特集 2014年11月4日

絶品!だけど食べにくい!有明海の珍魚「ヒラ」

見た目も素敵ぃ!
見た目も素敵ぃ!
ヒラという魚がいる。西日本に広く分布するニシンの仲間で、特に有明海や瀬戸内海に多産する。

なんでも聞くところによるとこの魚、味は抜群に良いのに獲れてもやたら安く売られたり、そもそも有明・瀬戸内など特定の地域以外では市場に並ばなかったりと、随分ぞんざいな扱いを受けているらしい。

それもこれもひとえに「食べにくいから」だというのだが、それは一体どういうことなのか。
自分で釣って食べて確かめてみた。
1985年生まれ。生物を五感で楽しむことが生きがい。好きな芸能人は城島茂。

前の記事:ウシガエルはラーメンにしても美味い

> 個人サイト 平坂寛のフィールドノート

決して姿のままでは店頭に並ばない魚

いきなり身の上話になってしまい恐縮だが、僕の祖父母は佐賀県の有明海沿岸に暮らしていた。少年時代は遊びに行くたびに堤防から海を眺めていたものだが、干潟の泥のおかげで一年中どちゃ濁りなので、やや爽快感には欠けるなぁと子供ながらに思っていた。
有明海は一年中鉛色の濁った海。でも海の幸は豊富。そして独特。
有明海は一年中鉛色の濁った海。でも海の幸は豊富。そして独特。
佐賀県鹿島市では干潟で泥んこになる「ガタリンピック」なる催しも。
佐賀県鹿島市では干潟で泥んこになる「ガタリンピック」なる催しも。
だが、そこに暮らす生物はかなり異彩を放っており、好奇心をとても強く刺激してくれた。海水浴をしようという気にはならないが、干潟でカニや魚を捕まえるには最高の海なのだ。この有明海は(フォローのつもり)。
有明海の定番珍味、ワラスボ。
有明海の定番珍味、ワラスボ。
ちなみに、干潟でドロドロにならずとも有明海の珍生物に出会う方法がある。鮮魚店や道の駅の水産物売り場を覗くのだ。
ワケノシンノス(若者の尻の穴の意)ことイシワケイソギンチャクも地域によっては好んで食べられる。
ワケノシンノス(若者の尻の穴の意)ことイシワケイソギンチャクも地域によっては好んで食べられる。
メカジャことミドリシャミセンガイは味噌汁でどうぞ。
メカジャことミドリシャミセンガイは味噌汁でどうぞ。
ワラスボ、ムツゴロウの黒焼き、塩蔵クラゲ、イソギンチャク、シャミセンガイ…。他の土地ではなかなかお目に掛かれないさまざまな生物が食材としてならんでいる。
小魚系ではエツというカタクチイワシの仲間がおいしい。
小魚系ではエツというカタクチイワシの仲間がおいしい。
クラゲも特産品。中国への輸出も盛んだとか。
クラゲも特産品。中国への輸出も盛んだとか。
また、一口に有明海と言っても長崎側、佐賀側、福岡側、熊本側と地域によって獲れる生物も少しずつ異なっているので、各地を回って見比べるのもまた楽しい。
全国的に見るとないがしろにされることが多いが、有明海ではアカエイも市場や鮮魚店に並ぶ。
全国的に見るとないがしろにされることが多いが、有明海ではアカエイも市場や鮮魚店に並ぶ。
そして、魚のショーケースには、スズキやウシノシタ、メナダなどと一緒にこんな切り込みだらけの切り身が並んでいることがある。
有明海周辺の鮮魚店などでときおり見かけるこの「ヒラ」という魚の切り身。すでにおろされて骨切りまでされており、原形をとどめていない。
有明海周辺の鮮魚店などでときおり見かけるこの「ヒラ」という魚の切り身。すでにおろされて骨切りまでされており、原形をとどめていない。
いわゆる骨切りが施されて変わり果てた姿になっている光り物っぽい魚。これこそが冒頭でお話しした「ヒラ」なのだ。

幼いころからこの状態を何度か目にしてはいたのだが、いつも「なんでこの魚はこんなギッタギタに切り刻まれた状態で売られているんだろう?」と軽く疑問に思う程度でスルーしていた。魚種名すら覚えていなかった。ところがつい先日、まさにヒラ釣りの道中で立ち寄った水産物直売所で再会し「これ、ヒラだったのかよ!」と大いに驚かされた。

