンカツが提供されがちなのである。
喫茶店、メロンソーダ、甘酸っぱい青春…のようなモノもあるところにはあったと思うけど、少なくとも私の周りの大学生活は、男も女も、でかいチキンカツを食らいながらしょうもない話をくっちゃべっていた。
そんな思い出のチキンカツのお店を4軒+α、紹介したい。
元祖!ハイライト食堂のジャンボチキンカツ定食
ハイライトは1960年創業の大衆食堂である。
京都でチキンカツといえば、まずここなのだ。
本店は京大御用達といった場所にあり、自分は一度巡礼気分で来たことがあるのみだ。ただ、市内に5店舗あるため、他の店舗にはよく通っていた。
さあ、懐かしのジャンボチキンカツ定食を頼み、待つ。
頭上のテレビからは『痛快!明石家電視台』という関西ローカルの長寿番組が流れている。関西ではさんまはタモリみたいな存在なんだなと思った。
おお、思い出よりもデカく感じる。加齢で胃が縮んだのかもしれない。
でも変わらずうまそうだ。かぶりつく。
やっぱり美味いぞ。
ソースの塩梅が絶妙で、見た目以上にサッパリと食べられる。
刻み玉ねぎたっぷりのこのアメリカンソース、スパイシーで不思議と飽きない味である。
白飯がすすむ味なのだ。
他にもおろしポン酢やチーズソースもあり、あいがけも人気だ。
チキンカツ、生野菜、味噌汁…このサイクルで、ジャンボなチキンカツをすんなり最後まで食べきることができた。やはり長年の看板商品だけあって、完成度が高い。
また京都に来たら食べたい。

