特集 2019年1月10日

ひまつぶしもタスクリスト化で効率的に一体感を持って取り組みました

ケンタッキー丼を作る、スカイバスに乗る、サーティーワンのトリプルを食べる、ぜんぶみんなでこなしました

世の中にあふれた暇がぶつかり合う。そんな取り組みが終わりました……。こんにちは、編集部の古賀です。

デイリーポータルZの年末年始とくべつ企画「年末年始ひまつぶしタスクリスト 」です。

サイト編集部が「切符を買って電車に乗る」、「初詣のおみくじ大吉出るまで引く」、「サーティーワンのトリプルを食べる」といった大人のひまつぶしに最適なタスクを50件用意しそれを休みのあいだにみんなでやっつけようというこの企画。

なんと100件近いタスク完了連絡が寄せられたのでした。

最も人気のあったひまつぶしは何だったのか、逆に人気のなかったものは。じっくり振り返っていきましょう!

MHP(Most Hima Player)の発表は記事の最後に!

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:デイリーポータルZ 12/13~19に公開した記事のみどころ

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燃えなかった大トロ ~人気タスク、不人気タスク

冒頭のとおり今回は50のタスクを用意しました。

やってみて一番よく分かったのが、ひまつぶしにも人気と不人気があるということ……!

一番人気には11件の投稿があるいっぽう、不人気なもの。たとえば「大トロほどよく燃えるのか試す」など数本には1件も投稿がつきませんでした。大トロはさすがにもったいなかった。

しかしひまつぶしにヒエラルキーを感じる日がくるとは。

そもそも50のタスクは編集部が「やりたかったけどやれていなかったこと」を中心にリストアップしたもの。

件数とあわせて、提案した編集からのコメントと一緒に企画を振り返っていきましょう。

人気ネタから紹介していますが、投稿件数が少ないほど1件の熱量も熱いです(投稿件数1件までくると「超高い伊達巻きを食べてみた」の6000円の伊達巻も登場!)。

移動のためにお金を払うという久しぶりの実感

以下、各ネタ代表的な投稿を1件だけご紹介してきます。全投稿みたいかたはぜひネタタイトルをクリックして詳細ページをどうぞ!

 切符を買って電車に乗ることが少なくなってからというもの、切符をなくすこともなくなりました。以前は改札の前でポケットをぜんぶ確かめたりカバンひっくり返したりしている人がいたものです。僕ですが。数字を足して10にするゲーム、僕もやってましたよ!(安藤)

 

 

正月っぽい写真が集まってますね。お正月の寒くてしんとした空気が詰まってます。この写真は保存しておいて真夏に見よう。(林)

 

完全にご褒美企画ですよねこれは。やりたいけどちょっとなあと思っていることを「やりなさい」と背中を押すという。そんななか「よく食べます」という投稿には勇気をもらいました。私が選んだ具だとコーンも入れて456kcalでした。ぐいぐい来ますね。(古賀)

 

まだまだ暇つぶしの旅は続きます。

続いては投稿が3件来ていたもの。ケンタッキー丼や新宿駅のソフトクリームが写真で見られる感動!

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ケンタッキーの新しい扉を開いた

3人中2人がすぐ作れたと書いてあるのが嬉しいです。たぶんすぐできるだろうなと思っていたので! すぐできるわりには物騒、コスパがいいツイッター時代の工作と言えます。(林)

 

浅はかな人間なので「ケンタッキーのチキンをご飯の上に乗せて、はい完成!」みたいな雑なものを想像していました。それがどういうことですか、みなさん卵とじにしたりてりやき風にしたりめちゃくちゃおいしそうでした。ケンタッキーの新しい扉を開いたような気持ちになりました。(藤原)

 

「他の数字が出てくる」という報告が続々と。バーコードにはちゃんと正しいバーコードかチェックする仕組みが入ってるはずなのですが、それをわりとあっさり乗り越えてしまうハック感も愉快でした。(石川)

 

新宿駅東口地下改札横のグッドタイムスといえばめちゃめちゃに雑踏というイメージで、あの人ごみでソフトクリームを食べるとはどういうことなんじゃろうか…と常々思っていました。まさか「イートインスペースは意外とゆったり」「ちょっとしたスペースがあって安心」とは!
やってみなくちゃ分からない体験の見本でした。(古賀)

 