結構大きな切り身が二枚入って250円。直売所とは言えかなり安い。しかも三枚おろしと骨切りの手間賃込みでこれである。
なんでこんなに安いのさ…。

「味だけで言えば殿様にも献上できるような魚」

どこのお店に行っても、ヒラは並んでいればたいてい妙に安く、必ず骨切りされていた。
不思議に思い、ある鮮魚店の店主に詳しく訊ねてみると面白い話を聞くことができた。

「ヒラという魚は有明海で捕れる魚の中でも抜群に味が良く、その味だけについて言えば殿様に献上されてもおかしくないような代物。ただ、異様なまでに小骨が多く、やたら食べにくいので、残念ながら大衆的な安魚に甘んじている。今どきは骨切りも済ませた状態でなければ庶民も買っていってくれない」というのだ。

へー、そんなに食べにくいのか。でもやっぱり美味いんだな…。

さて、食欲を満たすだけなら、この場でこの切り身を買って帰れば事足りる。捌く手間も骨切りする面倒も無い。だが、せっかくなら生きている姿を見てみたいし、自分で下ごしらえもしてみたい。魚の代わりに飲み物を買い込み、店を後にした。
待ってろヒラ!自分で釣ってその顔を拝んでやるぜ!
待ってろヒラ!自分で釣ってその顔を拝んでやるぜ!
さらに鮮魚店や釣具屋さんを巡ってヒラが回遊してくるというポイントを聞き込んでいると、ある地名が何度も耳に入ってきた。

驚いたことになんと、そこはまさにかつて祖父母が住んでいた目と鼻の先、僕自身も何度も訪れていた海辺だったのだ。

ヒラ!お前あそこにいたのか!

地元の「ヒラ名人」に師事してゲット!

釣り場に着くなり地元のおじさん釣り師軍団と仲良くなり、レクチャーを受けることに。
釣り場に着くなり地元のおじさん釣り師軍団と仲良くなり、レクチャーを受けることに。
ネットでリサーチしたところ、ヒラは夜になると頻繁にルアーへ食いついてくるらしい。右も左もわからないが、とりあえず持参した適当なルアーを夜の漁港で投げていると、地元の釣り人グループに遭遇した。挨拶をし、県外からヒラを釣りにやって来た旨を話すと「物好きなやつのおるばい!」と驚きながら、なぜか皆妙に喜んでくれた。話を聞くと、地元民はあまりヒラを好んで釣ることはないようだ。なぜなら「料理のめんどくさかけん」

一団の中には「ヒラ名人」とあだ名される白髪の男性がいた。なんでも、特に狙っているわけでもないのに、彼が竿を伸ばすとやたらヒラが釣れてしまうのだそうだ。おかげで最近は骨切りまですっかり上達してしまったとか。…これは教えを乞うよりほかないでしょう。
おじさんたちは釣りの合間にアキアミを掬っていた。これがまた美味い!ヒラもこれを狙っているのかも。
おじさんたちは釣りの合間にアキアミを掬っていた。これがまた美味い!ヒラもこれを狙っているのかも。
…と鼻息を荒くしているのは僕だけで、名人たちは釣り竿をほったらかしてしきりに足元の海面をライトで照らしている。何をしているのかと眺めていると、いきなり目の細かいタモ網を海中に突っ込み、8の字を描くように海面をかき回しはじめた。

引き上げた網の中にはなんとたくさんのアキアミが入っている。ガラス細工のように透明でとても綺麗だ。

「食べてみんね。美味かけん」というお言葉に甘えて、網の中からまだ元気なアキアミを掴みだして頬張ってみると、なるほど確かに美味い。魚にとっても御馳走であるらしく、このアキアミが接岸している間はそれを食べる魚もたくさん漁港に入ってくるのだとか。
なんとなくアキアミっぽい透明で小さなルアーを選んで投げると…。
なんとなくアキアミっぽい透明で小さなルアーを選んで投げると…。
「本当はルアーじゃなくて生きたゴカイが一番よかとけど、今ならアミ(アキアミ)に似とるルアーがあれば効くかもしれんね」と名人からアドバイスをいただく。その通りにできるだけ小さく、透き通ったアキアミっぽいデザインのルアーを選んで投げてみるが、反応は無い。

ここでまた名人から「ちょうど今、沖の方に竹が流れとるやろ?あの辺に投げてみんね」とこれまた具体的な指導が入る。言われたとおりにルアーを投げこむと、いきなりガガガガッという激しい手応え!ちょっと名人、マジっすか!?
釣れた!初ヒラ!!
釣れた!初ヒラ!!
ボラでも引っかかったんじゃないか?と半信半疑でドキドキしながら手繰り寄せると、足元で写真や図鑑の挿絵でしか見たことのなかった魚が跳ねた。

「ヒラだ!」

やりましたよ名人!いや、これからは師匠と呼ばせていただきたく!

