広告企画 2018年12月20日

セイウチに背中押されて伊勢参り~投稿頼りの旅in三重~

こんな県、たぶん他にない。

 

みなさんからの投稿だけを頼りに旅をする企画、今回は三重県です。

たくさんの投稿をありがとうございました(こちらで募集していました)。

伊勢神宮、鈴鹿サーキット、四日市の工場夜景など。よく知っているけど行ったことはない、なんとなくそんな印象があった三重県ですが、投稿を頼りに行ってみたらイメージがひっくり返りました。ちょう面白いから、三重。

 

※これまでいろいろな場所で取材をした記事を読めば誰もが知ったかぶりできるはず。「知ったかぶり47」は、デイリーポータルZと地元のしごとに詳しいイーアイデムとのコラボ企画です。

※姉妹企画「地元の人頼りの旅」もよろしく。

1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。(動画インタビュー)

前の記事:君は青森のイギリストーストを食べたことがあるか

> 個人サイト むかない安藤 Twitter

みなさんからの投稿だけを頼りに旅をする企画。道を調べる以外はガイドブックもネットでの評判もまったく下調べなしでいきます。

まずはこちら

【投稿】地雷と思いきや普通に美味しい鞍馬サンドの納豆コーヒーゼリーを

納豆コーヒーゼリーとは

鞍馬サンドは鈴鹿サーキットへ向かう途中にあるおしゃれなサンドイッチ屋さん。おしゃれすぎてお店がわからず、何度も前を通り過ぎてしまった。

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控えめな外装からも自信のほどがうかがえる。

お店に着いたのは平日の10時ごろだったのだけれど、店内のイートインスペースはすでに半分以上が埋まっていた。しばらく東海地方を離れていたので忘れていたが、このあたりでは喫茶店が生活に根差しているのだ。

これはおしゃれカフェの流れをくむサードウェーブとかそういう方向とはまったく違う進化をたどった、東海地方独特の喫茶店文化である。

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ショーケースにはもはや選ぶことができないほどの種類のサンドイッチが並ぶ。
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でも投稿いただいていたので迷うことなく納豆コーヒーゼリー「醍醐」を選択。

たとえば家族で今日は外食しよう、となるとする。いつもよりちょっといい服を着て、父は週末なのにネクタイなんか締めてみたりして、みんなで車に乗り込んで目当てのレストランへ行く、その前に喫茶店に寄ってコーヒーを飲むのだ。

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大きな窓から光が入ってきもちのいい店内イートインスペース。
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広大な田んぼが見渡せる。

もしかしたらそれは愛知の僕の家(とその周辺)だけなのかもしれないけれど、東海地方でいうところの喫茶店というものは、完全に市民の日常の一部としてなじんでいる。週末の朝は喫茶店にモーニング食べに行くだろう。無料のゆで卵をむきながらコーヒーお替りするだろう。喫茶店がなくなったら、われわれはもうやることがないのだ。

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モーニングセットはサンドイッチにプラス180円でコーヒーとフルーツヨーグルトが付いてくる。

ここ鞍馬コーヒーも、おしゃれであるという点でいわゆる「町の喫茶店」とは一線を画して見えるが、コーヒーカップが巨大なわりにお替り自由だったり、サービスでヨーグルトつけてみたりと、東海地方の喫茶店の基本は押さえているように思う。だから地元の人たちも朝からこぞってやってくるのだろう。

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こちらが納豆コーヒーゼリーサンド。一見ふつうのデザートサンドに見えるが。
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納豆が入っているから持ち上げると糸を引く。

さて納豆コーヒーゼリーサンドである。断面を見るとクラッシュしたコーヒーゼリーと生クリームがふかふかのパンで挟まれているのがわかる。パンは角がピンと立っていていかにも美味しそうだ。

しかし持ち上げると糸を引くのである。なぜなら納豆が入っているから。

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コーヒーゼリーと生クリーム、それに納豆の割合はこのくらい。ちょうどいいバランスを研究しつくしたという。

こんな色物サンドイッチ、美味しいはずがあるだろうか。

興味本位で食べてみる。

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あら。

なんとこれが美味しいのだ。

またまたー、とお思いだろう。確かに恐る恐る食べた後だから驚きが2割増しということもあるかもしれないが、それをしょっぴいてもこれは美味しい。

恐れていた納豆の味と香りは皆無である。ほろ苦いコーヒーゼリーと生クリームがタッグを組んで、納豆の主張を押さえこんでいるのだ。集中して食べると遠くの方から納豆菌が呼んでいる声が聞こえなくもないが、まさかここに彼らがいるとも思わないだろう。後味にほのかに残る納豆の香ばしさと食感が、トータルとしてサンドに高級感をもたらしているようにすら思う。

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付け合わせのフルーツヨーグルトがまたよかった。

こうなってくると他のサンドイッチも食べたくなるが、なにしろあの種類の多さである。こればかりは近くに住んでいないと無理だ。引っ越すか。

鞍馬サンドは正直かなり気に入ったので翌日も来ようか迷ったのだけれど、まだたくさん投稿いただいているので先に進みたい。次は三重県の北部、四日市市に向かう。

国道23号線を北上していき、蒸気を上げる煙突がいくつも見えてくると四日市である。

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青い空に白い蒸気がまっすぐ上がっていました。

え!餃子に牛乳? 

