太鼓のクマ、ビフォー・アフター
まずは事前に描いてたアイデアスケッチがこちら。
太鼓をたたく動作にくわえて、容器の底もウィンウィン回れば混ざりやすそうだなーと、この上なくざっくりとしたイメージだ。
どうやらこのおもちゃのクマの公式名は「トンピー」らしい。トントコ(太鼓)、ピー(笛)だからか!
雪の夜、雪にまみれた配達員によって届けられ、申し訳ない気分で受け取った
経緯はひとまず置いといて、完成形を見てもらおうか。
完成形がこちら。「ねるねるねるね」っぽいコスチュームにしてみた。ヒッヒッヒッ……
ビートを刻み、笛を吹き、そして混ぜる
改造前と改造前の動きもわかる動画がこちら。音があるほうが躍動感を感じる。
鉄板焼きでも作ってるかのようなこの手さばき……! 職人っぽくないか。
ここに辿り着くまでの道のりを思うと「よくぞここまで……」と、ちょっと育て上げた感を感じてしまってる。
多少はこぼれるが、このぐらいなら気にならない
ここからは完成形からちょっとさかのぼって、「コスチューム」「改造」「混ぜ方」についてのメイキングの過程を紹介しよう。
魔女コスチュームをつくろう
「ねるねるねるね」のCMといえば、やっぱりあの魔女。
テーレッレレー!
このクマにもできるだけ近い恰好をさせたい。元の服を脱がそうとしたが、接着剤で引っ付いてるので切るしかない。
なので、ハイハイ失礼しますよ
これだけ残ってみずぼらしくなってしまった
新たに着せる服を作るとなると、個人的には布で作るよりも毛糸で編む方がやりやすい。なので、編んでみたが……
しまった、摩擦で腕がまったく動かなくなった
ダメなのか、毛糸! 腕にあんまり負担をかけてはダメっぽい。それならノースリーブにしよう。ついでにお腹の穴も隠したい。
長方形の布に穴をあけたものを
前から羽織る
これだけでも、意外と服っぽくなるもんだなー。そして帽子と髪の毛はというと、
この羊毛が白髪に使えそうなので
毛糸で編んだ帽子に縫い付けて、カツラっぽいものをつくった
よーし、これであのCMの魔女っぽく……!?
……ならないな。「元の顔がかわいい子はなにしてもかわいい」というようなものか。
改造についてあれこれ
「ねるねるねるね」を混ぜるためには、太鼓をトレイに置き換え、混ぜるためのスプーンを手に持たせる必要があった。
まずこの太鼓からどうにかしたい。じゃないと「ねるねるねるね」のスペースが確保できない。
シールがめちゃめちゃ剥がれにくい
取れた
太鼓の上部分は
ここに挿し込まれてた
こんな風に挿し込まれてたのか。外してみてはじめてわかったが、ただ太鼓を外すだけなら、シールを剥ぐ必要も解体する必要もなかったな……。
次は手。プラスチックの赤い手の部分と、黄色い布を固定している接着剤をそっと剥がすと……
うわー、すいません!
骨をむき出しにしてしまった……!! とか言ってる場合じゃない。進めなくては。
この赤い手のパーツをはずし、さて……ここになにを入れようか。たまたまあったハーゲンダッツのスプーンを挿し込んでみたら、なんとピッタリ!
袖の内側に滑り止め(ボンド)を軽く塗ると、スプーンが滑り落ちないようになる(接着したわけではない。取り外し可能。)
混ざりやすくするには?
クマの手の動きだけだと混ざり方が弱いので、容器自体も回ってほしい。
もうこれはこの際、市販のターンテーブルを使ってしまおう。
これに頼ろう。クマにセットするときには80mmがオススメ
ピッタリ!
クマのスイッチとターンテーブルのスイッチを両方オンにすると、かき混ぜ始めた!
この状態で、うまく混ざるためにはスプーンの角度も重要なのだ。
この右手のような上向きだと、混ざらない。ちなみにこの左手の動きが悪いのは、徐々に弾力が出てきて持ち上げられなくなってきてるため。
スプーンの角度は、回転に対して切りこむのがベスト!
回ってるところを上から切りこめばいいのだ。
ところでさっきから、画像によって「ねるねるねるね」の色が青かったりピンクだったりするのは、作る過程で色が変わっていくからだ。説明しておくと、
「1の粉に水を入れて混ぜる」→「青くなる」→「2の粉を追加する」→「ピンクになる」という順序だ。
あまりに「ねるねるねるね」が一般常識かのように進行してしまい、出すのをすっかり忘れてた。今更ですが、材料はこちらです。
このやり方で1時間ちかく続ければ、だいたい8割がたは混ざる。
底の方に少し粉が残ってたけど、そこそこ出来てる!
仕上げに別容器に入ってる飴(3ばんの粉)をつけたら、あとは食べるだけ
そんなわけで、「ねるねるねるねを作るおもちゃのクマ」が完成したのだ。
むかしこの手の知育菓子が好きで、周りの友達と比べるとよく食べてるほうだったと思う。久々に売り場へ行ったが、その頃とそんなに変わらないラインナップでちょっと驚いた。
小学生ぶりに食べた「ねるねるねるね」は、すっぱ甘おいしかった。