かわいいを全力で拒否
なんだかんだ言って、とどのつまりは「抱き枕が欲しい」ということなのだ。しかし、世間には自分の欲しい抱き枕がなかなか売っていない。クマさんやら淡めの色やら、どうにもかわいすぎるのだ。こちとらそんなもん抱いて寝るほど乙女じゃねえや、ペッ。
やさぐれても仕方がないが、こういう抱き枕があったらいいな、とは思うのだ。
龍である。龍の抱き枕。商品名だったら「龍抱枕」か。りゅうほうちん?「龍角散」に似ていなくもない。
そう、龍に乗って空を飛んでいるかのような……我々の世代なら、主に「まんが日本昔ばなし」のあのオープニングアニメーションから刷り込まれたビジュアルである。もしくはネバーエンディングストーリーだ。いずれにしても古い。
年のせいで体がなまったとか言っておいて、遠くを見るような目で「龍に乗って空を・・・」もないもんだが、心は少年少女、ぜひひとつ作ってみたいではないか。そして龍に乗った夢を見て、疼痛を吹き飛ばしたい。
型紙くらい描けよと自分でも思うが、なにせ抱き枕だ。でかい。型紙作りは面倒である。まあ、でかい分、多少のガタは吸収されるんじゃないか、と。
ここまでで黄色い腹を含む胴体が縫い合わされた。その長さ、3m20cmほど。なんだか長いぞ!
抱き枕なんだから、本当は1mくらいだって良さそうなのだが、やはりあのアニメの長~い龍のイメージで作りたいのだ。