初対面の人を集めてボードゲームをやってみよう
大人になってから人と仲良くなる方法って少なくないですか?方法はいくつかあると思うけれど、大人になるとたいてい「飲み会」がほとんどだと思う。
子供の頃は仲良くなれる選択肢が無数にあったのに、大人になってから少なくなるのは悲しい。その選択肢を一つでも増やしたいと思って、今回は「ボードゲーム」に焦点を当てて見ることにした。
ボードゲームで「合コンが盛り上がる」という話しであれば、イコール「初対面の人でも仲良くなれる」ということになると思う。
ということで、検証してみよう!
検証
この疑問を解決するためにも、今回は僕の薄い人脈をフルに使って、色々な人たち集まってもらった。
正直、僕の人脈では人集めるのにめちゃくちゃ苦労して、何度も心折れました。この企画何回も辞めようと思いました。そして当日ドタキャンが2人も出て泣きそうになりました。
窪田 望 (社長)
株式会社クリエイターズネクスト代表。残業を世の中からなくすためのサービス「KOBIT」などを手がける。
ドタキャンした人がいたため、急遽当日に参加してもらったうちの1人。
Twitter: @nozomu
おつね (大学生/モデル)
日本大学芸術学部に通いながらモデル業もこなしている。ゲイであることを表明し、今年のミス日芸に出場し話題になった。
現在は、すこやか健康クラブというアイドルグループにも所属している。
以前に僕が書いた「原宿で奇抜な服装の人に地味な質問をしてみた」という企画のときにインタビューした縁があり、今回もお願いした。
Twitter:@oooooh_tsune
四條美紗子(シンガーソングライター)
Labガールズというグループで活動しながら、脱出ゲームの司会などもやりつつ、映像関係の仕事もこなすマルチな才能の持ち主。
ドタキャンした人がいたため、急遽当日に参加してもらった。
Twitter:@misaSLT
宮城マリオ (プロエアギタリスト)
日本エアギター協会幹事。エアギターや俳優をしているおじさん。変わった自作曲も公開している。
デイリーポータルZの編集長である林さんに「おもしろいおじさんを紹介してください」と言ったら、宮城さんを紹介してくれた。おもしろいおじさんだった。
Twitter:@icecreamdaisuki
ドタキャン者が二人も出てしまったので、窪田さんと四條には当日急遽来てもらった。いやはや本当にありがたいことである。ドタキャン連絡が2人来た時は、冗談でなく本当に胃が痛くなった。(完全に僕の調整力不足です)
今回は細かいルールは特に無いが、以下のルールだけ基本的に守ってもらうことにした。
今回取り決めたルール
なぜこのようなルールを設けたかというと、職業や年齢がわかってしまうと、変に気遣いや遠慮といったものがでてくると思ったからである。今回はあくまで、「ボードゲームで仲良くなれるのか?」ということを主旨にしたいため、企画がブレないように、あえてこういったルールを取ることにした。
今回、場所をお借りしたのは神保町にあるアソビcafe
中は普通のカフェのようだが無数のボードゲームが置いてある。
なお今回、僕はゲームには参加しない。ひたすら写真を撮ることに専念した。正直言うとめちゃくちゃ参加したかったけど、僕は全員初対面じゃないので参加できなかった。
今だけ記憶なくしたいとこれほど思ったことはない。強めのウォッカ飲んで記憶なくそうかめちゃくちゃ迷った。
ボードゲームカフェに初対面で集まってもらった
冒頭でも伝えたように、参加してもらった人は完全に初対面だ。さらにルールとして「職業や年齢を聞いてはいけない」というものを設けている。そのため会話の取っ掛かりがなく、「何を話したらいいんだろう」と全員の顔に書いてあった。非常に気まずい。
お通夜のような雰囲気…本当に仲良くなれるのだろうか…
黒い服が多いから本当にお通夜のように見える。
今回の企画は本当に行き当たりばったりなので、仲良くなれるのかどうか本当にわからない。
というか、結果として「仲良くなれませんでした!」でも僕は構わないと思っている。そういう実験だから、それはそれでおもしろい結果なのである。
アソビcafeのオーナーのだてさん
今日やるボードゲームはこの中から参加者が自由に選ぶ。
アソビcafeのオーナーである、だてさんに先に今日「仲良くなれそうなゲーム」を先にチョイスしてもらっておいた。
ほとんど知らないゲームだ。外国のものも多そうで、箱を見ただけだと、どんなルールなのか想像すらつかない。
その場しのぎの会話しか口から出てこない。職業や年齢を質問できないから会話に困るのは当たり前だ。しかし、それにしても気まずい。
この絶妙な綱渡りのような会話しかせず、全員がただただ時をすぎるのをまっていた。僕は帰りたくなってきた。
簡単なゲームから始めよう!「DOBBLE(ドブル)」をやってみる
アソビcaféでは知らないゲームでも、はじめにオーナーのだてさんがルールを説明してくれる。
参加者のほぼ全員がボードゲーム初心者だったため、まずどのゲームをやっても良いのかもわからなかった。なので、まずはオーナーのだてさんに選んでもらうことにした。
初めはルールも単純な「DOBBLE(ドブル)」というゲームをやることになった。
写真のような8種類の絵が描かれた丸いカードを使用する
DOBBLEの簡単なルール説明。
相手より同じ絵柄を速く見つけるゲーム。トランプの「スピード」というゲームに近いかもしれない。
ゲームが始まるとみんな急に真剣になる。
頭を使わないゲームなので初対面でもけっこう盛り上がれるかも。
このDBBLEというゲームは、なぜか圧倒的にエアギタリストの宮城さんが強かった。エアギタリストは反射神経が良いのだろうか?
