何事も適量がいい
「やる前からプリンのカラメルは市販のが適量ってわかってただろう」と夫に言われていました。
私はわかりませんでした。なぜなら私はこれまでの人生ずっと「よく考えればわかるだろう!」と言われて怒られ続けてきたクチで、今回も自分でやらなければわからなかったと思います。好奇心が旺盛なんです。
私はプリンが好きです。特にカラメルを重視しています。
しかし、健康志向・糖質制限などの理由でカラメルなしの市販プリンが多くなってきたように感じます。最近、食べたプリンにカラメルが入っておらず半日不機嫌になるという事件が2日連続で起きました。2日ぶん足して丸1日不機嫌という計算です。それほどカラメルが大切なんです。私にもプリンにも。
大切なのでカラメルいっぱいの自分の理想のプリンを作りました。幸せになるに違いない。
「この店のプリンがカラメルいっぱいで最高!」と紹介できたらいいのですが、あいにく私を満足させてくれるカラメルいっぱいのプリンはありません。…作ります。
おかし作りを全くしない人生だったので、紆余曲折の末に出来たカラメルいっぱいプリンです。
私には嬉しい量のカラメルですが、もしかしたら『プリン部分が少ない!損した!』と思う人もいるかもしれません。
この見た目ではお店で売ってても買わないかもなぁ…。
お皿に出します。器のままでは『損した!』と言われていたプリンも、皿に移すことでカラメルがダイナミックに流れてわくわくするに違いありません!
どうでしょうか、カラメルいっぱいプリン。私は胸がときめきでいっぱいです。
お皿に出すときカラメルが波を打って、トップン!と音をだしたのが印象的でした。
読者のみなさんもカラメルの量に胸がときめきでいっぱいかと思います。作り方を説明するので最後までときめいていてください。
まずはカラメルを作ります。カラメルいっぱいプリンなので、いつもよりたくさんの砂糖と水を煮詰めてつくります。
割合としては水を多めにします。そうしないとカラメルが固まってしまうからです。
普通のプリンのカラメルは、全体がプリン液に接触しておりプリン液の水分を吸うから固まらないそうです。今回はプリン液に接触しない部分があるので、ここが固まらないようにはじめから水分が多いカラメルをつくります。
そして約20分煮詰めたのがこちら。
完成したカラメルを見ながら「こんなにいっぱいのカラメル!いい匂いだし熊の気持ちがわかるなぁ〜」と、でかい独り言をいいました。「熊は、はちみつだろう!」とでかい声でツッコミを自分に入れました。ここまでの登場人物は私一人です。お菓子作りは楽しくて元気になります。
いっぱいカラメルをいれたつもりですが、カラメルがサラサラ過ぎてプリン液と混ざってしまいました。
普通ならカラメルの方が重いので混ざっても分離するのですが、このプリンの場合はカラメルを吸い取って終わりました。生きているのでしょうか。
サラサラなカラメルなので、底が固定されずに器の中でプリンがブリンブリン動きます。こぼれないように注意が必要でした。
これではお店で売っても持ち帰るときに絶対こぼれます。クレームが来てしまいそうです。カラメルいっぱいプリンが売られないのはそういうことか…。
味はどうでしょうか。少し食べてみると、普通のプリンです。想像通りの味でつまらなかったので…追いカラメルソースをします。
カラメルソースをたくさん作ったからいっぱい入れましょう。
私のときめきゲージはMAXの3です。いただきます!
甘過ぎてときめきゲージは一気に0に。そりゃそうだ。150gの砂糖を濃縮した液体だもの。
プリンの味は一切しません。なぜか喉が焼けるように熱いです。甘いものでも辛いものと同じ現象が起こるんですね。
なんかイライラします。甘すぎるものを食べると腹が立つことがわかりました。
追いカラメルは余計でした。追いカラメルをせずに食べるのがちょうどいい甘さでした。追いカラメルをすると、見た目は幸せを感じられるのでいいのですが…甘すぎました。
残ったカラメルは料理に使っています。味に深みが出る気がします。
実はプリンを2回失敗しています。なんで失敗したか私にはわからなかったので、お菓子の先生をしている母に工程の写真を送ってみました。写真を見ただけで失敗の原因を教えてくれます。
全部当たっていたので、よく当たる占いみたいでした。プロってすごい!「とりあえず分量通りに、レシピ通りに一度作ってみなよ」とアドバイスされました。「分量通りだよ!」と返すと「お菓子は分量通りちゃんと計らないと失敗するよ」。
その言葉を聞いて私は自白します「ほぼ…分量通り、ほぼ…レシピ通りです…」私の失敗は抑えられなかったオリジナリティ(雑さ)が原因でした。
「やる前からプリンのカラメルは市販のが適量ってわかってただろう」と夫に言われていました。
私はわかりませんでした。なぜなら私はこれまでの人生ずっと「よく考えればわかるだろう!」と言われて怒られ続けてきたクチで、今回も自分でやらなければわからなかったと思います。好奇心が旺盛なんです。
告知です
8月3〜4日に行われるMaker Faire Tokyoに以前作った、腕の中で跳ねるはまちぐるみを持っていきます。
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