さて、何を作ろうか
アルコール入りのお菓子を作って、泥酔ーツと言いたいだけのこの企画だが、さていったい何を作ったらいいのやら。
ブランデーなどのお酒を入れて作るスイーツはいくつかあるが、私はお菓子作りに関しては素人である。小麦粉を捏ねたり、オーブンを予熱したりするのはハードルが高い。
そこでお菓子売り場とお酒売り場を交互に行き来して、市販品にひと手間加える程度で作れるものを考えてみることにした。身の丈に合ったスイーツだ。
とりあえず思いつくままに購入。
レシピの考え方としては、お菓子とお酒の相性のよさそうな組み合わせを探して、それにうまいネーミングが思いついたら採用とした。一部ネーミングが先のものもある。
飲み会から帰ってきた泥酔系男子が作ります。
深夜の台所で苦闘すること4時間、どうにか出来上がった泥酔ーツは、あえて一切の試食をせず渡してみることにした。
試食をしちゃったら、なんだか渡す勇気がなくなりそう。……なんだろう、この甘酸っぱい青春の一ページみたいな気持ちは。これが手作りスイーツの醍醐味なのか。
苦闘の後。
クックパッドの人に試食してもらう
手作りのホワイト泥酔ーツを渡す相手は、日本最大の料理レシピサイトであるクックパッドの3人と、デイリーポータルZ編集部の古賀さんである。
もちろん全員女性だが、彼女達からバレンタインにチョコをもらったからという話ではない。クックパッドの方々とはまるっきり初対面である。
どうせなら余計な感情は抜きにして、きちんとした味の評価をしてもらおうと、クックパッドさんに試食の依頼をしたのだ。
クックパッド草深さん。好きなレシピは切干大根味噌バター味。
クックパッド丸島さん。好きなレシピはそら豆のスフレ風。
クックパッド安田さん。好きなレシピはホタルイカのアヒージョ。
デイリーポータルZ古賀さん。好きな酒はビール。朝までビール。
酔った勢いで作ったようなスイーツ(といえないレベル多数)を、その道のプロに試食してもらうという勇気だけは褒めてもらいたい。
泥酔ーツと言いながらも、狙うのは食べ終わった後にちょっと勇気を与えてくれる程度のほろ酔い加減である。っておっさんがいってみた。
バレンタインのお返しになるようにと、わざわざお菓子を用意してくれていた!
丸島:「はい、ウーピーパイです!」
玉置:「え、ウーパールーパー?(上の写真)」
古賀:「ウーピーって中国語っすか?」
告白、じゃなくて試食の場所は、クックパッドさんのおしゃれなキッチン。
クックパッド副編集長の草深さんから、「今日はなんでお酒入りのお菓子なんですか?」と冷静に聞かれて、冷たい汗がドバっと出る。
ぎっしりとタッパーが詰まったクーラーボックスを見て驚きの声が上がったが、自信のない時ほど男は品数が多くなるものだ。
今回は本当に自信がありません!
泥酔ーツの意味を説明している段階で、もう心が折れそうになった。
試食していただいたのはトータルで11作品。自信のあるものから出してくださいと言われたのだが、それがないという負け戦である。
先入観なしで勝負したかったので、食べてもらうまでは、これがなんなのかはあえて伝えていない。
読者の方も、その名前と写真から、味を想像しながら読んでいただければ幸いだ。
カルーアミルクプリン
まずはカラメルソースの代わりに、カルーアというコーヒーリキュールを使ったミルクプリンである。女子のお酒といえばカルーアミルクだ。
一応ホワイトデーっぽく手作りだが、ベースは牛乳を混ぜればいいだけの市販品を使っている。
本体とカルーアが少し混ざってしまっているが、プリンのプルンプルン感は成功している。
試食をしてもらったところ、最初はこれがなんなのかわからなかったようだが、すぐにカルーアだとバレた。さすが。
丸島さんに「カルーアだから、カルーアメルプリンですね!」と、私よりもうまいことを言われたのが大変悔しい。
得点は10点満点でつけてもらった。最初なので基準がよくわからないところだが、上々の滑り出しといえよう。
プリンの容器といえば、私はプッチンタイプしか思いつかなかったのだが、そこを凝ってほしいという意見が多かった。お酒の入った大人向けのプリンとしては、確かにそうかもしれない。
プラスチック容器でプッチンしてフワフワってなるドキドキ感をとるか、ガラスの器で高級感をとるか。
