味のない焼き大豆から似たものが作れるか
美味しい、ああ美味しいと食べ進んで一袋の半分ぐらいがなくなってしまった。今回は計5袋購入したので、まだあるのだが、いつまでもつだろう。
ざっと調べてみたところ、カレー風味のついていないただの「焼き大豆」とか「炒り大豆」なら、全国展開しているような大手スーパーでも手に入るようだ。それをベースにしたら、似たようなものが作れるのではないか。そう考え、近所の「ライフ」まで歩いてみることにした。
外に出ると秋の夜風が少し冷たく思えたが、歩いているうちに体が温まってきた。今日は一日仕事をしていて外に出ていなかったので、こうして少しでも体を動かさねば。広い店内をじっくり見ていると豆菓子などが並ぶ棚に「素焼大豆」という商品があった。
欲しいものも買えたし、帰ろう。そう思って外に出たら土砂降りだった。小さな庇のある場所に立って雨をぼーっと見ている人がいて、パーカーのフードをかぶって勢いで飛び出していく人がいる。傘を持ってきている用意のいい人もいるし、カバンからレインウェアを取り出して着ている人もいた。
まさかこんな天気になるとは知らず、傘など持ってきていない私は、雨のよけられる小さなスペースでノンアルコールビールを飲む。目の前の空がピカッと白くなり、稲妻が走った。
雨が少し小降りになったように見えたところで、意を決して歩き出したが、結果、ずぶ濡れになってしまった。大人しく、まだ残っている「焼き大豆 カレー味」を部屋の中で食べていればよかった。
なんとか帰り着き、濡れた衣類をハンガーにかけて部屋に欲し、一息ついたところで買ってきた「素焼大豆」の袋を取り出す。一緒にカレー粉も買ってきたので、これを組み合わせればなんとかなるのではないか。
「素焼大豆」を開封し、器に中身を出してみた。そこで「おっ」と思った。
なんか、この、器に大豆が7粒入った状態、すごくいい感じじゃないだろうか。高名な日本画家がこの光景に見惚れ、静物画を描いたとしてもおかしくない。
「焼き大豆 カレー味」はずっと食べていられるが、「素焼大豆」はずっと見ていられるということがわかった瞬間だった。
シンプルにカレー粉をかけてみるところから
「素焼大豆」を一粒食べてみる。うん。鬼に投げたことがある豆だ。これはこれで美味しいが、今はカレー味にしたい。まずはただ、カレー粉をかけてみる。
「ハウス食品」の「味付カレーパウダー」を豆に振りかける作戦。作戦と呼んでいいものだろうか。
当然なのだが、これだと、豆にカレーパウダーがかかっただけの状態である。
乾燥した豆がカレーパウダーを身にまとってくれない。仕方ないのでまず豆を口に入れ、パウダーをスプーンですくって後入れしてみる。食べているとあの味わいにはなる。このハウス食品のカレーパウダーには塩気もあるから、全体の味自体はかなりいい線なのだが、やっぱりこれは違うな。
次に、フライパンに油をひいて熱し、「素焼大豆」をそこに入れる。豆が油をまとったところで先ほどのカレーパウダーも振り入れてみる。
しかし、できたものを食べてみると、なんだか違った。油分によってか、あるいは熱によってか、大豆が柔らかくなってしまい、大事な食感が失われてしまったのだ。味も思ったよりぼんやりして感じられた。
というか、これだったら別にフライパンを使わず、オリーブオイルを少量、焼き大豆に絡め、そこにカレーパウダーを振るので十分なのではないか。
結果、「カレー味のオイルをまとった素焼き大豆」という感じのものになった。これであれば味はしっかりとつくし、歯ごたえも失われない。ただ、オリーブオイルの量を加減しないと過度に脂っこくなってしまいそうだし、かといってあまりオリーブオイルを使わないと味がつかなそうだし、そこが難しい。
私は器の中で大豆に味をつけようとしていたのだが、「素焼大豆」をビニール袋に入れ、そこからオリーブオイル少々とカレーパウダーを入れてシャカシャカ振るスタイルではどうだろうか。
それを小皿に取り出してみると、オリーブオイルをまとってツヤツヤした表面にカレーパウダーがバランスよくついているようだ。オイルもパウダーも程よく分散しているように見える。
うん。予想以上にいい感じだ!もちろん、通販で取り寄せた「焼き大豆 カレー味」の完璧さには遠く及ばないが、それほど脂っぽくもならないし、味のつき方にムラもない。もし「今日中にどうしてもカレー味の焼き大豆が食べたい!」と思ったら、この方法でいこうと思う。
そして、ふと気づいた。このシャカシャカスタイルなら、別にどんな調味料だって大豆にまとわせることができるな。たとえば、最近では便利なミックススパイスが色々と売られているから、ああいうものを試したらどうだろう。「クレイジーソルト」とか絶対合いそう!
焼き大豆の世界は今、私の前に果てしなく広がっていくばかりである。

