猫も杓子も
携帯電話やコンパクトデジタルカメラのパンフレットを製作している友人がいるのだが、言わせるといまや「猫も杓子もカラーバリエーション」だそうだ。
確かに彼は喋り言葉で「猫も杓子も」といった。普通、友人との会話でちょっと出ない慣用句だろう。猫も杓子も、って。それだけカラーバリエーションは進んでいるらしい。
ユニクロがフリースを色とりどりにして、イオンはランドセルのカラバリ展開をすすめた。いまやカラーバリエーションがあって当たり前なのだ。
実際どうなってるんだろう、と思って電気店や雑貨店をウロウロしてみたときに見つけたのが下に並べた写真たち。
思った以上に色々なものが色とりどりで売られていて、確かにこれはどこに出しても恥ずかしくない猫も杓子もぶりだった。
なにせ、探したら杓子(しゃもじ)にもカラバリを発見しちゃったぐらい。おお、ザ、文字通り!
カラバリ、未踏の地を目指して
見たところ、もうカラーバリエーションが展開できる商品は片っ端から展開したぞ、という状態だ。大方すでに開拓が済んでしまっただろうか。
こういう状況を目の当たりにすると、ぜひとも今までに誰もカラーバリエーションを付けてみようと考えもしなかったものに、自らの手で色展開させてみたいと思いませんか。
何かないかな。うーむ。
ガスの元栓のひねるやつ? おふろの栓? いろいろと候補を挙げていく。
が、どうだろう。元栓のひねるところも、おふろの栓も探せばすでにカラーバリエーションがありそうなにおいがする。
注文住宅とか、オーダーの効く新築マンションのカタログなんかに抜かりなく掲載されていそうな気がする。
今、私が探しているのは、もっとちょっと驚きを含んだようなものだ。
身近にあって、でもあまり目に触れないような、ちょっと観念的なもの……。
地球でいうところの、宇宙レベルという感じのもの……。
何だろう。
節水ゴマだ!
そう思って、これぞと思いついたのが、タイトルにある節水ゴマだったわけだ。
「宇宙レベル」とおおきく振りかぶった割には地味極まりないセレクトだが、誰もが手をつけなさそう、かつ、身近なものというともうこれしかない。
節水ゴマというと、家庭の蛇口の中にはめ込んで蛇口から出る水量を少なめに調節する部品のこと。
節水を呼びかけるパンフレットなどでおなじみのアレだ。
実は私は「水がじゃーじゃー出すぎて困る」という家に住んだことがなく、話には常々聞いていたもののこの節水ゴマを見たのは今回が初めてだった。