初対面の女性3人に、自分がまだ食べていないものを試食していただくというプレイ。
レシピ
作り方はだいたいお察しの通りだが、カルーアにとろみをつけるために、ゼラチンを溶かしたお湯が入っている。
1. ゼラチンを少量のお湯で溶かし、カルーアと混ぜてソースを作る。
2. 市販のプリンの素を説明書通りに作る。
3. 1のソースを入れて、冷蔵庫で固める。
カルーアなので牛乳で作るタイプのプリンがいいと思う。
これだと薄くなるので、少量のカルーアを温めて、そこでゼラチンを溶かして、残りのカルーアを混ぜるのが正解だったかな。
これはぜひやってみたい作り方だよね。
とろみが足りなかったのか、アルコールだから比重が軽いからか、ソースが混ざってグラデーションになった。
オールドレーズン
オールレーズンというお菓子が好きだ。明らかにレーズン100%じゃないのに、オールレーズンと言い張っているところとか。
そんなオールレーズンを、ウイスキーのオールドに浸せば、オールドレーズンの出来上がりである。
若い人に元々の味がわからないといわれて焦った。あのCMとか知らないだろうな。東ハトオ~ルレーズン~。
容器の関係上、オールレーズンを二段重ねにして作ったのだが、上の段と下の段で浸かり具合が全然違ったようで(当たり前だが)、どっちを食べたのかで評価が分かれたようだ。
このオールドレーズンという名前を説明したところ、草深さんから「小学生の息子と同じレベルなんですね」と言われたのは、褒め言葉として受け止めておく。
オールドレーズンと言いながら、家にあったのがオールドじゃなくて白角だったので、白角レーズンなのはご愛嬌。ホワイトデー用だしね。
単体で食べるだけではなく、これをレアチーズケーキの土台にするというアイデアは確かにいいかもしれない。
なにで漬けたのかすっかり忘れていて、匂いで確認。
この作り方では、上の段と下の段で濃さが違って当たり前だ。
レシピ
レシピもくそもないのだが、一応書いておく。
1. ウイスキーやブランデーなどの洋酒を用意する。
2. 密閉容器でオールレーズンに洋酒を少々掛けて、じっくり染み込ませる。
オールドレーズンなのに、まさかの白角!
マ酒マロ
マシュマロの中に酒を入れたものが、マ酒マロである。えっへん。
これはネーミング先行で、どうやってマシュマロの中にお酒を入れようか迷ったのだが、カルーアにゼラチンでとろみをつけたものがあったので、それを注射器型のスポイトで入れてみた。
みたらし団子か、味噌団子か。
マシュマロの中は空洞ではないので、注射器でカルーアを注入したら、あふれ出てしまった。
受け取る側は、あふれるほどの情熱だと理解してもらえば幸いである。
コメントを読むと、やはり中に入れるカルーアの量が少なかったようだ。点数の差は、マシュマロに対する好き嫌いが大きいかも。
ゼリーやジャムの入ったマシュマロの作り方を、ぜひエイワさんに聞いてみたいところである。
「誰も手が出ないみたいなので、私からいきます……」
入っているカルーアよりも、はみ出ているほうが多いな。
これで入れたんですよと注射器型のスポイトを出す。初対面の人にこんなのを出したらドン引きされるので気を付けよう。
レシピ
この料理の肝となる注射器型のスポイトは、化粧品コーナーで売っていた。香水とかを小瓶に入れ替えるための道具らしい。
1. ゼラチンを少量のお湯で溶かし、カルーアと混ぜてソースを作る。
2. 注射器型のスポイトで、マシュマロの中に注入する。
カルーアではなく、ラムやブランデーでもいいかもね。
もっととろみが強くてもよかったかな。
注入する行為は楽しかったです。
なんとなくイリーガルな匂いがしますね。
チョコレートボンボン
市販のものでお酒がちょっぴり入ったチョコレートがあったので、そのお酒部分を強化してみた。
パッケージが開けられていて、さらに注射の跡があるという、知らない人からもらったら絶対に食べてはいけないパターンのお菓子だ。
怪しい穴が開いている。
ブランデー、ラム、ワインの3つの味があり、どれがどれだかわからなくなると困るので、開けた袋に入れなおしたのだが、ホワイトデーの贈り物としては最低の見た目となった。
怪しい穴が開いている。
