年末とくべつ企画 2023年12月31日

分からないものを見て戸惑いたい ~ 2023年 編集部林のおすすめ~

デイリーポータルZに2023年に掲載された記事から、林の印象に残った記事10本です。

知らないもの、意外なものを見せられて戸惑っている記事が多くなりました。

ぜいたくな戸惑い体験をしましょう!

 

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:この記事のここを読んでほしい! ~2023年 編集部古賀のおすすめ~

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推し手は林、合いの手は編集部の古賀さん、安藤さんです。

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無声映画のコメディのような動き

ポイント:
「観測」というクリーンなイメージを覆すダイナミックさ
無声映画時代のコメディみたい

林:
この記事で派手なのは動画です。
観測ってクリーンに機械からヒューってあげてるのかと思ったら、めちゃめちゃフィジカルで大変だった。

001.jpg
強風

 安藤:
ボヨンボヨンですよね。
古賀:
これ最高だよ。
林:
バスター・キートンとか、それくらいの時代の喜劇。

風船と一緒に飛んでいきそう

安藤:
これ特別風が強かったってことじゃないですか。
古賀:
そう。特別風強かったんですよね。
林:
この人飛んできそうなんですよね。(笑)
安藤:
こんな日でも毎日飛ばしてるってことですよね。
林:
これは本当に面白かったな。こんな力強いことやってんだと思って。

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21年の歴史で初、自作の歌で終わる記事

ポイント:
オリジナルの応援歌で終わる記事
パッション溢れすぎ

林:
この記事のポイントは最後が歌で終わるんですよ。応援歌で。
最初の原稿だとわりと真面目な締めが来たんですよ。でも、もうちょいパッション出してもいいんじゃないですかってやりとりをしていた。
古賀:
大好きだから。
林:
もうちょいないですかねって言ったら、応援歌を入れましたって連絡が来た。いやいや、おかしいでしょ。

応援歌の一部から

しかもクオリティが高いのがおかしいんですよね。自分でコーラス入れてるし、ビーチボーイズみたいなことやってるんですよね。
安藤:
これ2曲目でしょ。1曲目もありますよね。どんどんどんみたいな。
林:
そう、記事が歌でおわるのは衝撃でした。そんなパッションはあるんだ。
やっぱり、こういう予想を上回る原稿が来るのは編集職の醍醐味ですね。仕事やっててよかったって思います。みんなこの歌、聴いてほしい。

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話し言葉の魅力

好きなところ
語り口をそのまま書いてある文章

林:
会話がそのまま書いてある文章が好きすぎて。こういうのだけで弱いんですよ。

――でも中は結構綺麗で新しいですね。

それはもう、台風の時にべろーんってめくれて壁もべろーんってなったし。関空の大変だった時(2018年)の台風でね。畳もダメになって替えたし、ガラスも補強したけどちょっと割れたし。

――そうなんですね。大阪へはいつ頃いらっしゃったんですか?

18歳になってから。昭和45年。仕事しに、でも東京には行きたくねえなと思って、兄貴も大阪にいたからね。大阪来た時がちょうど万博。並ぶの嫌いだったからガーナ館とかしか見なかったけど。昭和45年はね、会社入るのに面接もないし、試験もなかったよ。

林:
べろーんとか倒置法とか。こういうのが、ただ単に僕が弱いだけですね。
古賀:
これすごい上手だと思うんですよね。
林:
こういう文章をきちんと読める形で書くのって難しいですよね。雰囲気残しつつ、語尾を整えたり句読点を入れたり。
古賀:
相当上手に書いてる。
林:
「オレ」も「俺」か「おれ」にするかで雰囲気違うから、そういうところをすごい気を使ってる。
古賀:
ただの素起こしじゃないですよ。全然、もうめちゃくちゃやってると思う。
林:
あと、並ぶの嫌いだったから、ガーナ館とかしか行かなかったけどっていうのが、実はすごい貴重な情報なんじゃないかなと思って、万博でガーナ館人気なかったんだなーっていう、当時のディテールがわかるのって、すごくいい記録です。
これとあと、ブスの店もやっぱり、語り口がすごくいいな。
こういうの好きで買っちゃうんですよ、本も。
最近ね、星の本買ったんですけど、農家があの星が出てきたらこういうことやるんだっていう、そういう星の意味を書いた本なんですけど。それも全部こういう語り口で書いてあって、星座よりそこがいい。

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全員ノーストレスな幸せ記事

ポイント:
・楽しいだけ
・買って食べている
・作り手も読みてもノーストレス
・これでいいの?

林:
これがすごい受けました。これ買って食べてるだけなんですね。
安藤:
そうですね。
林:
取材許可も取ってるから、堂々と買って食べてるだけ。
古賀:
そう。最高
林:
ストレスがない。
古賀:
はいはいはい。
林:
読むほうとしても、この人が蛇に噛まれたらどうしようというストレスもない。
こうやって、人生楽しんでいいし、それが記事になるんだ!と改めて思ったかな。
安藤:
食べてたら、ほかお客さんに何か言われてませんでしたっけ?
古賀:
ちょっとくれよとかね。
林:
通りすがりのおばさんが「どれも美味しいですよ…」って耳打ちしたんです
安藤:
ああいうのいいなぁと思って。

林:
むかしの記事で、僕と大北くんが北野武さんに会ったのがあるじゃないですか。最後に僕らが怒られるんじゃないかと思うと怖くて読めない、という話を最近聞きまして。
古賀:
へぇー!
林:
人がひどい目にあってるのを見るのも嫌、少し分かる。
古賀:
嫌なんだよね。
林:
芋ようかん記事にはそれもない。
古賀:
なんかアクシデントがあるんじゃないかなって、
林:
少しも思わせないってことですよね。そういうのもサービスなんだという記事でした。
おれはこれからもこういう幸せ記事を続けたいなと。

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