ピーキーな紙製品メーカー、カミテリア
毎年、立体になる伝言メモや紙見本のようなメモ帳などといった“特殊紙製品”を勢いよく発売してくるメーカー、カミテリアのブースでは、今年も面白い新製品が大量に出展されていた。
年々注目を集め出しているカミテリアブース。
ここ数年でブースを訪れるお客さんが増えたなーと感じていたのだが、今年は一段と注目を集めていたように感じた。
あざといほどにかわいい『むすびん』動物シリーズ。
一昨年に発売した、帯状の一筆箋を結ぶことでかわいい小鳥に変身する『むすびん』は、猫やハリネズミ、ラッコといったかわいい動物たちを発表。
なんというか、もう、ズルいや!と言いたくなるような、卑怯なまでのかわいさである。
サッカー、野球、ラグビー、バレーボール、体操の伝言メモ。
また、カミテリアを代表する、丸めて立体になる伝言メモ『Ku.ru.ru』は、スポーツシリーズが登場した。
今年はオリンピックイヤーということで、こういうのも注目されそうだ。
激しいスポーツアクションを丸めて再現。
遠近感のある投手と打者の対決シーン。
反対側からは「プレッシャーがすごすぎて投手が巨大に見える」的なシーンにも。
いろいろと面白い新製品が紹介されている中で、とくに注目を浴びていたのが「物理的にスケジュール管理できるタスクリスト」だ。
これまでにないタスクリスト『Shuritto』。
これ、いくつものスリットが空いた紙と、半透明のグラシン紙を重ねて貼り合わせたもの。
使い方としては、今日やるタスクやお買い物リストの予定を一つずつスリット部分に記入。
本日の予定、まずカミテリアの取材完了!
で、書き込んだ予定を消化したら、リストにペン先をズブッと挿し込んで…
バリバリバリッ!
うおー、気持ちいい!
そのままペン先をスライドさせて、グラシン紙部分をバリバリバリバリと引き裂く!
終わった予定はこのとおり破いてしまえば、「タスクはこなしたのにチェックし忘れ・消し忘れ」というミスは出ないだろう。
なによりバリバリ破るのが気持ちいい。破りたいがために、積極的にタスクをこなそう!という気持ちにもなれるのではないか。
最小コンパクトな1本ペン立て
CONFETTiというメーカーでは、ペンを1本立てるだけの小さなペン立て『ペンコッコ』を紹介していた。
商品が小さいので、ブースもコンパクト。
シリコンゴム製のドーナツのような見た目だが、このドーナツの穴にペンの先端がスポッと気持ち良くはまるようになっている。
ドーナツ自体は粘着剤でデスクトップのどこでも貼り付けられるので、ペン1本だけを気軽に立たせておけるという仕組み。
太軸でも細軸でも、だいたいのペンは挿しておける。
いつも使う愛用のペンを、毎回毎回ペン立てから探して引っ張り出すのは面倒くさい。
『ペンコッコ』に挿しておけば、簡単に取り出せて使いやすいのだ。1本挿しなので、「どのペンを使おうか」とか迷うこともなし。
これ、PC周りにひとつ、電話の横にひとつ置いておくと、いざメモを取る時などに手が迷うことなくものすごく便利だ。
ノートPCやスマホ用クリップ
ISOTでは、いくつも並んでいるブースを横目で眺めながら移動している最中に、フと「えっ、なにアレ?」とバックして戻ってくることがたまにある。
これ見てバックした。なにこれ。
名古屋のプラ射出成形品メーカー、ジェイ・セブンのブースで紹介されていたノートPC・スマホ用クリップ『sma・CLIP』が、なんというか、おかしかったのだ。
合成ゴム製のクリップで、PCやスマホの縁にくっつけて名刺などを立てられるクリップ…ということらしい。
あきらかに邪魔なようにも思うんだけど、どうなのこれ。
確かに、名刺を見ながらスマホで電話かけたりする時に、手が一本空いてラクなのかもしれないが、なんかちょっとそのためだけの装置としては大げさだし邪魔だな…と思わなくもない。
あと、モノにもよるだろうが、縁につけるとちょっと浮いてスカスカ動いてしまう。あまり安定はしないんじゃなかろうか。
梱包テープ・タフギア
ISOTには海外メーカーも多く出展しており、面白いものがちょくちょく掘り出せる。
なので、海外エリアはどうしても見逃せない。
例えば、韓国エリアのTENDO社ブースはこんな感じ。
なんか気になるのが転がってる。
これ、段ボール箱などを封する梱包テープ専用のテープカッター『TENDO』だそうだ。
なんか日本で使われているものよりタフギアっぽくて、かっこいい。
紙筒の中にグリップまでついてる。これすごい持ちやすい。
このカッターは手でがっつりホールドしやすいのでテープを引きやすく、さらにカッター刃がナナメになっているなどの工夫があるため、手首や肘に負担をかけることなく箱にテープを切り貼りできる。
これ、日本で発売されたら買うわー。
実際に使ってみると、確かにかなりラクだ。特にテープを切るのに無駄な力を使っていないのがはっきり自覚できる。
梱包は、貼って切って…と同じ作業の繰り返しになりがちなので、ここで無駄に疲れないのは素晴らしい。
ライブ・テーピング実演中
小さいメーカーはいろいろと見せ方に工夫をこらしている。
ハンディ・クラウンという会社のブースでは、自社のマスキングテープ専用テープカッター『マウスキング』を使って、壁に絵を描いていた。
ライブペインティングならぬ、ライブテーピングである。
通路を通る人がだいたいチラチラ見ていく、テーピング作業。
現代アート感のあるテープ画。マステを重ねて貼ったところがノイズアートっぽくてかっこいい。
これ、右の女性(メーカーの人ではなく、マステで絵を描くアーティストだとのこと)が『マウスキング』を使って色とりどりのマステを壁に貼ることで絵を描いているのだ。
マスキングテープを貼る『マウスキング』。ダジャレだ。
『マウスキング』は、ネズミ型のテープカッター。
特に複雑な機構ではなく、単にネズミの口の先がヘラになっており、テープを引きながら同時にヘラで押さえて貼ることができるというもの。
こんな感じで、長い距離も失敗せずまっすぐ貼れる。
手だけでテープを長く伸ばして貼ると、ヨレたところから粘着面同士でくっついたり、端っこが浮いたりと何かとミスがある。
シンプルな仕組みながら、『マウスキング』を使うとミスなくスピーディに作業ができる。
最近は壁にマステを貼って雰囲気を変えるお手軽リフォームが人気だが、そういう用途ならかなり便利そうだ。
さて、こんな感じで今日から金曜日まで通して、最新文房具を紹介していく予定です。
文房具の進化をぜひ見てやってください。けっこうすごいことになってます。
明日は、食品ラップに絵が描けるペンや、祝儀袋・香典袋の進化版をレポートいたします。
逆に文房具の古い話ばかり書いた本を、先日出しました。
最新文房具に興味ない方は、こちらでいかがでしょうか。
日本懐かし文房具大全(辰巳出版)
定価1,200円+税