みんなのコメントが一様にワインに対して厳しい。もともとはゼリー状のワインだったのを、普通のワインと入れ替えたことで評価が下がったようだ。なんだか悪いことをした。
アルコールが増えた分、市販のものよりもカッとなるところが特徴だが、わざわざやらなくてもという気のする点数である。
適当な入れ物がなくて、製氷皿に入れて持ってきた。
注射の穴を隠そうとしたのを古賀さんに見つけられて、なんだか恥ずかしかった。
レシピ
もともとは1.2~2.8%のアルコール度数を、どこまで高められるかがポイントである。注射器型のスポイトの針がチョコで詰まるので、お湯を用意しておこう。
1. 注射器型のスポイトで、チョコの中身を吸い出し
2. 代わりにお酒をできるだけたくさん入れる。
すでにお酒が入っているが、泥酔ーツと呼ぶには、ちょっとアルコールが足りない。
製菓用のブランデーとラムの瓶が懐かしいでしょ。
開けてみたら、ゼリー状のお酒が入っていた。
お湯で温めた針を刺して、中身を吸い出し、お酒を注入。今思えば、空気を抜くための穴も開けないとダメですね。
針先に詰まったチョコは、お湯で溶かすと楽。今日一番の発見だ。
チョコを溶かして穴をふさごうとしたが、すぐにあきらめた。
ブランデーケーキストロング
アルコール度数が高い缶酎ハイをストロングと呼ぶのをまねて、お酒を足したブランデーケーキをブランデーケーキストロングと呼んでみたい。
スイーツ界のストロングスタイルである。
ブランデーケーキはもちろん市販品だ。
ブランデーケーキというものがどういうものなのかよく知らないままに、適当にそれっぽいなと買ってきたものは、よく見たらフルーツケーキと書かれていた。まあいいか。
これはその場でドボドボとブランデーを注ぐという、実演スタイルでの提供だ。
おや、市販のブランデーケーキにブランデーを掛けただけとは思えない好評価である。いや、余計なことをせずに掛けただけだからよかったのかもしれない。
ブランデーを掛ける掛けないの問題ではなく、ベースとなっているケーキがおいしいのではという声も上がった。埼玉県八潮市の「る・菓壇」さん、ありがとう。
たっぷり注いだけれど、まさかの好評価!
一応材料に洋酒って書いてあった。
レシピ
ブランデーの量は、少量でも大量でもいけるようだ。ひと手間かけて生クリームやアイスを添えれば、きっとレストランの味になるはず。
これに格好よく火をつけようと思ったのだが、クックパッドのキッチンは火気厳禁ということで止めらてしまった。でも家でやってみたら全然つかなかったので、余計な恥をかかなくてすんだ。
1. おいしいブランデーケーキを買ってくる。
2. ブランデーをドボドボと注ぐ。
火はつきませんでした!
カルーアイス
これは持っていく自作スイーツ達のラインナップがどうにも不安で、急きょコンビニで購入したバニラアイスに、材料説明のために持ってきたカルーアを掛けただけのものである。
カレーアイスではなく、カールアイスでもなく、カルーアのアイスで、カルーアイスだ。
カルーアをかけるだけなので、2秒でできる泥酔ーツです。
牛乳で割っておいしいカルーアだから、バニラアイスにかけても絶対おいしいなとは思ったのだが、どうやら想像以上にハマったらしい。
「アフォガードみたいですね」といわれて、それはなんですかと聞いた古賀さんと私(アイスにエスプレッソをかけたものだそうです)。
居酒屋などで酎ハイが濃いと得したみたいでうれしいものだが、これはカルーアの量が多いほどおいしいようだ。丸島さんから、もっとかけてという熱いアピールがあった。
ところで古賀さんが「私はビールしか飲まない」という話を、今日5回くらいしている気がする。
直前にコンビニで買ってきたアイスが大活躍だ。
カルーアをかければ、だいたいのスイーツはおいしくなるような気がする。
レシピ
この料理(といっていいのか)のコツは、カルーアをたっぷりとかけることのようだ。追いカツオならぬ、追いカルーアが必須である。
値段の安いアイスでも、このひと工夫で高級アイスに負けない味になってくれる。
1. バニラアイスにカルーアをかける。
2. 一口食べたら、さらにカルーアをかける。
カルーアの追加オーダー、入りましたー!ホッピーでいうところの「中、おかわり」である。
