ご存知フルーチェ
人生で初めて作った料理はなんだっただろう、と考えると「フルーチェ」だった気がする。初めてかは定かではないけれど、間違いなく子供の時にフルーチェを作った記憶がある。それは簡単だし、美味しいからだ。母と一緒に作ったはずだ。
作り方は本当に簡単で「フルーチェ」と「牛乳」を混ぜるだけ。1分もかからずに完成してしまう。もはや料理と言っていいのか謎だけれど、私は料理と呼ぶ。マジで美味しいから、自分の手柄にしたいので、料理と呼ぶことにしている。
フルーチェが固まるのは、フルーチェの食物繊維(ペクチン)と牛乳がカルシウムとくっつくからだそうだ。完成したフルーチェのプルンとした見た目が心を掴んで離さない。食感も含め、フルーチェは美味しい。
フルーチェのラインナップは「イチゴ」や「ピーチマスカット」、「メロン」など、様々なものがある。その時の気分で食べる味を変えられるのは嬉しい。さらに「ご当地くだものフルーチェ」なるものも登場した。
「ご当地くだものフルーチェ」とは、その名前の通りご当地のくだものを使ったフルーチェ。2026年9月現在では4つのご当地くだものフルーチェが販売されている。「福島県産あかつき桃」、「山梨県産シャインマスカット」、「栃木県産にっこり梨」、「北海道産富良野メロン」だ。
福島県のフルーチェ
ご当地くだものフルーチェは、ご当地でなくても買える。私も近所のスーパーで買った。ということは、自宅でご当地くだものフルーチェを食べることができるわけだけれど、せっかくなのでご当地で食べたいと思ったわけだ。ご当地でご当地を食べた方がご当地感が増して、よりご当地のはずだからだ。
福島県産あかつきのピューレで作ったフルーチェだ。あかつきは農研機構が1952年に白桃に白鳳を交雑し育成した品種。2018年の品種別栽培面積では「あかつき」が一番多い。酸味が少なく甘くて美味しいから納得だけどね。時期としては7月から8月ということになる。
福島県の市町村別の桃の収穫量を見ると福島市や伊達市が多い。ただ今回は特に何も考えずに「ひたち」に乗った。「『福島県』産あかつき桃」とあるので、福島県ならどこでもいいのだ。福島県ならどこでもご当地。なぜなら「『福島県』産あかつき桃」だから。
「ひたち」が停まる最初の福島県の駅が「勿来駅」。ということで、勿来駅に降りた。初めて来たのだけれど、降りた瞬間に福島県の風を感じた。駅前には源義家の像もある。源義家は「吹く風を 勿来の関と思へども 道もせに散る 山桜かな」と詠んでいる。
ここでご当地くだものフルーチェ「福島県産あかつき桃」を作る。天気が悪いこと以外は、最高の場所でのフルーチェ作りとなる。なぜなら福島県産の桃を使ったフルーチェで、ここが福島県だからだ。これ以上に何を求めればいいのかわからないほど、ご当地。強いて求めるとすれば天気だけど。
訪れた時はすでに「あかつき」の時期が終わっていた。福島県だけれど「あかつき」を食べることはできない。でも、大丈夫。私にはあかつきを使ったフルーチェがあるから。フルーチェは簡単に作れるので外で作るのにも向いていた。
食べると、あかつきが口の中にいた。すでに時期は終わっているのにあかつきを私は食べているのだ。フルーチェすごい。さらに牛乳のミルキー感も加わり、手の込んだデザートの様に感じる。これ美味しいわ、と周りに勧めるレベルだった。
せっかくなので、近くの勿来海水浴場までフルーチェを持って足を伸ばした。潮風がフルーチェの甘みをより強いものにしていた。やはりご当地で食べると美味しいのだ。福島県で体が満たされる感じがした。体の外側も内側もご当地、福島県なのだ。勿来であかつきを作っているのかは知らないけれど、福島県だから問題ないのだ。



