ホワイトボード専用の書道セット
あまり知られてないメーカー、という書き出しをしておきながらアレだが、まずは馬印のブースにやって来た。
ホワイトボード業界の雄、馬印。
馬印といえば業界的には「ホワイトボード・黒板といえば!あの馬印!」というぐらいのメジャーカンパニーであり、今年で創業120年という老舗である。
が、そもそも業界自体が非常に地味であり、やっぱり一般的には「あまり知られてないメーカー」ということになるだろう。辛い。
今回、馬印ブースで展示されていたのが、ホワイトボードに書く専用の書道セット、『筆タッチ』だ。今年の日本文具大賞機能部門を受賞している。
何の違和感もなく、ホワイトボードに筆文字が書ける。
これ、まさに説明通りの書道セットで、特殊な墨インクを使ってホワイトボードに筆書きができるのだ。このインクは粘性があるため、立ててあるホワイトボードに書いてもさほどボタ落ちしない。
書いたインクは20秒ほどで皮膜状に乾き、普通にホワイトボード用イレーサーで拭くと、スルッときれいに剥がれてくれる。
拭くとこのとおりスルッと。ただ、イレーサー自体はインクの皮膜でけっこう汚れる。
用途としては、ホテルや旅館、催事場などの案内看板に使うか、書道教室で先生が見本を書くのに使う、という感じだろうか。
ニッチ過ぎだろうとは思わなくもないが、でも、欲しい人にとっては「これ待ってた!」レベルの製品だと思う。
個人情報守りすぎの小型ツール
雑貨輸入のSANKI PIONEERが香港のメーカーと組んで展開している文房具ブランド、INOZTOのブースでは、超小型の電動シュレッダーが展示されていた。
ステープラやパンチが主力商品のINOZTO。
で、どれぐらい小さいかというと、こんな感じのハンディサイズ。
紙が入る入らないとかそういうレベルじゃなくて、そもそも小さい。
これでどう紙を細かく刻むのかというと、下にあるスリットに紙を当てがって、削るようにカットしていくのだ。
じわじわと削れていく。ぶっちゃけ、けっこう面倒くさい。
用途としては、レシートや、DMなど個人情報の入った郵便物を確認したらその場ですぐ刻んで捨てる、みたいな使い方になるだろう。(スイッチ切り替えで電動レターオープナーとしても使える)
というか、それ以上大きい紙をこのシュレッダーにかけるのは面倒すぎる。というか、ハガキサイズでも何往復かしないと刻めないので、面倒だ。
はい、個人情報保護スタンプー!
そんな時は、本体先端の透明カバーを開くと、宛名部分などに捺して読めなくする情報保護スタンプを使おう。シュレッダーにかけなくても、これ捺して捨てちゃえば面倒じゃない。
もしくは、このスタンプで文字を読めなくしてからシュレッダーにかけるとセキュリティとしてはかなり安全度が高くなるだろう。
これ一個で個人情報守り放題である。
書類の出し入れ時間1/3に!便利ファイル
板バネなど精密プレス加工をやっているキョーワハーツという会社が、自社で開発した「書類の出し入れが超カンタン」な2穴ファイルシステム『NOUQUE』を展示していた。
「業務効率が約5倍!」と景気の良い展示パネル。こういうの大好きだ。
例えば、普通の2穴システムで綴じた書類をファイルから抜き取る場合、まず抜き取りたいページまで移動してからリングを開くか、固定ピンのカバーを外してから書類を取り出す、という流れになるだろう。
対して NOUQUEは、レバーを引くだけ。
これが書類が綴じられた状態。
レバーを引くと、固定ピンが90度回転して書類が抜けるように。
NOUQUEシステムの穴はスリットがついており、固定ピンが横向きの時は抜き取れないが、縦になるとピンがスリットをすり抜けられるようになるのだ。
これなら、束のどこからでも書類が抜き取れるし、綴じるのも簡単だ。なるほど、これは確かに効率的で便利だ。
ちなみにこの特殊な穴は、専用パンチでガチャンと開けられる。
見た目は普通の2穴パンチ。
特殊なスリット付きの穴が開く。いかにも専用ツールでかっこいい。
また、パンチで穴が開けられない冊子類やクリアホルダーには、最初から穴が開いているアシストプレートを両面テープで貼り付ければ、書類と同様に綴じられる。
なにより、精密加工メーカーの仕事だけあって、レバーを引いて固定ピンがガチャンと回転する手応えがメカニカルかつガッチリしていて、とてもいい。これをガチャンガチャン動かして遊んでるだけで気持ち良くて、作業時間をロスしそうな気もする。
