低評価の滝・・・!?
とある友人と山登りの話をしていた時のこと。埼玉県日高市の山がハイキングにおすすめだよ~という話をフムフムと聞いていたところ、
それを耳にし、
観光スポットになっているものもあるとは言え、滝は自然現象です。
海に行って「波が高くて泳げませんでした☆1」とレビューするみたいな、やっても意味のないことのように思えたのです。
その一方で、
気になってGoogleマップの「滝」をザーッと見ていくと、養老の滝、那智の滝など有名どころは☆4以上、平均で評価☆3以上です。
いつのまにか☆3未満の滝のレビューを食い入るように見はじめ、「見に行く価値がない」「がっかり」など散々な言われようにときめきが止まらなくなりました。
水が上から下に流れている現象に勝手に「滝」と名前をつけ、わざわざ見に行って低い評価をつける人間、そんなことを知らず流れる滝・・・
「これは行くしかない」と☆3未満の滝めぐりへの扉が開いたのです。
☆2.8古滝~「ただの通り道」という酷評
まずは、惜しくも☆3に届いていない埼玉県日高市の古滝に行くことに。
友人が紹介していたのはこの滝です。17件のレビューが集まっていて、☆の数が3を切っています。
「ただの通り道」とバッサリ切ったレビューもありました。すごく気になります。
登山用品や地図を用意して、滝への旅は準備万端!となった金曜日の夜、
まず、古滝の存在がマイナーすぎて、公式が発表している行き方が調べても出てきません。「これほんまに無事に行って帰れるのか・・・?」と大きな不安が。
あと、危険を冒して行ったとて、滝に見応えがあんまりない可能性が高いのです。そもそも、なんで低評価の滝を見に行きたいか自分でもうまく説明できないので、その不安を打ち消す術もありません。
「低評価の滝はどんなものかしら」と興味を持っているのにも関わらず、「低評価の滝を見に行くのか・・・」と渋るアンビバレントな心境に。
行きたいけど、正直行きたくない、でも無性に行きたい、あまりにも複雑な心境になかなか寝付けませんでした。
険しい山道とインディーズすぎる案内
グダグダ言ったものの、行かない後悔のほうがデカいに決まってます。切り替えて行きましょう・・・!
西武秩父線高麗駅を降り、まずは高指山に登ります。
古滝が紹介されていないのは、「地図にスペースがないから」という理由ではなさそうです。
いよいよ、公式マップにはのっていない道に入っていきます。
「あれ、どういうものを『道』って言うんやっけ?道の条件ってなんやっけ・・・?」となりました。
そんなふうに心細く木々をかき分けて行くと、
古滝までの時間を何度も修正した跡が見えますね。ずっと不安な道のりだったので、あやふやな案内といえどもめちゃくちゃ心救われました。
ドキドキしながら歩み、そしてついに・・・
耳をすませると「チョロチョロ・・・」と音がします。たしかに水が流れています!
読者のみなさんは「これは何・・・?」と反応に困っておいででしょう。
しかし、私は
おそらく、「☆の数が少ない」という先入観で頭がパンパンになっていた上、「不安な心境で険しい道を歩いてきた」という経緯が、気持ちを盛り上げたのだと思います。
低評価の滝を楽しむのに十分すぎるコンディションが整っていたのです。
それを抜きにしても、今までに見たことのない、独特の存在感があるスポットでした。
ほかの登山客の方が・・・!
なんと、古滝を見に来た登山客の方が現れました。
おじさんA「こんにちはー」
唐沢「古滝、あんまり水ないですけどかっこいいですね」
おじさんA「たしかに迫力ありますね〜。この山には何度も登ってるけど、さっきかまぼこ板みたいなちっちゃい看板を見つけて、来てみました」
おじさんB「お姉さんも古滝は初めてですか?」
唐沢「そうです!私この山自体も初めてで、今日は古滝を目当てに来ました。」
おじさんB「これが目当て・・・?」
ずっと孤独な旅だったので、滝を一緒に見てくれる人がいてうれしかったです。
水が少なめの古滝、大雨の後は水量が増えそうですが、地面が濡れててグズグズだと無事にたどり着けるか微妙です。ジャバジャバ流れている様子はもう想像するしかない、まさしく「まぼろしの滝」です。
低評価の理由は「行きにくい」「水量が少ない」だと思われます。しかし、行きにくいからこそドキドキするし、水量は少ないけど、その分雰囲気満点の滝でした。
唐沢滝レビュー:★★★★★5
「道とは・・・?」と悩みながら進むと、独特の迫力がある滝が現れて「おお!」となる