特集 2014年2月10日

GIFアニメの作り方 全力まとめ 2014

スマートフォンですぐできる!
スマートフォンですぐできる!
こんにちは、編集部 石川です。

パソコン版パラパラマンガ、GIFアニメ。
初めての人でもスマートフォンがあれば簡単にできちゃうよ!技術がある人はパソコンでものすごく凝った作品もできる!……という記事をおととし書きました

あれから2年、今年もGIFアニメのコンテスト「国際GIFアニメアワード2014」の作品募集が始まっています。ぜひこの機会にみんなでGIFを作ろう!ということで、あらためて、最新情報の詰まった2014年版をお届けします。一昨年のとあわせて、お読みください。
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変な音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。(動画インタビュー)

前の記事:ペットボトルキャップは495°回せば開く

> 個人サイト nomoonwalk

GIFアニメとは

まずはGIFアニメとは何か、っていうところから説明しよう。
たとえば、こんなのだ。
上に掲載したのは、当サイトで連載中の「GIFアニメ研究会」の作品。

最初に「パソコン版パラパラマンガ」って言ったけど、GIFアニメはパラパラマンガみたいなイラストだけじゃなくて、写真を使ったもの、両方組み合わせたものなど、すごく自由度が高い。そして動画より加工しやすいから、合成写真や特殊効果なんかも比較的簡単にできてしまう。

技術がなくてもアイデア次第でいくらで面白いものができるし、いっそのことアイデアすらなくてもいい。適当にちょっと撮ってみるだけで、「わ、動く!」っていう妙な興奮があるのがGIFアニメだ。それをぜひ一度体験してみてほしい!というのがこの記事の趣旨です。

実録・GIFアニメ制作現場に潜入

自分で作る方法の紹介の前に、まずはGIFアニメの制作現場に潜入してみよう。
ちょうどGIFアニメ研究会の新作をおねがいしていた、森翔太さんの家にお邪魔した。
森翔太

1983年生まれ。

舞台出演、映像制作、自主公演など様々なパフォーマンスを行う。

映画「タクシードライバー」にインスパイアされて制作したガジェット「仕込みiPhone」の動画が、MakeやGizmodoなどのブログメディアに掲載されたことによりブレイク、YouTubeにて約280万再生、国内外のテレビメディアで取り上げられた。

2013年12月、第17回 文化庁メディア芸術祭「エンターテインメント部門」審査委員会推薦作品に、「仕込みiPhone」(ガジェット)と「脊振ILCハイスクール!」(映像作品)が選出される。
> 個人サイト 森翔太のHP
なお、森さんはプロの動画作家なのでソフトも高価なものを使っていて制作過程も凝っていて、おまけに火気を使う(!)、とちょっと敷居の高い制作風景となっている。

次のページから、スマートフォンひとつで簡単にGIFアニメを作れる方法もご紹介するので、自分で作ってみたい初心者の方はそちらもあわせてご覧いただけたらと思います。

ひとり共演プロジェクション

森さんに今日の作品の構想を聞いた。
巨大な自分の顔を置きまして……
巨大な自分の顔を置きまして……
こっちにも生身の僕が……
こっちにも生身の僕が……
ちょっとよく意味がわからない。

詳しく聞いてみると、こういうことのようだ。
1.この部屋にはホームシアター用のプロジェクターが取り付けてある。
2.そのプロジェクターで自分の顔を壁に投影する
3.その前に生身の自分が、仕込みiPhoneを持って立つ
4.頭の上では火が燃えている

なるほど、そういうことね!…と3番までは納得しかけたが、4番で一気にまた意味がわからなくなった。頭の上で?火が?
もう百聞は一見にしかずで、ひとまず制作に入ってもらおう。
まずは三脚を立ててプロジェクター投影用の動画を撮ります。
まずは三脚を立ててプロジェクター投影用の動画を撮ります。
GIFはいろんな撮影方法があるけど、こうやって動画を撮ってあとからGIFにするのは、サクッと撮れて手軽なやり方のひとつだ。
カメラに向かって舌を出し入れする森さん
カメラに向かって舌を出し入れする森さん
ひとしきり舌を出し入れしたあと、何かに満足した顔で、それを動画編集ソフトに取り込む
ひとしきり舌を出し入れしたあと、何かに満足した顔で、それを動画編集ソフトに取り込む
なお、今回のGIFアニメにはは『シネマグラフ』という手法を使うそうだ。シネマグラフとは、静止した写真の一部だけを動かす手法。

たとえばこんなの。
国際GIFアニメアワード応募作品・かわうそ「風呂」
国際GIFアニメアワード応募作品・かわうそ「風呂」
静止した写真の中で、水だけが動いている。

