最初は「ちょうどいいな」ぐらいの感想だったが
初めて「焼き大豆」を食べたのがいつだったかと、自分のつけていた日記を遡ってみると、2019年のことだった。最初は「ちょうどいいつまみだな」と、今思えば軽く見ていたが、一粒、また一粒と食べ、「ん?これ……かなりうまいのでは?」と感じ、今度は3粒ぐらい一気に食べてみて「いや、これはすごいかも!」と思うに至った。その店に一緒にいた友人と絶賛し合った。
私は日記に、「おつまみがわりに出てくるカレー味の大豆が旨すぎてやめられない」「近所のスーパーで売ってるという」と書いている。
その日はもう遅い時間だったのだが、翌日、那覇のスーパーを何軒かめぐり、結構な時間をかけてやっと買えたようだ。
その日の日記には「近くのサンエーというスーパーが閉店する直前に駆け込む。『焼き大豆』が欲しいのだどうしても。で、そこでようやく見つけることができ、2袋購入。一個100円。」とある。
沖縄県内に70店舗以上もあるという地元のスーパー「サンエー」でその時の私が購入したものは、ビニール製のパッケージに「焼きだいず」という文字があり「カレー味」というシールが貼ってあるものだった。
大阪の自宅に戻って食べてみると、ちゃんとあの時の味そのままで、楽しかった沖縄での時間がまだ続いているような気がした。
それ以来、通販で買うようになった
こんなに美味しいんだから似たようなものが大阪でも買えるのではないかと思った。私が知らないだけでスーパーに売っているかもしれないと探したが、見当たらない。大阪市内にいくつもある沖縄の特産品を扱う専門店をめぐってみても、見つからない。
「焼き大豆 カレー味」と検索すると、通販で購入可能なサイトがいくつか表示される(その中には大阪や東京にも店舗を展開する沖縄物産の店「わしたショップ」もあったから、ひょっとして今は店頭でも買えるのかもしれない)。
見つからない以上、もう通販で買うしかない。沖縄からの発送なので送料が少し高くついたが、背に腹は代えられない。私はそんな風にして、たまに無性にあの味が恋しくなるタイミングで「焼き大豆 カレー味」をまとめ買いするようになった。
数日前も、同じように沖縄の特産品を扱うオンラインショップから「焼き大豆 カレー味」を買った。
今回私が買ったのは「丸茂食品」という沖縄県うるま市にあるメーカーのもので、一つのパッケージが65g入りだ。
中身を器の中にあけてみる。
カレー粉の香りがふわっと香ってくる。パッケージの裏側をよく見ると、100gあたりのカロリーが「455kcal」と記載されているから、ちょっと高い方かもしれない。まあ大豆はカロリーがそもそも高い食品だというもんな。
まあ、この65g入りのパッケージでも結構長持ちしそうだし、そんなにパクパク食べないように気をつければ大丈夫だろう。
一口食べてみる、シャクシャクして、カレーの味わいが後からふわっときて、それが余韻となって残り、次の一粒を誘う。やっぱりこれだ……。
「ちょっとしたパーティーに喜ばれそうなおつまみ」というお題に対し、みんなそれぞれ思うところがあるだろうけど、「焼き大豆 カレー味」は相当いいのではないか。一見地味かもしれない。しかし、最初の一粒にさえ手を伸ばしてもらえれば、止まらなくなるはずだ。
大学時代、“ゼミ合宿”というものに一度だけ参加した。みんなでコテージを借りて飲んで、楽しかったような……いや、実際ほとんど何も覚えていないのだが、事前に「各自、これぞと思うおつまみを用意すること」と、ゼミの先生からお達しがあって、私は「無印良品」の「チキン味ミニラーメン」を買っていった。
大きな袋に味のついた乾麺がいくつも個包装されて入っていて、私はそれをお湯で柔らかくせずにそのままポリポリ食べるのが好きだったのだ。
「私はこれを買ってきました」とその袋をテーブルの上に出した時、そんなに大きなリアクションはなかったように記憶しているのだが、みんな酒が進んで最終的にそのミニラーメンにも手が伸びて、ポリポリ食べると「うまっ!」となり、ゼミの先生が「今回、一番気の利いたつまみはこれかもしれん!」と褒めてくれた。それだけは今もこうして覚えている。
しかもあれは、小腹がすいたらお湯を注いでラーメンとして食べてもいいわけだし、余ったら分けて持って帰ったりできるし、我ながら気が利いていた。いや、今は「焼き大豆 カレー味」の話だった。同じぐらい気が利いたつまみだと思う、と言いたかったのだ。