地味ながらも個性的で素敵な魚

これが念願のヒラ。なかなか綺麗な魚だ。釣りたてのうちは魚体が青や紫にギラギラと輝く。
これが念願のヒラ。なかなか綺麗な魚だ。釣りたてのうちは魚体が青や紫にギラギラと輝く。
ヒラという名前の通り、体つきはとても平べったい。ライトの光を反射して鱗は薄紫色に、眼は赤というか炭酸飲料のファイブミニみたいな色に輝いている。ヒレは黄色く、よくよく見るとなかなか綺麗な魚だ。
ライトを当てると、眼が赤く光る。複雑な口周りの構造もあいまって、正面から見るとあまり魚らしくない印象を受ける。かっこいい!
ライトを当てると、眼が赤く光る。複雑な口周りの構造もあいまって、正面から見るとあまり魚らしくない印象を受ける。かっこいい!
また、近縁であるニシンやサッパ(ママカリ)と同じく、口が前方へ飛び出す構造になっている。
口が前方へにょいーんと伸びる。
口が前方へにょいーんと伸びる。
ちなみに、この口元と釣り針に掛かった際によく飛び跳ねる習性が「ターポン」という大西洋の大魚にも似ているということで、最近は「有明ターポン」なんていう和製ロナウドか台湾のイチローみたいな呼び名で釣り人から親しまれているのだとか。

ヒラはヒラでとても個性的かつ十分に魅力的な魚なんだから、個人的には無理に他の魚の名前を押し付けることもないと思うのだが。
そういえばサケガシラという魚も同じような感じで口が伸びる。不思議なことに、臭いまでヒラによく似ていた。銀色で薄っぺらいところも似てるな。
そういえばサケガシラという魚も同じような感じで口が伸びる。不思議なことに、臭いまでヒラによく似ていた。銀色で薄っぺらいところも似てるな。
口が伸びると言えば、サケガシラという深海魚も同じように口が前方へ突き出す。そういえば、サケガシラもヒラみたいにギラギラでペラペラな魚だったな。そして、ヒラとサケガシラにはもうひとつ共通点がある。体表の粘液が生臭いのだ。しかもそっくりな臭い。魚なんだから臭いのは当然なのだが、文章では説明しづらいちょっと独特なフレイバーなのである。

ヒラを素手でつかむと、この生臭い粘液と一緒に鱗がポロポロ剥がれて手にまとわりついてくる。かなりお肌がデリケートなようです。

しかし、食べるにあたってこの臭いはちょっと心配だぞ…。
「ヒラ」という名の通り、魚体は体高に対してとても偏平。でも遊泳力は強い。
「ヒラ」という名の通り、魚体は体高に対してとても偏平。でも遊泳力は強い。
ちなみにこのヒラの大きさは30センチ足らず。これはヒラにしてはまだまだ小さい方で、50センチ60センチの個体もしばしば釣れてくるそうだ。そういう大物は泳ぐ力が非常に強く、引き上げるのがとても大変なんだとか。

夢中で写真を撮っていると、名人たちから指示が飛ぶ。

「写真は後回しにして早よう釣らんと群れが行ってしまうぞ~」

そう、この魚は群れで回遊しているので、一匹釣れたら立て続けに何匹も釣れるのだ。
群れの回遊に当たるとバタバタと釣れ続くが、去ってしまうとパッタリ釣れなくなる。シーズンの盛りだと数十匹釣れる日もあるとか。
群れの回遊に当たるとバタバタと釣れ続くが、去ってしまうとパッタリ釣れなくなる。シーズンの盛りだと数十匹釣れる日もあるとか。
その後、はしゃぐ僕に触発されたのか名人たちもヒラ釣りに参戦。皆で10匹ほど釣っただろうか。名人たちが釣った32センチのものが最大と型は小さかったが、十分満足だ。しかも、「せっかく遠くから来たんだから」とその最大魚をお土産に持たせてくれた。有明海の釣り人は優しいな!ボソッと「あんまり持って帰ると捌くの難儀やけんなー」とつぶやいていたのは聞かなかったことにしよう!