一部が動いているおかげで、かえって画像の「静」が強調される。独特の空気感をかもし出すGIFアニメの手法だ。
動画のシネマグラフ化に着手。まず長く撮った動画を、ペロペロ1回分に短くカット
動画のシネマグラフ化に着手。まず長く撮った動画を、ペロペロ1回分に短くカット
そこから一コマだけ静止画で切り出して、画像編集ソフトに移します。そして顔面の部分だけ消す
そこから一コマだけ静止画で切り出して、画像編集ソフトに移します。そして顔面の部分だけ消す
それを動画編集ソフトに戻してきて、さっきの動画にかぶせます
それを動画編集ソフトに戻してきて、さっきの動画にかぶせます
ペロペロの動画の上に、顔面だけ消した静止画を重ねれば、背景や顔の輪郭は静止したままで、顔面だけがペロペロする。
画面でペロペロしてる森さんと、真剣に作業する森さんのギャップがすごい
画面でペロペロしてる森さんと、真剣に作業する森さんのギャップがすごい
これで、プロジェクターで投影するための森さんは完成。
投影するためにいったん動画ファイルに書き出す。
画面いっぱいに自分のペロペロを拡大し、できた動画を険しい顔で確認する森さん
画面いっぱいに自分のペロペロを拡大し、できた動画を険しい顔で確認する森さん
どうやら満足の行く出来だったようだ
どうやら満足の行く出来だったようだ
ここでできた動画はこんな感じ。
(作業上は動画だけど、掲載用にGIFに変換して貼ってます)
(作業上は動画だけど、掲載用にGIFに変換して貼ってます)
シネマグラフについて、さっき「かえって『静』が協調される。」なんてかっこよく説明したが、しかしこの森さんのGIFのヌメッとした感じはなんだ。輪郭を固定したことで人間味が薄れて、動く蝋人形みたいな不気味さがでてきた。
これをプロジェクターに接続
これをプロジェクターに接続
大画面でヌメッとする森さん。
大画面でヌメッとする森さん。
目の前にいままで見たことのない光景が広がりトワイライトゾーンに迷い込んだ感じだが、これでも作品の制作工程としては着々と進んでいる。安心してほしい。

そして次の瞬間、森さんが意外な行動に出た。

火気登場

いきなり火を焚く
いきなり火を焚く
ヨシ。
ヨシ。
やおら皿の上に紙を敷き、火をつける森さん。またも何かに納得したのち、皿をタオルで頭に括る。
「いいGIFができそうですよ」
「いいGIFができそうですよ」
そう語る彼のまなざしは、職人のそれである。
ここで森さんの代表作、仕込みiPhoneが登場
ここで森さんの代表作、仕込みiPhoneが登場
装着!
装着!
これですべての準備は整ったようだ。さっき作ったペロペロは撮影用の素材に過ぎない。ここからいよいよGIFアニメ本番の撮影が始まる。
br />カメラをセットして、照明を落とす。東欧あたりの民族衣装のようでもある
カメラをセットして、照明を落とす。東欧あたりの民族衣装のようでもある
「石川さん、火をつけてもらえますか?」「え、はい」
「石川さん、火をつけてもらえますか?」「え、はい」
燃えさかる炎、巨大な森さん、仕込みiPhone、DailyPortalZ。
燃えさかる炎、巨大な森さん、仕込みiPhone、DailyPortalZ。
燃えさかる炎を担いで、急に儀式っぽくなってきた。
異常なおもしろシチュエーションにもかかわらず、常に凜とした表情の森さん。さすが職業・パフォーマーである。

ちなみにシネマグラフを作る際は、「できるだけ動かないこと」が大事(詳しいことは次のページ以降で)。
なので仕込みiPhoneは、重力に沿って落とすだけの一方通行の動きを撮影した。
落とすだけ。
落とすだけ。
数回のテイクの後、燃え尽きた燃料から煙が立ち上り、撮影の終わりを告げる
数回のテイクの後、燃え尽きた燃料から煙が立ち上り、撮影の終わりを告げる
クランクアップです
クランクアップです
そして、さっきのペロペロと同じように、これもシネマグラフに加工する。
パソコンに取り込んで、
パソコンに取り込んで、
さっきと同じ要領で
さっきと同じ要領で
改めて
改めて
シネマグラフにしていく
シネマグラフにしていく
今回は、単なる繰り返し再生ではなく、再生したあと逆回転で元に戻ってくるように加工した。そうすることで、ただ落とすだけだった仕込みiPhoneが、落ちたあと逆回転で元に戻り、上下に往復するようになるのだ。
「できた」
「できた」

完成

そして完成したGIFがこちら。
森翔太「仕込みiPhone×モリジェクションGIFマッピング」
森翔太「仕込みiPhone×モリジェクションGIFマッピング」
す、すごいものが完成した…。
「色味のないサイケ」とでも言おうか。後ろの森さんの幻覚っぽさがすごいし、それに対して仕込みiPhoneの軽快さ。頭上の皿がじわじわ動いているのも見る人を不安にさせるではないか。

すごくいい。すごくいいのだが、謎度が高すぎるこの作品。果たして、初心者のためのGIF講座であるこの記事の、最初の見本がこの作品でよかったのか…。読者をよけい混乱に陥れているのではないか。

しかし、こんなフォローはどうだろう。こういうちょっと言葉では説明しづらいアイデアでも、作ってみるとちゃんと作品として成立してしまうのが、GIFのすごさなのだ。
森さんどうもありがとうございました。
森さんどうもありがとうございました。
最初に手の込んだ制作風景を紹介してしまったので「大変そう…」と思った方もいるかもしれない。でも次からはすごく簡単にGIFを作る方法を紹介するので、ためらわずに次のページにゴー!
それはそうと森さんのiPhoneのガラスがすごかった
それはそうと森さんのiPhoneのガラスがすごかった
▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

デイリーポータルZを

 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ

↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