【投稿】四日市に本店がある餃子の「新味覚」
牛乳と餃子を多くの人が頼むのはここだけだと思う。

投稿いただいた新味覚は、四日市市の中心部からほど近い場所にある「ザ・街の中華屋さん」といった見た目のお店だった。ただ、入店するとその名の通り一味違う。

 

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餃子の新味覚。いい名前、そしていいたたずまいのお店である。

開店の10分前くらいに着いたのだけれど、すでに行列ができていた。みんな今日が平日だってこと忘れていないか。

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開店前から並んで餃子屋に入るの初めてかもしれない。

開店と同時に入店。店内はカウンターのみで20席くらいだろうか、暗黙のうちに左から順に詰めて埋まっていく。BGMはサザンオールスターズが流れていた。

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店内はカウンターのみ。お客と店員が真っ向勝負できる配置である。

まず目を引くのはカウンターテーブルだろう。ガラスの下に本物のマージャン牌が埋め込まれている。僕はあまり詳しくないのだけれど、これっていわゆる役の順に並んでいるのだろうか。

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マージャン牌が埋め込まれたテーブル。もちろん麻雀屋さんではない。
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座るとさっとこのセットが出てくる。

メニューは餃子以外にない。席に着くとお水と餃子のたれがすっとカウンターに置かれる。これが合戦の始まりを告げる合図である。

まずは投稿でおすすめしてもらった牛乳を注文する。注文を聞きながらも店員さんは腹をすかせたお客たちに見守られながら無駄のない動きで餃子を焼いていく。

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見守られながら餃子を焼く。これはプレッシャーだろうなー。

餃子は着席した順、つまりカウンターの端から配膳されていく。いよいよ次は僕の番だ。

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餃子が来た。と同時に
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牛乳もきた。

このお店、なんとライスすら置いていないのだ。店員さんは入ってくるお客に「餃子しかないけどいいですか」と何度も聞いていたが、もちろんそれで帰ってしまうお客はいなかった。

餃子が冷めてしまう前にいただきたいと思います。

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見るからに美味い。

新味覚の餃子はもちもちの皮の味と香りがちゃんとする。餡がわりとあっさりしているのだ。そのまま食べてももちろんいいが、据え置き型のニンニクラー油を一滴入れるとうまみが飛び出してくる。おそらくこれを完成形として作られているのだろう。

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ニンニクが嫌いじゃなかったらぜったい入れた方がいいです。

しかしやはりニンニクである。食べると胃のあたりがぼうっと熱くなってくる、そしてなにより少しにおう。

そこで牛乳なのだ。あつあつの餃子にニンニクたれをたっぷりつけて口に放り込み、冷え冷えの牛乳を瓶でくっと流し込むと

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コングラチュレーション!

これが合うんだ。

餃子といえばビール!みたいに反射的に注文してしまう人がいるかもしれない。もちろん新味覚にもビールは置いてあるが、一回あつあつの餃子を牛乳で食べてみてほしい、合うから。もしかしたらこれは新味覚の餃子に限る話なのだろうか、答えは風に吹かれている。

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感動している間に一皿あいた。

システム発動

一皿目を食べ終えたところでこのお店ならではのシステムが発動する。空いたお皿をカウンターに乗せると、何も言わなくてもおかわりがやってくるのだ。

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餃子はマージャンの点棒を引き連れて。

このお店はメニューが餃子と飲み物だけなので、会計が非常に明朗である。たとえば今回の僕の注文の場合、餃子二皿と牛乳。となるとカウンターにはこのような状態が展開される。

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牛乳と餃子二皿ですね。わかりやすい。

店員さんはこれを見て電卓をたたく。今回は注文しなかったが、ウーロン茶(瓶)やコーヒー牛乳を頼んでも同じようにキャップと点棒で判定していくのだろう。潔いメニューに確かな美味さ。その迷いのなさが、心地よいお店だった。

餃子を食べたら次は山へ向かおうと思う。

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車で少し走るとすぐに山の雰囲気になってくる。
三重県を愛する伊勢うどん大使との対談はこちら

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