ちなみに、釣りの最中に一度スナメリの群れが漁港へ入ってきた。水面に追い詰めたボラを打ち上げて遊びながら食べる様子は壮観だったが、その間はまったく魚が釣れなくなるのでちょっとだけ困った。

骨切りが意外と簡単で楽しい

釣り上げたヒラは、鮮度を保つためにその場でしっかりと血を抜いてから持ち帰る。釣り場でナイフを使うのが面倒くさければ、サバのように首をへし折るだけでもいいそうだ。
この光景を夢に見ていたぜ。
この光景を夢に見ていたぜ。
下ごしらえはまず鱗と頭を落としたら、サッパと同じように硬い腹部を切り外し、内臓取り除くところから始まる。
頭を落とすと異様に大きなサッパ(ママカリ)に見える(この写真ではあえて胸ビレを残しているが、本来は頭を落とす際にまとめて落としてしまってよい)。もうこの時点で確信できる。これは間違いなく美味い魚だ。
頭を落とすと異様に大きなサッパ(ママカリ)に見える(この写真ではあえて胸ビレを残しているが、本来は頭を落とす際にまとめて落としてしまってよい)。もうこの時点で確信できる。これは間違いなく美味い魚だ。
鱗と一緒に体表の粘液を洗い流すと、この時点でもう生臭さはたいして気にならなくなった。一安心だ。
腹部は鱗が密集してガチガチに硬くなっている。スパッと切り落とし、内臓を取り除く。
腹部は鱗が密集してガチガチに硬くなっている。スパッと切り落とし、内臓を取り除く。
続いて、いよいよおろして骨切りをしていくが、中骨が残っていた方が型崩れさせずに細かく小骨を断ち切りやすい。煮つけや塩焼き用に形を保っていたい場合は二枚おろしにとどめておき、中骨の付いている方の身を使うといいかもしれない。僕は中骨から外した半身はすべて薄造りの刺身にして使い切った。

また、肉に触れると意外と脂が乗っていることにも気づく。ああ、美味そう。
いよいよ難関の骨切り!…だが、思っていたほど難しくない。むしろ爽快で楽しいぞ。
いよいよ難関の骨切り!…だが、思っていたほど難しくない。むしろ爽快で楽しいぞ。
名人は骨切りに関して「1ミリ間隔で包丁を入れていけ!」と言っていたが、僕にはそんなスキルも集中力も無いので、2ミリあるいはせいぜい1.5ミリ程度で妥協することにした。直売所に並んでいた切り身はもっと粗かったし、こんなもんでよかろう。

骨切りはただひたすら身に切り込みを入れ続けていく工程だが、実際に試してみるとさほどたいした手間ではない。包丁の刃に当たる中骨がストッパーになるので、皮の手前で刃を寸止めするハモの骨切りのように繊細なテクニックは必要ない。小骨を断ち切るザリッザリッという軽快な音が台所に響く。これは…楽しいぞ!

何十匹も捌くとなったらまた話が違ってくるだろうが、数匹程度ならたいして苦にもならないだろう。
骨切りを終えた半身。あとは煮るなり焼くなり揚げるなり。
骨切りを終えた半身。あとは煮るなり焼くなり揚げるなり。
ちなみに、このヒラは新鮮すぎるほど新鮮な状態なので、さらにこの状態から一晩寝かせて身を落ち着かせてから調理した。

やはり骨切りは必須…!

…と、ここでひとつの疑問が生じる。

先人たちに言われるがまま骨切りをしているが、もし骨切りをせずにそのまま食べたらどうなのだろう。みんな大げさに言っているだけなのでは?実はそんなに騒ぐほど食感も悪くないのでは?

疑問に思ったら実践あるのみ。あえて厚く切った刺身で試してみようじゃないか。
先人の忠告をあえて無視して厚めに切った刺身。果たしてどれほどヤバいのか。
先人の忠告をあえて無視して厚めに切った刺身。果たしてどれほどヤバいのか。
ヒラは身が極端に薄いので、どんなに厚く切っても刺身はペラッペラになってしまう(薄切りにすれば紐のように細くなる)。一般的な刺身らしいボリュームになるよう、およそ2.5センチ幅に切って食べてみよう。
あ、痛たたた!
あ、痛たたた!
頬張り、噛みしめた瞬間に無数の硬い小骨が歯に当たり、頬に触り、歯茎に刺さる。痛い!不快!それしか感じない。最悪の食感だ。身の味を意識する余裕すらない。