一位になって、はしゃぐ宮城さん。
しかし、まだ全員が全員盛り上がっているというわけではなく、ぎこちなさは消えない。現に宮城さんが喜んでいる横で、モデルのおつねさんはまだ静観しているような感じだった。
まだ空気に慣れていないのか静かなおつねさん。
DOBBLEは一戦やってみて、最初にふさわしいゲームだと思った。言葉がほとんどいらないし、ルールも単純なので誰でもできる。初対面には良いゲームだった。
まだ1ゲーム目なのでまだ気まずい感じは否めないが、ほんの少し打ち解けているような気がする。まあ、みんな大人なので、企画の主旨に合わせてコメントしてくれているだけの可能性もあるが。
ペンギンの絵が可愛いゲーム!7ならべのようなゲーム「ペンギンパーティー」
ペンギンの絵が可愛いカードゲーム。
次はペンギンパーティーという絵柄が可愛いカードゲーム。同じ絵柄のカードをピラミッド型に並べていく。7ならべのようなゲームだと考えるとわかりやすいかもしれない。
絵柄は可愛いが内容は、ペンギンが生きるか死ぬかをかけたゲームとなっていてギャップがすごい。
ペンギンパーティーのルールその1
ペンギンパーティーのルールその2
手持ちの手札を1枚ずつだしていき、ピラミッド型にカードを並べていく。カードが出せなくなった人から負けになっていくルールだ。
このゲームの難しいところは同じ色でないと、カードを次の段にのせることができないということ。なので、他の人が何のカードを出すかが非常に大事になってくるゲームだ。
いかに自分のカードを減らして、相手にカードを出させないようにするかがポイントとなる。
頭を使うゲームなので、より真剣になる。
さっきのゲームとは打って変わって、心理的な駆け引きなどが非常に重要になってくるので、自然と会話も増える。
色の種類が少ないと、あとで出せるカードが必然的に少なくなる。なので、後々厳しい展開になる。
平和大好き!!
ゲームが終わってからも、「あの場面は〇〇だった」「あそこでこのカードを出していれば!」など振り返って盛り上がっていた。
1ゲーム目のDOBBLEより、会話も多くさきほどよりも断然盛り上がっていた。「ボードゲームは仲良くなれるんじゃないか?」ということを僕も思い始めていた。
軽い冗談を言い合う感じになってきて、ますます良い雰囲気だ。
なんとなくそれぞれの性格もわかるようになってきた。職業や年齢を聞いていないので、純粋な内面が先に見てくるような気がする。
四條(シンガー)
テンション高い。ムードメーカー。
窪田(社長)
コミュニケーション能力が高い。
おつね(モデル)
たまに毒づいておもしろい。
宮城(エアギター)
よくわからないおじさん。
カイジの世界にありそうなゲーム「ハゲタカのえじき」
ハゲタカのえじき
次は「ハゲタカのえじき」というゲームをやることになった。このゲームは運と読みとハッタリ、そして度胸が大切。人気漫画のカイジに出てきそうなカードゲームだ。ざわざわ…
ハゲタカのえじきのルール
ハゲタカのえじきのおもしろいポイント!