つまみやすいテープカッター
保冷剤付き弁当箱などを作っている三好製作所は、テープの端を折り返してくれるテープカッター『くるっとロール』を展示していた。
折り返したテープがぶら下がってるブース。かわいい。
テープを引っ張り出して切ると、自動で次に出てくるテープの端を折り返してくれるというもの。
お店で買い物をすると、店員さんが袋の合わせを“剥がしやすいように端を折ったテープ”で貼ってくれるが、あれを自動的に作ってくれるのだ。
テープカッターとしてはちょっとゴツめサイズ。
実はテープの端を自動で折り返してくれる機能というのはわりとみんな思いつくようで、すでに幾つかのメーカーから同様品が発売されている。
ただ、既成の折り返しテープカッターはほとんどがカッター部にバネが入っていて、テープを切る時にかかる力を使ってパチンと端を折り返す仕組みになっている。
で、モノによっては、カッターに力が伝わらず上手く折り返せない場合があったり、バネがが強すぎて、指をカッターにひっかかれることもあった。
テープを引くと、カッターが降りる。
テープを切ると、ガシャンと戻ってテープが折り返される。
対してこの『くるっとロール』は折り返し機構に磁石を使っている。テープを引くとカッターが下に降りて、テープを切ると磁力で元の位置に戻ってテープの端を折り返す、という流れだ。
ずっとぼんやり見ていられる系のgif動画。
この磁力のバランスがすごく絶妙にできていて、何度試してもまず失敗ゼロで確実にテープ端を折り返してくれる。「おー、良く出来てるなぁ」と感心させられるのだ。
クレジットカード専用クリアファイル
一昨年に「
製本できるクリアファイル」を出していた東日スクリーンプロセスは、今年の新製品としてクレジットカードやプリペイドカード専用のクリアファイル『カードメイト』を出展。
なぜか青空推しの東日スクリーンプロセスブース。
財布にもスッと入るカード専用クリアホルダー。
まず便利なのが、財布の中で目当てのカードを一発で取り出せること。
『カードメイト』は3枚1セットになっており、タブが左・中央・右についている。財布のなかで日常的にメインで使うようなカードはせいぜい銀行カード・クレカ・プリペイド系カードの2、3枚ぐらいなので、「真ん中タブはクレカで」というように割り当てておけば、ぎっちりカードが詰まったポケットからでも取り出す事ができる。
迷わず目当てのカードがヒョイと。
しかし、それだけだと単にカードにタブがついただけである。
『カードメイト』の本当の便利さは、クリアホルダー機能にある。これが個人的に「おー、これこれ。これですわー」とその場で膝を打つぐらい良かったのだ。
タブをつまんでカードを取り出すと、こんな感じ。
カードと一緒にレシートなどを挟んでおけるのだ。
例えばプリペイドカードで買い物をしたレシートを、現金で買い物したレシートと混在させてしまうと、あとで計算をする時にちょっと面倒くさい。
そういう場合、カードとレシートを一緒にして保管できると混乱が少なくてとてもいい。
また、会員証で買い物をするとレシートと一緒にポイントが付いてくるようなお店もあるが、そういうのも他のレシートに混ざらず管理できるし、なにより次に会員証で買い物する時にポイントの使いそびれもない。
これでもう割引チケットの使い忘れも無いぞ!
ぶっちゃけて言うと、世界堂(都内を中心にした文房具チェーン店。買い物の額に応じて次に使える割引券が出る)チケットを使い忘れない、ということなのだ。
これだけで、首都圏の文房具好きは全員『カードメイト』を使う価値があるはずだ。
あと、ユザワヤのお買い得クーポンを会員証に挟んだりとか。便利だ。
さて、いよいよ次回はISOTレポート最終日。
最後は、大事な予定を絶対に忘れないカレンダーなど紙製品を中心に、モロモロと面白かったものを紹介します。
さらに、今回のレポートではとても紹介しきれなかった最新文房具の数々を、スライドショー&トークで紹介するイベント『
シナガワ・ブングジャム#10』が、8月27日(土)のお昼に開催します。(要予約)
毎年予約があっという間に埋まっちゃうので、今回はちょっと大きめな会場(品川のコクヨ本社ホール)を借りてみました。ぜひお越しください。レポートで紹介した最新文房具のお土産も大量にもらえます。