ちょっと溶けたくらいのアイスにかけるのがうまい。
チョコラム酒レーズンアイス
これもコンビニで買ったアイスにお酒をかけただけである。今度はチョコラムレーズンのアイスに、ラム酒をたっぷりと足してみた。
より大人っぽい味かな。
もともとラムが入っているものにラムを足すのだから、これも間違いはないだろう。
きっと高級感とアルコール度数が、飛躍的にアップしてくれるはずだ。
これはラムがどれくらいかかったところを食べたかで、評価が多少変わったようだ。よく混ぜてから食べたら、また味が違ったかもしれない。
先に食べたバニラアイス+カルーアの印象が強すぎて、点数が伸びなかったか。これもカルーアをかけたほうがよかったかも。
使用したアイスはクオリッチ。
ラミーとバッカスというそこそこ酔えるチョコも買ったのだが、どうしたらいいのか思いつかなかったので、そのままクックパッドに置いてきた。
レシピ
ラムはアルコール度数が高いので、アイスとして楽しむのであれば、量は控えめがいいかもしれない。逆にラムをたっぷりと注いで、アイス入りのお酒として楽しんでもいいかもね。
1. チョコラムレーズンのアイスに、お好みの量のラムをかける。
バニラ×チェッロ
またアイスにかけるだけシリーズである。今度はバニラアイスにチェッロというかんきつ類の皮とウォッカで作ったリキュールをかけたものだ。
料理名は 「バニラ×チェッロ」と書いて、「バニラ、カケル、チェッロ」と、カタコトの日本語風に読もう。
普通はレモンで作るのだが、これは夏みかんのチェッロ。入れ物は無視してください。
このチェッロは私が以前作ったもので、アルコール度数が高すぎて全然減らないため、古賀さんにあげようと持ってきたものである。
しかし古賀さんはビールしか飲まないと言い続けているので、せっかくだからとアイスにかけてみたのだが、これが大当たりだった。
チェッロは冷凍庫で冷やして飲むようなお酒なので、冷たいアイスとの相性が良かったようだ。
柑橘系の強烈な香りと、バニラアイスの優しい甘さが相性ピッタリ。
空いていた焼酎のカップに入れて持ってきたので、香りをかいでいるとやばい人に見えてしまう。
アルコール96度のスピリタスで作るので、かけすぎると本当に泥酔します。
レシピ
味の決め手はもちろんチェッロだ。チェッロは市販もされているが、たった2日で手作りできるので、プレゼントをするのであれば自作してみよう。作り方は
こちら。そして
こちら。
1. バニラアイスにチェッロをかける。
チェッロを作る場合は、スピリタスと果糖を用意してください。
どれだけかんきつ類の皮を薄くむけるかが、味を左右するみたいです。
カルーアミル葛餅
またまたヴィジュアル優先の、カルーアを使ったスイーツである。なんだかカルーアばっかりに頼りすぎだが。
今度はお手製の葛餅に、黒蜜風のゼラチンを溶かしたカルーアをかけてみたのだが、さてどうだろう。
黒蜜に見えるけれど、実はカルーアという恋の罠。和服の似合うコロンビア人だ。
カルーアミル葛餅と名乗っているが、ミルクは別に入っていない。入れればよかった。
コーヒーのリキュールであるカルーアが、葛餅に合うのかが評価のポイントだ。
さすがは吉野の本葛粉を使って作っただけあって、葛餅自体は好評だったが、カルーアとの相性がやはり悪かったようだ。
見た目が黒蜜っぽ過ぎるので、味とヴィジュアルにギャップがあったことも足を引っ張ったかもしれない。
これがわりと好きだと言ってくれた安田さんは、見た目に左右されないタイプなのかもしれない。
葛餅は素直に黒蜜と黄粉をかけるとおいしいよ。
レシピ
一応レシピを書くけれど、カルーアのソースは無視してもらって、ホワイトデーに手作りの葛餅をプレゼントするというのもいいかもしれない。作り方は
こちら。もしかしたら牛乳を入れて葛餅を作れば、カルーアと相性がよくなるかも。
1. ゼラチンを少量のお湯で溶かし、カルーアと混ぜてソースを作る。
2. 1のソースを葛餅にかける。
安い片栗粉でもできますが、贅沢に本葛粉を使いましょう。
葛餅の作り方は、葛粉と水と混ぜて、火に掛けながらよく練るだけ。
芋酔う羹
これはネーミング優先のスイーツで、芋羊羹ならぬ芋酔う羹である。サツマイモと芋焼酎で作った酔える和菓子なのだが、これがイメージと全然違うものになってしまった。
