つながるかたち展を見にいく
展覧会は東京大学の駒場博物館というところで開催されていた。
この展覧会はもともと、教養学部の「個と群」という授業の成果を発表するものだったという。授業の担当は折り紙などをもとにした構造を専門とする舘知宏教授と、東京オリンピック2020のエンブレムの作者としても知られる美術家の野老朝雄さん。
展示会も6年目になり、外部の参加者も増えたりテーマも広がったりしているらしい。「つながるかたち」とは何のことなのか、まずは実際に作品を見てみたいと思う。
変わった球体が浮いている
まず目につくのはこの巨大な球体だ。120個の長方形が角を共有しながらつながっている。東京オリンピックの開会式でも使われた形状だという。
これがなんなのかを関係者の方が説明していたので引用したい。
こんなふうに、単純なかたちが一定のルールでつながり、全体として複雑な形状を作るしくみは、自然界や人工物でよく見られるのだという。そのような構造を模索する、というのがこの展覧会の大きなテーマの一つであるようだ。
くしゃくしゃに「しぼまる」球体
オリンピックのエンブレム関連では、こんな作品もあった。
これは、東京オリンピックのエンブレムで使われている「組市松紋」の図と地を逆転したものだそうだ。こういう形を作って全体を外から押すと、うまいこと間の部分がくしゃっとつぶれるのだという。

気持ちいい。
組市松紋というのはこんなやつで、3種類の長方形からできている。これの図と地を逆転して、長方形のほうを穴にして押すことで隙間なくつぶれることに気づいたのだという。なんで?
そしてその球体版がこちら。
押すといい感じにしぼまる。

自由にさわれる「わしゃわしゃ」コーナーにこれの単品が置いてあるのだ。これそのままおもちゃになるんじゃないかなという感じ。いい気持ち。
作者の割鞘さんはこれらの一連の研究で東大の総長賞を受賞したそうだ。すごい。
ぜんぶ同じ方向に回る不思議な歯車
つづいてはこれだ。
それぞれのパーツを同じ方向に回してみよう、と書かれている。やってみるとこうなる。

これの面白いのは、ぜんぶの歯車が同じ向きに回っているということだ。ふつう、歯車は隣り合うものどうしが逆向きに回る。

なのにこれは同じ向きに回るのだ。
表面の形は七宝文様になっている。それらの葉っぱの形のそれぞれを回転させるとちょうど互いに接しながら回る、という性質があるらしく、それを3次元的にひねった構造を作ったところ、こんなふうに嚙み合いながら回る不思議な歯車ができたと。
さっきからどれもそうだが、よう思いついたなという感想しかない。そもそもが野老さんのオリンピックエンブレムからして、どうやって思いついたのという感じだし。


