デジタルリマスター 2023年3月5日

勝鬨橋の橋脚内部に入る(デジタルリマスター)

でも、橋脚内部……ってどこ?

隅田川には歴史ある橋が多くかかっている。 その中でも勝鬨(かちどき)橋という橋は、 他の橋には無いスペシャルな特徴を持つ橋だ。

なんとこの勝鬨橋、橋の中央部分が跳ね上がるようになっている、跳ね橋なのである。

あ、いや、今はもう跳ね上げられないようになっているので 正確には跳ね橋と言えないのかもしれないが、 その橋脚内部には現在も橋を跳ね上げるための機関が残っているらしい。

先日、その機関がある橋脚内部を見学することができるという話を聞いた。 隅田川橋梁群をこよなく愛する私としては、 これは見ておかねばならんだろうと思ったのだ。

2007年11月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1981年神奈川生まれ。テケテケな文化財ライター。古いモノを漁るべく、各地を奔走中。常になんとかなるさと思いながら生きてるが、実際なんとかなってしまっているのがタチ悪い。2011年には30歳の節目として歩き遍路をやりました。2012年には31歳の節目としてサンティアゴ巡礼をやりました。(動画インタビュー)

前の記事:空のボトルでちょっと良い酒を買う(デジタルリマスター)

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築地へ行こう、勝鬨橋を見よう

勝鬨橋は築地市場のすぐ近く、歩いて数分のところにデデンとある。 隅田川にかかる橋の中で最も河口近くにあるこの勝鬨橋は、築地と月島を結ぶ交通の要所。

元は昭和15年に月島で開催される予定だった東京万博のメインゲートとして、 昭和8年に建設が始まったのだそうだ。 しかし、戦争によって東京万博はぽしゃり、 結果、勝鬨橋だけが昭和15年に完成したとのこと。

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勝鬨橋入口
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橋はなんとも素敵な構造体

それから現在まで、勝鬨橋は築地のシンボルとして人々に親しまれてきた。 今年の6月には、同じ隅田川の橋である清洲橋や永代橋と共に重要文化財に指定され、 今後もずっと保存されていくことになった。

しかし、いやはや。そんな理屈抜きにしても、やっぱり良い。 橋の両脇に構えるアーチのカーブ。それを支える柱。 無骨な鉄の塊が織り成す直線と曲線の美とでもいったところか。

溶接ではなくリベット接合なのも良い。規則正しく打ち込まれた無数のリベット。 う~ん、これはもう芸術の域だと思う。素敵過ぎる。

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親のカタキと言わんばかりに打ち込まれたリベットたち
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この辺りがかつて跳ね上がっていた中央部分
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跳ね上がれ勝鬨橋

先ほども述べた通り、勝鬨橋は跳ね橋である。 昔は定期的に橋を開き、船を通過させていたそうだ。

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勝鬨橋の中央部分が……
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こうパカっと開くんです(模型)

勝鬨橋が造られた昭和初期は隅田川に入ってくる船も多く、 1日に5回も開閉していたそうなのだが、 交通が船から車に変わっていくにつれその回数は徐々に減少、 昭和45年には完全に跳ね上げがやめられてしまった。 今はもう開く部分が固定されており、 電気も通っていないため開くことはできないそうだ。

実は現在、勝鬨橋をもう一度跳ね上げようという動きがあるらしい。 しかし、設備を直すのに膨大な資金がかかるため、 その実現はなかなか難しいようだ。

でも、やっぱり勝鬨橋が開くのだとしたら、見てみたいなぁ。

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ここが勝鬨橋の中心
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こんな感じ

ちなみに勝鬨橋の開く部分。 その中央には切れ目が入っており、川の水面が見えている。 ここから左右にパカっと開くのだ。

現在この開閉部はロックされているが、 それでもここに立つと、車が通るたびに橋がぐらぐら揺れるのが良く分かる。 これは他の橋には無い跳ね橋ならではの感覚だろう。 ホント、ぐらぐら揺れるので、立っているのがちょっと怖くなるぐらい。

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