柴犬って茶色なのだが、うちの柴犬・ももを見ていたら、その茶色具合が、パンに見えて仕方がなくなり、
「柴パン」を作ったことがあった。
また、その茶色具合が、大根おろしに見えて仕方がなくなり、
「柴犬おろし」を作ったこともあった。
と、愛犬が食べ物に見えてしまうのは、サイコパス飼い主の悪いクセだが、
またガン見していたら、今度はその茶色具合から、柴犬が
ギョウザに見えて仕方がなくなってしまった。我らのヘブン「王将」でも見慣れたこのビジョン、
なんとも茶色くこんがりと。あまりにおいしそうゆえ、我ら「歩兵」(※「王将」愛好家を意味する造語)にとっては、
柴犬がギョウザに見えてしまうのは、やむをえないだろう。
もしこのこんがり茶色を駆使して、柴犬のギョウザを作れたら、かなりWIN‐WINになれるはず。誰と誰がWINかはさておき、さっそく作ってみたいと思う。
「あらやだ、おいしそうねぇ~」
まずはギョウザのアンを作るわけだが、
普通ギョウザを作る際は、手のひらに載るくらいのサイズが妥当である。
ただ今回は、柴犬的な柴ギョウザを作るので、ギョウザらしからぬ驚異的ボリュームになることは、覚悟せねばならない。
そもそもちゃんと火が通るのかどうか、はあとで困ることとしよう。
では、キャベツ、白菜、ニラ、ニンニクなんかを、大量かつ凄惨にみじん斬りしたら、
ここから柴犬的に形づくるには、アンがちゃんとつながらねばならないので、強度を求め、片栗粉を多めに投入。
入れすぎて、片栗粉の味しかしないのでは、と思えてきたが、気にしない気にしない。
アンができたところで、これをギョウザにトランスフォームさせるために
よし、なんか奇妙な個体ができた。では、ギョウザってまずは焼くので、
底だけ。もっと表面をこんがり焼きたい。
そこで全身を紅蓮の炎で焼き尽くすべく、普段はパンとかを焼く
トースターに投入! が、ギョウザらしからぬ縦横感ゆえに、
「あらやだ、おいしそうねぇ~」
いまいち焼けなかったので、
チャッカマン着火! 根性焼きの要領でこまごま焼き進めていく。
なんかブッツブツに焦げてきたが、見て見ぬフリ。で、そこそこ、茶色めいてきたら、あとはギョウザとしての最終段階、
蒸してびちゃびちゃになることで、ギョウザであることを再確認。
隠し味としてショウ油もぶっかけておくね。そういや柴犬って、目や鼻は黒いので、穴を開けたところから材料である。
焦げたニラを、ブラックぺアン並みに垣間見せることで、具現化や。ってことで! これにて誕生してしまった「柴ギョウザ」が、これだ!!
こんな柴犬はイヤだ。とりあえずギョウザには見えない。ちょっとした世界遺跡のよう。実際のギョウザと比べてみても、
比がパない。同じ種族とは思えない。そもそもコレ、ギョウザ10個分はあると思われる。まずい。
すでにギョウザのラスボスのような存在感が醸し出されるなか、
まじゾッコン。この犬、食欲のみ。
ではこの「柴ギョウザ」一体どんな味なのか、ギョウザらしからぬ重量を感じながら、ハシですくい、実際にパックンチョしてみたところ…
!! これは確かに、ギョウザの味! そして野菜がシャキシャキしている!! …まぁそれは切り方によるだけ。柴犬なこととは関係ナッシング。
そして大量すぎるアンが、まるでチャーハンのようなアピール感をもって迫ってくるッ!
ちゃんと火も通っていて(よかった)、ギョウザなのにギョウザの次元を超えた食べごたえにッ(だってデカイから)!!
王将でコレ出てきたらマジ卍だけど、手製では十分許されるレベルと言ってよいだろうッ!!
「あらやだ、おいしそうねぇ~」
そんな「柴ギョウザ」、みなゾッコンなほどギョウザとしては十分な味わいで、なにより満腹になれるので、みなさんも適宜参考にしつつ、
「歩兵」から「王将」をめざしていただけたら幸いです。ではおなか一杯になったところで、これにておやすみなさい…。
はい、以上いかがでしたでしょうか今週の「ていうか王将行きたい」。みなさんも王将行きましょう。よろしくお願いします。
ちなみに、そんな柴犬ももと変なことをする連載を柴犬雑誌「Shi-Ba【シーバ】」で始めるので、よかったらぜひ。