今回滑り台の写真をまとめてみて、滑り台の世界も大変なんだなあとしみじみ感じました。
生まれ変わったら公園遊具になってみたい気持ちもありましたが、滑り台はやめておこうと思います。
人間にとっては憩いの場である公園も、遊具からすれば人気を争う弱肉強食の地であるみたいです。
そんな公園内生存競争を勝ち抜くべく、滑り台が人知れず形を変え、進化していることに気づきました。
スライダーを増やしたり、スペースを節約したり、大きく広がったり山になったり合体したり。
大阪で見かけた、特徴的に進化を遂げた滑り台を紹介したいと思います。
最初はパーツを増やすタイプの滑り台を。
こちらはシンプルにスライダーが2列の滑り台。
通常の倍というだけでも、かなり目を引きますね。
更にダブル系。
90度に開いていて、やや手狭な敷地いっぱいに存在感を見せつけています。
そしてダブルの180度!広い!
そもそも公園に広さがないとここまで大きくなれないので、この滑り台はのびのびと育ったのでしょう。
それと片方のスライダーが砂場にかかっていて、ちゃっかり砂場人気にも便乗しているところが狡猾ですね。
これはダブル界でも異端児な滑り台。
登るところとスライダーが兼用となっていて、どちらからでも昇降できるという、かなりコスパ良さげなデザインをしています。
どことなく宇宙っぽくもあり、知的な印象もあり、滑りたい気持ちをそそられますね。
これもダブルで、後述の省スペース系もちょっと入ってます。
ストレートと螺旋状が組み合わさり、飽きさせないように頑張ってますね。
そしてここも砂場へのアプローチは外していません。
こちらは逆に登る部分が階段と謎の棒の2種類あるタイプ。
普通に登りたい子は階段を、チャレンジしたい子は謎の棒を、と難易度を分けることで登りたい欲求を煽り、集客力も倍に。
あとは色もカラフルで、安定の砂場着地。
そして登る部分が3箇所の滑り台も。集客力3倍!
よく見ると階段+うんていという組み合わせでできています。
これだけ集客力がありながら、スライダーが1本というちぐはぐさも微笑ましいですね。
そうなってくると、当然こういうのもあります。
スライダー×2、ハシゴ×2!
かなり広い公園という地の利を生かし、全てがまんべんなくボリューミーです。
おまけに配色がなかなかエキセントリックで目立つ気満々なので、自信家なのかもしれないですね。
増やす系は敷地が広い公園が多かったですが、次は逆に狭い公園に適応した滑り台を。
省スペース系でポピュラーなのがこういうタイプ。
スライダーがウェーブしていて、足元に着地することで狭い場所でも生きていけるようになっています。
省スペースなので砂場着地ならぬ砂場内在も可能に。
こちらも同タイプですが、スライダーの巻き方が若干違います。
巻き方に個性があるのは興味深いですね。
そしてこれはまた別タイプの省スペース系。
僕は勝手にハイヒール型と呼んでいます。
省略できた部分は階段のスペースだけですが、スライダーと階段を揃えることで昇降をスムーズかつ無限に行えるようになっています。
そして砂場着地も忘れていません。
滑り台の中には、既にある段差や斜面の恩恵に預かろうとするものもいます。
それらは通常よりも幅広くなりがちなので、幅広系と名付けました。
例えばこのような感じ。
公園内に何故か高低差があり、その間を埋めるように上手いこと収まっています。
滑り台としての人気と、移動手段としての需要を両得していますね。
これは団地の一角にあった幅広系。
道が緩やかな坂になっているのを利用し、そのまま順応。
当然ながら、移動手段としても使えるので強いですね。
ここも団地の幅広系。
斜面に合わせて他よりも長めでなだらかな感じがします。
滑り終わりに段ボールが落ちてたので、ちゃんと遊ばれてるようでした。
こちらは公園の端にある斜面に沿ってデカデカと広がってます。
飛び出し防止のためかゾウが置かれていて、ちょっとだけ遊具内格差が見え隠れ。
やはり大きいと有利ですね。
幅広系で「大きい方が目立って有利」と分かりましたが、ちょうどいい斜面がある公園はそうそうありません。
それでもデッカく目立ちたいなら、自ら斜面になればいいというのが山系です。
例えばこういうのです。
スライダーが2本、登るところはいくらでもあり、うんていまで付いてます。
これだけ増し増しで目立たないはずはない!という気迫を感じます。
これは2つの山がくっついているダブル山系。
あらゆる方向から登れますが、スライダーは一本のみ。
全景を撮るのが難しいくらいデカくて、初めて見た時は化け物かと思いました。
そしてこちらは珍しい山系。
山そのものはシンプルですが、なんと別の滑り台が棲みついています。
山のスライダーよりも短めにして、低年齢用となることで上手く共生しているようです。
親分子分というか、滑り台内格差を垣間見ました。
斜面もない。山にもなれない。
そうなってくると行き着くのが、合体です。
他の遊具と合体し、人気倍増を狙います。
まずは滑り台のデッドスペースを活用するパターン。
とにかく土管をぶち込み、とにかく側面をカラフルに。
砂場にも当然絡んでいきます。
これは団地にあった合体系。
複数の滑り台がセットになってるっぽいです。
最初から仲間がいると心強いですね。
こちらは大きめの合体系。
真ん中にはしごが入った筒がズドンと刺さっていて、スライダーも2列あります。
その他にも登る部分が複数あって、登らせる気満々ですね。
ここは超合体系。
とにかく何でもかんでも合体していて、手段を選んでない感じが逆に潔いですね。
パーツごとに担当カラーも決めているようで、ちょっとした戦隊ヒーロー感があります。
合体系の中でもジャンルを確立しているのがブランコとのコラボです。
どちらも目立つ遊具なだけに、相乗効果はかなり高いですね。
ここはブランコ1つを取り払って滑り台を組み込んでいるタイプ。
こっちはブランコの区画外に滑り台が合体しているタイプ。
合体はするけど区画は分けるという、ビジネスライクな関係なのかも。
そして最後に合体ベスト3を!
第3位はブランコ合体系で、滑り台×2、ブランコ×4、シーソー×2!
すごく横に長い!
しかもフォーメーションは左右対称でありながら、カラーリングがアシンメトリーな感じもオシャレです。
第2位は、今まで見てきた中で一番特殊な滑り台!
団地の一角にあった謎の建造物の、階段の途中から突然生えてました。
一応公園のような広場に設置してあるものの、中が空っぽの建造物の方が逆に気になるところです。
第1位はこれ!
合体と言えば巨大ロボット!という方もおられるかと思いますが、まさに巨大ロボット的滑り台です。
山の手の斜面を上手く生かし、とにかくデカい。
頂上にはジャングルジムまでありますし、スライダーは驚異の3列。
その堂々たる姿はまさに1位、王者の風格でした。
今回滑り台の写真をまとめてみて、滑り台の世界も大変なんだなあとしみじみ感じました。
生まれ変わったら公園遊具になってみたい気持ちもありましたが、滑り台はやめておこうと思います。
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