「こんな小魚の小骨ごとき、奥歯ですり潰してやる!」と意地になって咀嚼してみても、ヒラの小骨は意外と頑丈でなかなか噛み折ることができない。これは確かに食べられたものではないな。ギブアップですたい。
ヒラの刺身。今度は反省してちゃんと薄切りにしてみました。
ヒラの刺身。今度は反省してちゃんと薄切りにしてみました。
厚切り刺身は一切れで降参。残りは改めて薄く薄く、細く細く刻んで盛り付けなおす。これならどうだ。
骨さえ切ればこんなに美味い魚だったのか!!
骨さえ切ればこんなに美味い魚だったのか!!
さきほどの不快感がまだ頭の隅に残っているが、恐る恐るヒラの薄造り(細造り)を口に運び、噛みしめる。

…骨の欠片くらいは感じられるが、もはや気にならない程度である。ああ、おいしい。これはとてもおいしい魚だ。

柔らかい身には脂が乗っていて甘味があるが、けっしてくどくない。アジのような旨味の強さと、サッパの淡白さを同時に備えているような、不思議なおいしさだ。恐れていた生臭さも、もはやまったく感じない。

なるほど、魚屋さんの言う「殿様に献上されてもおかしくない」というのも大げさな表現ではないなと思えた。

何にしてもおいしい!でもまずはぜひ刺身を!

せっかくたくさん釣れたのだから、刺身以外の料理も試してみることにした。…まあ、もう刺身を食べた時点でどう料理してもおいしくなってしまう魚であることは確信しちゃってるんだけどね。
ヒラの茶漬け
ヒラの茶漬け
刺身は素直にわさび醤油で食べるのもいいが、ごはんに乗せて薬味を添え、出汁を掛けたお茶漬けもとてもおいしかった。来年またやろう。

そういえば食べるのに夢中で写真を撮り忘れたが、酢で締めても美味かったな。
ヒラの塩焼き。早く食べたくて肋骨を削ぎ忘れたまま焼いてしまった。
ヒラの塩焼き。早く食べたくて肋骨を削ぎ忘れたまま焼いてしまった。
塩焼きも上品なおいしさ。お茶漬けと並んで朝食にぴったりなメニュー。

塩焼きに限らず火を通すとヒラの個性がいくらか消えてしまう気もするが、そこは僕の腕が至らないというだけのことなのかもしれない。
ヒラの煮つけ
ヒラの煮つけ
もちろん煮つけにしてもよし!ヒラめ、ちょっとだけ手間はかかるが、素晴らしい万能選手じゃないか!

ちなみに魚屋さんの話だと、ヒラは有明海沿岸よりも岡山や広島の一部で珍重されるらしく、有明海で獲れたヒラが瀬戸内へ出荷されることも少なくないそうだ。あまりに岡山人が好むので、稀に「オカヤマ」という別名で呼ばれることもあるのだとか。本当だろうか?
ヒラの竜田揚げ
ヒラの竜田揚げ
言うまでもなく揚げ物も美味い!揚げてしまうと、さらに小骨が気にならなくなる。
ヒラの南蛮漬け。本日は盛り付けの彩りに大葉を乱用しております。安かったので。
ヒラの南蛮漬け。本日は盛り付けの彩りに大葉を乱用しております。安かったので。
さらに、それを甘酢に浸して南蛮漬けにしてやると、もう背骨まで食べられそうなほどになる。おかずにはもってこいのメニューだろう。

…やや邪険に扱われているように思えるヒラだが、このように小骨の処理さえしっかりしてやればどんなメニューにも合うおいしい魚だった。

そして、最後に一つだけ僕から提案したいことがある。もし、有明なり瀬戸内なりでこの安魚を食す機会があれば、何はともあれまず刺身を味わってほしい。きっと、もっといろいろなメニューを試したくなるはずだから。

有明海、まだまだ奥が深い

有明海にはヒラに限らず、まだまだ面白い生物すなわち食材がたくさんある。今後も継続してリサーチしていきたいと思う。

ちなみに余談だが、文中に登場した「ヒラ名人」は故人である僕の祖父が生前親しくしていた友人であることが後になって判明した。一瞬だけ、縁は奇なるもの!と感慨深く思ったが、そもそも釣り場が祖父の自宅近くだったのだからさほど不思議がることもねえよな。

近いうちにお礼と自己紹介をしに、またあの漁港に出向こうと思う。
今冬は有明海の巨大ハゼ「ハゼクチ」でも色々料理を作ってみようかな。
今冬は有明海の巨大ハゼ「ハゼクチ」でも色々料理を作ってみようかな。
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