動画のコーヒーが明らかに「ぼんやりして目をはなした人」の状態で笑いました。そうか、ビールじゃない飲み物をギリギリまで注ぐと目をはなした人になるんですね。(古賀)

 

黒井カメラさんが明るい文体で気になることを書いてますが、除夜の鐘をついたのであればもう大丈夫なのではないでしょうか。除夜の鐘は我らのアンセムです。(林)

 

高島暦しかないと思ったら実はたくさんあったとは!知らなかった。これ集めて読み比べるだけで記事1本かけますね。そう考えるのがライター・編集者の悪い癖です。(林)

 

調査者それぞれが別のベストを選んでいて興味深かったです。
「写真を撮るとき住所と名前を隠すのが大変」など、やるとわかる地味な苦労も判明し味わいを感じました。(古賀)

 

ここから投稿件数が少なくなり、「人気のなかったひまつぶし」があらわれてきます。

つづいては2件投稿があったタスクです。肉まんを両手で食べるなどします。

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餅同士をくっつけるノウハウ

僕もやってみてわかったんですが、肉まんを2つ買って両手で食べると下の紙をはがす手が足りないんですよね。両手で食べた人にしかわからない苦労だなと思いました。次は3つに挑戦しましょう。(安藤)

 

「どれも冷たいほうがおいしい」というコメントに責任を感じないわけではないですが、こういうのも含めて本当に試すことって大事ですね。グレープフルーツジュースは温めると美味しくなるという投稿が救いです。(林)

 

これはもう無理だろうと、ほぼ捨て案で投げていましたがなんと2人の方が本当にしかも上手に作ってくださり泡を吹いた次第です。これが暇の力か。
サバイバルの手引書でイグルーの作り方を網羅して作り出す磐石の構え!
餅同士をくっつけるノウハウが生み出されているのも感動しました。(古賀)

 

二人の投稿を見ていると、すごく早そうな雰囲気があります。早いだけじゃなくて力強く山道を駆けていくイメージです。タイムスクープハンターによく出てきた気がします。(林)

 

これこそ日常を楽しむタスクですよね。自分でネタを出しておきながら乗れなかったことを大いに悔やんでいます。この企画に使っちゃったからもうネタにできないし。でも乗るぞ。(林)

 

イタリアンは見るだけでも満足です。写真だけでも独特さが伝わってきます。B級グルメ界のウォンバットみたいな存在ですよね。旅に出たくなります。(林)

 

ケーキを刺したパフェ、自分でいいながら行こうとして探すとあれ、なかなかないなという印象でした。
が、桔梗信玄クレープの刺さったパフェという完全に想定したレベルをうわまわるパフェが登場。まじですか。そもそも桔梗信玄がクレープをやっている時点で「ガタッ」です。(古賀)

 

おおむね300kcal台のサブウェイのサンドイッチにあって、648kcalと552kcal(ポテトも入れたら740kcal)達成には吠えました。
それでも野菜満載で見た目にはヘルシーそうで、サブウェイおそるべしです。(古賀)

 

投稿いただいたみかんはどちらも1個1000円。「こういうのはみんなで食べた方がいい」という気持ち、わかります。一人で食べるのちょっと怖いですよね。(安藤)

 

 

 

さらに分け入って続いて1件ずつ投稿があったタスク。確かにちょっとやるのにはハードルが高いかも? というネタも出てきます。

カセットテープで編み物をする猛者が現れました。6,000円を超える伊達巻もいよいよ…!

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ホテルのような雀荘のトースト

最後の写真のシズル感よ。口に入れたときのしっとりしつつみっちりした食感が想像できます。いろんな素材の味がわかるというのも納得。100円羊羹に対してのとらやみたいなものかなと想像しています。(林)

 

自分の出したテーマの中でトップレベルの「誰もやらないだろうな」ネタだったのですが、ついてきてくれた人がいて嬉しいです。動画を見ていて、毛糸玉よりもコンパクトに素材が収納されているカセットテープは実は編み物むきなのではないか、と思いました。(石川)

 

これあいますよね? 飲んでいるときの体にいいことしているぞという感じもまた魅力です。チェイサーの水も美味しく感じます。(林)

 

3軒目に雀荘が入ってきたところでボルテージが完全に最高潮に達しました。
なんでしょうこのホテルのような雀荘は。トースト行脚の良さはもちろんなんですが、雀荘を取材したくなりました。(古賀)

 

アメのことが知りたかった

 今回、ネタ出しでなぜかアメのネタを複数出し突如アメ好きの名をほしいままにした編集部石川。

肝いりのネタにも反応がありました。よかった!