先ほどのペンギンパーティーよりも、さらに相手との駆け引きが大事になってくるこのゲーム。ただルールはシンプルで、「相手より大きい数字を出せば勝ち」というものなのでわかりやすい。
その分、いかに自分の手札を工夫して「いつ強いカードを出すか」という駆け引きが重要になってくる。
新しいゲームの説明聞くだけでもおもしろい
自然に笑顔が出てくるようになってきた。
一斉にカードを開いたときに「あー!嘘ついてる!!」「そっちのカードだすのか~」と大盛り上がり。
3ゲーム目になると、会話もかなり弾むようになってきて、前から友達だったような気さえしてくるほどだ。
完全に相手をおちょくる四条さん。
このゲームも終了してみれば、宮城さんの圧勝だった。エアギタリスト強し。もしかして本業はギャンブラーとかなのだろうか。
なぜか圧勝しまくって貫禄すらある宮城さん。
想像性と記憶力のゲーム「ナンジャモンジャ」
最後に行うのは「ナンジャモンジャ」というゲーム。このゲームは記憶力と発想の勝負になる。
かわいい絵柄の12種類のキャラクターには名前がない。このキャラクター達に好きな名前をつけていくのがこのゲームの醍醐味となる。
ナンジャモンジャのルール
独特なかわいい絵が描かれたカードゲーム。
名前がついてないキャラクラーにそれぞれ好きな名前をつけていくのだが、名前はカードを引いた人が自由につけて良い。カードに描かれたキャラクラーの特徴を見て名前をつけても良いし、まったく関係ない名前にしても良い。
毛が特徴的な赤いキャラクラー。
緑色の足の長い豆のようなキャラクター。
子供らしきキャラクターを抱っこしている青いキャラクター。
ナンジャモンジャが楽しすぎて、笑い転げる四條さん。
12種類のキャラクターに名前をつけるの作業が笑えるし、キャラクターの名前を思い出すのもおもしろい。「あー!あのこいつは都営三田線だったか!」とか、確実にあの場所でしか二度と使わないセリフだ。
「こいつの名前なんだっけ?えーと…」と全員で白熱する。
ナンジャモンジャは、ルールが本当に単純で子供でも楽しめるゲームだと思った。単純なだけでなく、「名前を決める」という個々の性格と、創造性もでてくるので、誰でもはまれるゲームだと思う。
正直、このカードを買おうかめちゃくちゃ悩むレベルに楽しそうだった。
社長の窪田さんがこのゲームの勝者となった。本人もこのゲームは相当気に入ったようだった。
ゲームよりもさらに盛り上がる最後の自己紹介
今日やったゲーム一覧
約2時間で4つのゲームをやった。最初にお通夜みたいだった雰囲気がウソのように今は雰囲気が良い。
冒頭で言ったように、今回は事前に「職業」や「年齢」を全員把握していないということだ。2時間も素性も知らない人と遊んでいたって考えると、今思うとすごいな。
今日のルールのおさらい。
最後にネタバレしているみたいでおもしろい!!
おつねさんが後輩だとわかった瞬間に、「語学は落としちゃだめですよ」と宮城さんがアドバイスしていた。
話せば話すほど共通点がでてくる
最後に自己紹介するやり方はめちゃくちゃ盛り上がった。「え?この人こんな人だったの?」と今更ながらわかって、答え合わせをしているようでおもしろい。
そして、もう仲良くなっている状態で自己紹介を行うので、確実に盛り上がる。これ普通にやるより数倍仲良くなれるかもしれない。
全員の意見は誇張でもなんでもなく、本当に満場一致で「良かった」ということだった。この日は本当に全員が楽しんでくれていてよかった。
ゲームが終わったあとも1時間くらいお店に残ってずっとしゃべっていた。「このメンバーで何か企画してやりましょう!」と誰かが言ってくれたのが、すごく印象的で、今日集まってよかったと本当に思った。
仲良くなったのでさっそくSNSや連絡先の交換をしていた。
ということで、「ボードゲームは初対面の人でも仲良くなれるの?」という問に対する答えは以下のようになる。
やる人にもよると思うが、本当に仲良くなれると思う
楽しんでもらえて本当によかった。
今回集めた人たちが仲良くできてよかった。実際そこが一番怖かった。「集めまってもらって、参加者がつまらない思いしたらどうしよう」と考えて、正直ずっと胃が重かった。
この日はずっと写真撮っていたので僕もゲームにものすごく参加したかった。たしかに見ているだけでも楽しかったけど、疎外感がすごかった。
というか記事書いていて気づいたのだけど、自分がちゃんと写っている写真が一枚もない。思い出が自分だけないみたいで余計に悲しい。