特集 2026年9月14日

香川県高松市の田村神社で日曜市うどんを食べてきた

週に一度だけオープンする田村神社のうどん屋で、200円のうどんを食べてきました。

香川県高松市にある神社で、日曜の朝だけ食べられるうどんがあるそうだ。その値段、なんと200円だとか。

気になったので食べに行ったところ、そのうどんは「昔ながらの食堂のうどん」で、香川県の食文化の一端を感じさせてくれる、今となってはとても貴重な空間だった。

趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

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うどんのために早起きをする

8月2日の日曜日、文学フリマ高松という同人誌即売会に参加した。

この日のために作った本が、以前このサイトで記事にした「香川県でさぬきうどんを食べ歩く2泊3日14杯の旅」を大幅に加筆修正し、さらにもう一度2泊3日で別の店を巡り、合計31杯を食べた旅日記「さぬきうどんを食べ歩く旅」である。

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文学フリマ高松はサークル入場は午前10時から。せっかくだからその前に、さぬきうどんを食べていこうかなと考えたそのとき、確か日曜日の午前中だけ、どこかのお寺で食べられる幻のうどんがあったようなことを思い出した。

スマホで検索してみると、田村神社の日曜市うどんというもので、その値段はなんと200円らしい。年一のイベント価格とかではなく、週に一度ながら通常価格だ。

宿のある高松市街地から、がんばれば車が無くてもいける場所なので、ちょっと早起きをしてそのご利益がありそうなうどんを食べに行くことにした。

宿の最寄りである片原町駅から、7時17分発の目的地である一宮駅行きに乗り込む。
日曜朝の下り電車ということもあり、しばらく乗っていたら完全な貸切状態になった。なんだか夢の世界っぽい。
8時6分に一宮駅へ到着。乗ってきた車両は高松築港行きとなって帰っていった。200円のうどんを食べるために片道400円かけているが、最高の旅情が味わえるので問題などない。

長い参道を通ってうどんを食べに行く

スマホの地図アプリによると、一宮駅から田村神社までは徒歩10分ほど。この時間でも30度を超える暑さなので日傘を広げた。埼玉生まれなので馴染みのないクマゼミの大合唱がすごい。

私はアプリが示す道をなにも疑わずに歩いたのだが、ずっと魅力的なルートがあることを帰り道で気が付いたので、そっちで行ったという風に記録しておく。

のどかな一宮駅。田村神社があることが由来だろうか。
地図アプリの指示だと踏切を渡るのだが、線路沿いの細い道を不安になりながら300メートルほど進もう。
すると田村神社への参道につながる小さな踏切が現れる。ここを渡ってずんずん歩くのが吉。
延々と続く参道の先にうどんが待っている。
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200メートルほど進むと、地図アプリが示した神社の入口に到着。ここからさらに100メートル以上も参道が続く。
遠い。
ようやく本堂が見えてきた。伊勢神宮のお神札を扱っているらしいが、伊勢神宮といえば伊勢うどん。参道あるところにうどんあり。
手水舎があるので手と口を清める。「これってどういう順番だったかな」と毎回思う。
午前8時ちょっと前に田村神社へと到着。なにやら工事中のようだが、うどんは食べられるのだろうか。

日曜市うどんを食べる

長い参道を抜けた先、本堂を前に日曜市うどんとやらはどこだろうとキョロキョロしたところ、社務所っぽい建物に「うどん二百円」とだけ書かれた小さな看板を発見。

日曜市というが賑わっている感じはまったくなく、ちょっと不安になりながら入口へ向かうと、硝子戸の向こうにうどんを食べている人たちがいた。どうやらここであっているらしい。

営業しているのか不安になるサイズの看板を発見。
営業中の印なのか、ただ置いてあるだけなのか。
恐る恐る覗いてみると、うどんを食べている人がたくさんいた。
営業時間が7時からになったというお知らせ。それまでは朝6時からだったらしい。
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引き戸を開けてそっと入ると、公民館の一室みたいなスペースで老若男女15人くらいがうどんをすすっていた。私のような旅行客よりも、地元の人が多いように見える。

どうやら部屋の奥が受付らしく、また人の出入りもそっちからしているので、私は裏口から入ってしまったようだ。別に誰も気にしていないだろうが、ちょっと恥ずかしい。

町内会のイベントで餅や豚汁が振舞われる公民館みたいな空間。

こそこそと入口側へと進んで、受付のおじさんに注文をする。

私:「うどん、お願いします」
受付:「なんぼ?」
私:「一玉で!」
受付:「冷たいんと温かいんがあるんやけど」
私:「えーっと、冷たいの」

ここは定番であろう温かいうどんを食べるべきだと思ったが、暑すぎたので冷たいうどんを注文。冷たいうどんにもいろいろあるが、冷たい麺に冷たいかけだしをかけた「ひやかけ」だろうか。

ポケットに用意しておいた200円を渡して、「食券」とだけ書かれた食券をいただく。メニューがうどんしかないからこそのシンプルな食券だ。麻雀の牌みたいに文字が彫ってあるタイプ。

お祭りの日の特別な食事っぽさがある。
シンプルな食券とシンプルな値段表。

食券販売所とうどんの受け取り口の間には、こちらで「天ぷら」とも呼ばれる揚げ蒲鉾が置かれていた。前の人が自分でお金を払って自分で持って行ったので、どうやら無人販売所のようである。120円。

今でこそ、うどん屋には店で揚げる天ぷらが当たり前のように用意されているけれど、揚げ物をやっていかった小さなうどん屋や製麺所では、こうやって揚げ蒲鉾が置かれていたのだという、香川県におけるうどん屋のトッピングの歴史を感じさせてくれる素敵な展示である。

揚げ蒲鉾(天ぷら)の無人販売所。小銭を用意していこう。

無人販売所の先で待ち構えるおばちゃんに食券を渡すと、そうめんみたいに水に入ったうどんと、ネギ入りのつけつゆを渡された。

おおお、これは釜揚げうどんの逆バージョン、「冷やしうどん」と呼ばれる提供方法ではないか。ひやかけでも、ざるうどんでもなく、冷やしうどんが出てくるところに歴史と地域性を感じる。

ワカメと天かすは無料サービスなので、下品にならない程度にいただく。

揚げ物をやっていないけど天かすは用意してある。窓の向こうに巫女さんが見えた。

⏩ これぞ昔ながらの食堂のうどん

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