これはもうほんと普通にデイリーの記事として1本書けそうな力作でした。パッケージまで作ってる周到さに対して最終的な絵面(全くできてない)のギャップも笑いました。「煮詰めたものは冷凍しても凍らない」という予想外の発見に着地するところまで最高。(石川)

 

サクマドロップの形調べの投稿をいただきました。色で形が決まってるわけじゃないんですね!完全にそう思ってました。ちょっとしたテーマでもちゃんと発見があるんだなという、短編記事の見本のような結果でした。(石川)

 

 

 

 

さらに1本投稿が続きます。

だれにも興味を示されなかったという意味で暇の極みともいえるネタも続いてご紹介!

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「年末み」という、新しい「み」

7時だとけっこう歩けますね。これなら安心です。投稿者の「年末み」という、新しい「み」に新しみを感じます。(林)

 

缶はぬるまりにくいという結果にはっとなりました。
確かにビールがぬるくなるのって自宅(缶で飲む)より店(グラスで飲む)ですね……!
空調を安定させて条件を変えて挑む姿勢、見習います。(古賀)

 

3万円くらいのおせちのお重を買ってきてまるごとチンする剛の者みたいな投稿を期待していたんですが、伊達巻をお雑煮に入れる、というちゃんとしたレシピが届きました。その発想はなかったです。(安藤)

 

自分でやりました。美味しくないやつはなかなか言葉を選びました。西友の安ビールは全然ありだと思います。(林)

 

 

 

 

 

以上がみなさんのひまつぶしでした。

年末年始、ひまつぶしおつかれさまっした!

大トロは燃えなかった

さて、そして問題の暇人力が強すぎて常人の暇さでは対応しきれなかったネタたちが以下でした。

これだけの力が結集した企画にもかかわらず手がつかなかったこと、むしろこのネタたちには誇ってもらいたい次第です。

経緯を評して太字で紹介します。

・街中のネジが緩んでいないか調べる
・ダンボールでバーベルを作る
・歯磨き粉を入れてクッキーを作ったらミントクッキーのようになるか
・アオキーズ・ピザの肉っぽいピザを食べる
・缶のカクテルを混ぜてカクテルを作る
・動物園の動物の食事を調べて、食べてみる
・虫眼鏡で食べ物を大きくしながら食べて、満腹感を調べる 
・水分の多いウェットティッシュを調べる
・調味料を混ぜて、うまい揚げ玉を作る
・大トロほどよく燃えるのか試す 
・スタバのフルトッピング 

ひまつぶしにも人気と不人気がある。これが本企画最大の知見でした。
 

そしてMHP(Most Hima Player)の発表を

さて、参加してくださった方のなかにはもしかするとMHPの発表を気にされている方がいるかもしれません。

今回投稿してくださった方のなかから表彰するとお伝えしていたMHP、Most Hima Playerは……。

いしかわさんに決定しました。おめでとうございます。

いしかわさんは全17件(!)を投稿。「ケンタッキー丼を作る」では2種の丼を作るなど脅威のHima Playerパフォーマンスを上げてくださいました。

MHPの証としてウェブマスター林から、名入れだるまが送られる予定です。

だるまを買ってすぐ目を入れる」のネタのためにだるまはすでに買われたと思われるところすみません!


年末年始の一体感

年末年始って暇ですよね。

やることがない。そのうえ、暇なのは自分だけかもしれないので人を遊びに誘いにくい。 

そんな我々のために、暇な年末年始にやっておくタスクリストを用意しました。 

これ、今回の企画の冒頭文です。

年末年始は暇なのに遊ぶのに人をとても誘いづらい。

そこに現れたのがひまつぶしタスクリストだったのではないでしょうか。

年が押し迫りそして年が明け日常が取り戻るにつれて徐々にこなされていくタスクリストに感じたのは、いつもの年末年始に感じられることのできないうっすらした連帯感でした。

今日もどこかで誰かがひまをつぶしたということの見える化がこんなにも力強いとは。

参加いただいた方も見守ってくれた方もありがとうございました。来年もやりましょう。

あらためて、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

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