このおもちゃたち、見たことあるでしょう
我が家にこういうおもちゃがある。
中にモーターが入っていて、スイッチを入れると歩く。歩くだけでなく、首やしっぽを振ってワンワン鳴くのだ。
これがもう、めっちゃくちゃにかわいいのである。
こういう「動物の動くぬいぐるみ」といったおもちゃが、どのおもちゃ屋やおもちゃコーナーに行っても売られている。
大定番商品と言ってもいいだろう。
あまりに大定番すぎて、当サイトでも様々なおもちゃが改造を施されている。
NHKの「魔改造の夜」でもとんでもない改造をされていて、改造されがちな存在になってきている。
(僕のあかちゃんビーグルも6年ほど前に別媒体の記事で使うために買ったものだった)
これらのおもちゃを作っているのが、「イワヤ株式会社」である。
1923年、大正12年の創業なのである。
ちなみに当サイトは20周年だ。デイリーポータルZの歴史を5周もしているのか。
100年の歴史を見た、聞いた
今回お話を伺ったのは待井さんと開発課課長代理の中野さんだ(以下、敬称略)。対してこちらはそれぞれ子どもがいる編集部石川・橋田、そして爲房の3名。
まずは昔のおもちゃからお見せしましょうか、ということで2階の一角へ。
すごい!
昔のおもちゃがズラリだ。
おもちゃマニアの人が見たら泣いて喜ぶかもしれない。
爲房:もともと動物のうごくおもちゃを作っていたんですか?
待井:最初はゼンマイで動くセルロイド(という合成樹脂)やブリキのおもちゃを作っていたんですよ。
待井:セルロイドは白木屋さんというデパートで火事になったという事故があって、それで使えなくなってしまったんですね。ブリキよりも軽いセルロイドが出てきたというのでゼンマイのカバーを作っていたのが出来なくなって。
そのうちプラスチックが出てきてたんですが、当時はカバーに使うのが難しいということでプラスチックでカバーを作るのではなく生地をかぶせたんですよ。
動物のおもちゃは窮地から活路を見出すために考えた産物だったのか。
イワヤのサイトでは、創業者の岩谷慶吉によるエピソードが書かれている。
困り果てた慶吉は、代わりに布帛(ふはく)を使い始めました。ドイツではこういった玩具がありましたが、毛が立たず、手縫いに高いコストがかかってしまいました。そこで自ら和歌山県に出向き、生地会社と一緒に半年間研究し、本物の毛のように立つ編み素材生地の開発に成功しました。これを機に日本で布帛玩具が製造されるようになったのです。
ここから様々な動物のおもちゃが生み出されていくことになる。
爲房:今でも全然動きますね……!
待井:そう、ゼンマイはね。モーターだと動かなくなったりしますけども。
ゼンマイはすごいんだ。何十年も前に作られたおもちゃが平然と動くのに興奮する。
ゼンマイ駆動の中でも有名なのがこちら。
当時のイワヤはおもちゃメーカーの開発・製造を請けていたということもあり海外にイワヤ製のおもちゃが多く輸出されていたが、それを象徴する映画出演エピソードだろう。