特集 2024年4月30日

Googleマップのレビューで☆3未満の滝をめぐる

☆1.4お釜の滝~たどり着けるのか

さて最後は神奈川県相模原市にある「お釜の滝」。

(Googleマップ「お釜の滝」より)

ここはレビューが5つあって☆の数が2を切っており、私が探した中でダントツで低い評価をくだされています。

滝マニアでさえも「頑張りがいの無い滝」「滝じゃない」と評しているところです。ゾクゾクしますね・・・

最大の特徴は「道がない」という点。前情報で私はすでに「行きたくはない」と気鬱になっていますが、その反動か「行かなければならない」という使命感も強くなっています。

JR橋本駅で降り、バスに乗り換え三ヶ木駅まで行って、そこから徒歩で2時間歩きます。

歩いてる途中、学生時代に免許をとらなかった自分を何度も恨みました。
青野原観光活性化推進委員会の公式マップ。もちろんお釜の滝はありません。

もはや、「うん、公式マップに目的地の滝が書かれてないな」という確認作業になってきました。

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危険を感じる

さて、歩き続けてやっと近くまできました。着いた場所は、小高い場所にある車道。

川の流れる谷を見下ろすと、うっそうとしげる木々。

お釜の滝は山の中にあるのではなく、谷の下にあるようです。今までと違い、インディーズの案内すらありません。

登山靴と軍手とコンパス、食糧を装備し、とにかく「死なない」を合言葉に恐る恐る谷を下ります。

暗い林の、湿気の多いグズグズの斜面をおりていったあと、後ろを振り返ると「え、これ帰りに登るの?」とひるむような崖です。

倒れた竹と木がレーザーのように張り巡らされ、川に近づくことができません。

水流の音はずっと聞こえているのですが・・・

あれかも・・・

これが限界でした。

危なすぎて引き返しました。

無理して近寄ったところで帰れないかもしれないし、なによりその先に絶景が保証されているわけでもありません。なんなら「絶景でない」可能性の方が大きいのです。

もし、ケガして自力で帰れなくなりレスキューを呼んで、「なんでこんなところに?」と聞かれ、「この近くの滝が☆1.4だったので....」と言うことになったら、ほかの低レビュー滝マニアに申し訳が立ちません。

低レビューの理由は「危ないから」でした。低レビューの滝の洗礼を受けました。

はじめて滝が見れなかったという結果となりましたが、

意外にも心さわやかです。

なぜなら、もともと「絶対に何が何でも滝が見たい」というわけではなかったからです。

もし、めちゃくちゃ素晴らしい景色が先に待っていると知っていたら、無理な冒険をしてケガをしたかもしれません。

別にそこまでの気持ちがないのに、この先には行けないですよね!

「目的地にあまり期待してないから、無理をしない」というのも、低レビューの滝めぐりのよさかもしれません。

あともう一つの心さわやかな理由は、「危ないからもう行かなくていい」ということが判明したことです。

低レビューの滝の引力と、「こわいから行きたくない」の気持ちの間で揺れる必要がなくなりました。私はお釜の滝から解放されたと言えます。

唐沢滝レビュー:★★★★★5

見れなかったけど、解き放たれた気持ちになった


最後まで自分がよくわからなかった

☆3未満の滝を4つめぐり、しっかりとした達成感はあります。しかし、行く前の自分の感情が最後まで理解できませんでした。

自分で行きたいと思って準備して、直前で行きたくないと思いはじめる。一人で行くから自己判断で中止できるのに結局行く、行ったら行ったで楽しむ・・・この行為は一体何なんでしょうか。

滝の旅前日に四谷くんへ送ったメッセージ。他人への八つ当たり。

そんな私のアンビバレントな思いを知らず、滝は今日もサラサラ流れています。

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