伊豆はいいぞ
世間がインバウンドといわれて観光客でごった返していたころ。箱根、熱海あたりまでは押し寄せていた観光客の波が、僕の知る限り伊豆までは到達していなかったように思う。
伊豆はすごいところなのにどうして海外からの観光客があまり来ないのかというと、それはたぶん行きにくいからだろう。なにしろ車がないとどうにも動きにくいのである。
今回訪れた動物園「izoo」も、たまたま車で通りかかったので入ってみたのだけれど、たとえば東京を起点とした旅行中に、わざわざここまで来ようと思う旅行客は少ないように思う。
伊豆にある動物園だから「izoo(いずー)」。ものすごくわかりやすいネーミングである。
伊豆には他では見ないようなニッチな博物館や施設がいくつもあるのだけれど、正直izooもその一派なのではと思っていた。
結果的に、それは相手を完全に見くびっていたと反省することになる。
最初に言っておくと、「izoo」、すごいです。
izooに入ると、まず大量のイグアナに出迎えられる。
これが本当に大量なのだ。広々としたガラス張りの空間に、それこそうじゃうじゃいる。
他の動物園の飼育員さんが、ワニとか爬虫類っていうのは基本的に気性が穏やかなのだと話していたのを聞いたことがある。
こうやって折り重なっていても、頭を踏まれても蹴られても、とくに誰も気にしないのだとか。パーソナルスペースとかソーシャルディスタンスみたいな言葉は彼らにはないのだ。
このイグアナは満員電車状態だったが、種類によっては広々としたケージの中で飼育されている者もいるので、それぞれの特性に合わせて飼育密度も考えられているのだろう。実際に希少イグアナの飼育数は世界トップレベルらしい。
izooでは、展示方法を見ていくだけでも、施設の爬虫類に対する扱いの手厚さがビシビシ伝わってくる。
izooは展示だけでなく希少な動物の自然繁殖、人工繁殖の研究にも力を入れている。実際に世界一珍しいといわれるミミナシオオトカゲの繁殖に世界で初めて成功したのもここizooなのだとか。
何度も言うが、izooは本気なのだ。
ちょっとレベルが違うかもしれないが、僕も動物(猫)を飼っているのでわかることがある。この数の生き物を、人に見せられる状態できっちり飼育するっていうのは、ちょっと想像を絶する大変さがあると思うのだ。基本的に生き物たちは人の言う事なんて聞いてくれないですから。
それをふまえてizooを見ると、ひとつひとつの展示がちゃんと考えられていて、しかもきっちり整備されていて本当に感動する。
僕はしょうじき爬虫類にはそれほど興味がなかったのだけれど、実物を見ると、それぞれどこか人間みたいな顔というか表情をしていて可愛いのだ。
何言ってんだ緑やんけ、と思うだろう。だけど視線とか動きとか他者との関わり方とか、しっかりとした意思を感じる。