ちっとも固まらなかったので、苦し紛れに葛餅にトッピングしてみたらカレーみたいになった。
寒天でしっかりと固めたつもりだったのだが、これが全然固まっておらず、芋羊羹ではなく白味噌みたいになってしまったのだ。サワラでも漬けてやろうか。
古賀さんがサツマイモ大好きなのを知っているからこそ作ったスイーツなのだが、喜んでもらえるだろうか。
これはさすがに自信がなかったのだが、草深さんからまさかの高評価である。きっと草深家の来年のおせちには、栗きんとんの代わりにこれが乗っていることだろう。
これをつまみに芋焼酎を飲むというのは、一部の芋好きにとっての夢なのかもしれない。古賀さんには大不評だったけどさ。
「酒くさ!」
全然固まってなくて、こっちが固まったぜ。
「私、芋焼酎を食べるのが夢だったんですよ!」
「これはない!芋が好きなだけに、甘くないのは許せない!」
レシピ
今回用意したスイーツの中では、これが一番手間がかかっている。ホワイトデーというよりも、正月にこそ用意してほしいツマミだ。
1. サツマイモをふかして、皮をむく。
2. 1を裏ごしして、砂糖、芋焼酎と練る。
3. 芋焼酎で煮溶かした寒天を加える。
4. 型に入れて冷やす。
芋は焼き芋にするとおいしい安納芋。
古賀さんにはこの状態で食べさせるべきだった。
芋と同量の芋焼酎、そして砂糖を加える。
たっぷり寒天をいれたのだが、ちっとも固まらず。
ちなみに小豆を使った「酔う羹」も作ったのだが、こちらもまったく固まっていなかった。さすがに試食してもらうのがためらわれたので、そっと仕舞った。
この組み合わせ、おいしいと思ったのだが。
寒天の煮る時間が足りなかったのか、アルコールがだめなのか、お汁粉よりも水っぽい。
酎ハイチュウ
最後はソフトキャンディのハイチュウを焼酎に溶かして固めた、酎ハイチュウである。
泥酔ーツのネーミングとしては、これが一番気に入っているのだが、さて味はどうだろうか。
シャービックじゃないですよ。
溶かしたゼラチンを入れたものを、ギリギリまで冷凍庫で冷やしておいてもらったのだが、いまいち固まってくれなかった。スライムみたいになっている。
そういえばアルコールって冷凍庫じゃ凍らないんだった。
見事なまでの低評価が出そろった。180円くらいで出てくる悪酔いしそうな酎ハイの味がするらしい。こういう酒が出てくる店で合コンをしたら、絶対に失敗すると言い切られてしまった。古賀さんにはキャバクラを馬鹿にするなと一言いっておきたい(行ったことないけど)。
うちの子供に余ったハイチュウをあげたら、「こんなにおいしいアメを食べたの、生まれて初めて!」と感動していたので、ハイチュウは悪くない。悪いのは焼酎との相性だ。
「うゎ!」
「むぅ!」
「どゎ!」
「このあとクックパッドさんと大切な打ち合わせがあるのに、なんてことをしてくれたんだー!」
焼酎とハイチュウが織りなす驚異の不協和音。甘さ、酒臭さ、ドロドロした食感の三重苦。
結果的に審査員の方々に顔芸をさせてしまった。ははは……ごめんなさい。
この駄菓子を思わせる味が好きだという人もいるかもしれないが、ホワイトデーに贈るプレゼントとしては、相当リスキーかもしれない。
レシピ
誰も作らないと思うけれど、黒レシピとして一応書き留めておこう。
1. 小皿にハイチュウと焼酎を入れて、レンジで溶かす。
2. 1を製氷皿に入れて、焼酎と溶かしたゼラチンを加えて混ぜる。
3. 冷凍庫で冷やす。
酎ハイチュウっていうネーミングはいいんだけどね。
ハイチュウだけをレンチンしても、溶けてくれなかった。
そこで酎ハイと一緒にチンしてみると、見事に溶けてくれた。これを酎ハイに入れて、ハイ酎ハイにすればよかったか!
酎ハイ、ゼラチンを加えて冷凍庫で固める。固まらないけど。
たぶんアイスに酒をかければ大体うまい
最後にひどいのを出してしまったが、他のものはスイーツとして、そこそこ楽しめたのではないだろうか。私はあえてほとんど試食しなかったので、実はよくわからないのだけれど。
ホワイトデーだからといってスイーツにこだわらず、自分の得意分野で勝負するといいのではないでしょうか。
酎ハイチュウの失敗は、持参したイカの沖漬けで取り戻す。