デジタルリマスター 2024年2月21日

『黒ひげ危機一発』を和風に改造 (デジタルリマスター)

「『黒ひげ危機一発』の黒ひげを、歌舞伎の『石川五右衛門』にするのはどうか」

こんなアイデアがある方から送られてきた。

樽を釜に、西洋刀を日本刀に。なるほど、これは楽しそうだ。

ところで、ある人って誰でしょう?

2010年8月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

前の記事:アイスの当たりくじ、「アタ…」に油断するな (デジタルリマスター)

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妄想つながり

最初に言ってしまうと、「ある方」とはあの歌舞伎スター、市川染五郎氏である!

実は先日東京カルチャーカルチャーで、染五郎氏と文筆家君野倫子氏による「妄想歌舞伎」というイベントがあり、それに私も関わらせていただいた。こりゃいったいどんなご縁なのかというと、私の著書「妄想工作」があることだし「まあひとつ、妄想つながりで行くかー」という、イベントプロデューサーの深い判断があった、というわけなのである。

そのイベントで私は、染五郎氏の妄想を形にする、という大役を任された。それが「五右衛門危機一発」なのだ。さっそく、オモチャ屋で2体取り寄せる。1体は失敗用の控えだ。大人になったのだなあ。

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永遠のマスターピース。ちなみに「一髪」じゃないんですね。
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事前に送っておいたラフ。最近ラフを描くと楽という当たり前のことに気付いた。何が「工作といえば乙幡」だ。

ところで「黒ひげ危機一発」、皆さんも一度は遊んだことがあるのではないだろうか。見るのとやるのは大違い、実際刀をひとつひとつ刺すたびに、ものすごく恐れおののいてしまう。けっこう突然来るからね、ヤツは。

とにかく、そんな「ロシアンルーレット」的な仕組みが、このオモチャの命である。そこを傷つけず、改造後もちゃんと遊べるよう、注意しながら作りこんでいった。

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樽の溝をパテで埋める。これはけっこう楽しい。
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留め金の部分をざっくり削る。
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あとはひたすらヤスリがけ。これはそんなに楽しくない。二の腕が痩せるようにがんばった。
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釜の下半分にパテをたたいてザラザラ感を出し、上半分は銀で着色。釜ってそんな感じだったよね。
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下半分は黒鉄色で着色。羽根をつけるため、接着面をヤスリで荒らす。
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羽根は硬い材料では難しいので、ウレタン素材にした。

上の「羽根付け」。土台に傾斜がかかっているのに水平に取り付けなければならないので、羽根の内側を少しづつ削って、釜にあててみてはまた削る、というのを繰り返す。町工場の職人になった気分だ。次回はヘラ絞り加工に挑戦か?

おお…釜だ、釜が出現した!なかなかの釜感である。釜っぽいなー。言ってるうちに妙な気分になる。

出来上がりは最後にお見せするとして、次は黒ひげマンの改造だ。町工場の次は人形店の職人となる。

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